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第六十四話 代官の恋
しおりを挟む王立学院の卒業から2週間が経った。
結婚式の準備をしながら過ごしていたが、今はゲナバとソフィアさんに呼ばれている。
俺の隣にはリリアが座っている。
「いきなりどうしたんだ?ゲナバ、ソフィア」
2人はお互いに向き合い、頷き合ってから、私達の方を見てきた。
「ランガン公爵、ソフィアとの結婚を許してほしい」
そう言い、ゲナバは頭を下げできたのだ。
ソフィアさんも一緒に頭を下げた。
俺は頭を上げるように指示した。
「いつ、仲を深めたんだ?」
どうやら、リリア達が領地の屋敷に来た時に徐々に深めたらしい。
ゲナバがソフィアさんに惚れた理由は教えてくれなかった。
まぁ、それはしょうがないか。
「私としては結婚は何も問題無い。リリアも大丈夫か?」
「私も大丈夫よ。ソフィア、幸せになって」
「ありがとうございます。ランガン公爵、リリア様」
「ありがとうございます。ランガン公爵様、リリアお嬢様」
「ゲナバとソフィアが結婚か。なら、ソフィアは男爵夫人か」
その言葉に部屋が凍りついたのだ。
1番最初に回復したソフィアさんが口を開いたのだ。
「ど、どういうことですか?ランガン公爵様」
「俺の領地の代官をしているのだ。平民では問題があるため、ゲナバは男爵なんだ。俺が侯爵に上がった時に伝えたが、多分ゲナバはそれに興味が無かったから覚えていなかったのだろう」
ゲナバは回復し、思い出したような表情を浮かべていた。
明らかにソフィアさんは狼狽ていた。
まぁ、いきなり男爵夫人なんて言われたら、誰でもこうなるよな。
「ゲナバ、ソフィア。安心してくれ。君達は殆ど領地にいるから貴族として過ごさなくて大丈夫だ。まぁ、全貴族が強制参加の行事には参加してもらうぐらいだ。例えば、王家主催なパーティーとかな」
その言葉を聞き、ゲナバとソフィアさんは安心したような表情を浮かべていた。
そこで話を切り上げ、ゲナバを連れてある場所に向かった。
到着した場所はアカザとルナさんが住んでいる塔だ。
俺はゲナバにアカザに合わせ、ゲナバに婚約の証のネックレスのデザインを出してもらった。
素材や金は全て俺が出す。
大切な部下のお祝い事だ。
次の日にはソフィアさんの瞳色の宝石が埋め込まれたネックレス型の魔法具が完成したいた。
完成してから次の日のソフィアさんの首にはそのネックレス型の魔法具がついていた。
告白が無事成功したようだな。
そして、俺達もあと少しすれば結婚式だ。
幸せになるぞ。
勿論、リリア達と一緒に。
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