海底王国の姫は運命を求めて

 俺の生きる道は、この世界では否定される。
 歯噛みしても変わらない摂理。
 物事の原理は、昔より変わらず。
 海の世界で愛しあっていた二人は子を成せなかった。
 それでも二人が幸せだったなら
 後の世に生きる俺なんかが安易にかわいそうとは
 言ってはならないだろう。
 同じ名前を持つと同じ運命に阻まれるわけではない。
 相手を屠るほどに愛したいびつな俺は……、
 とても傲慢な生き物でサーヤに愛されたセイとは違う。
 決して手に入らないしあわせ。
 一緒になれないのを嘆いていた最愛の相手の命を
 奪って血に濡れた。
『今までもこれからも愛してるから……』
 罪を犯したのはこっちだからセイは悪くない。
 優しく笑う姿が今も胸を離れない。
「遅くなってすまない。お前だけを逝かせるわけがないだろう」
 待っててくれとも言えなかったけれど。
 この先を生きても俺には何もない。
 幸い、後継は俺以外にいる。
 断崖絶壁に立ち、身を投げる。
(叶うなら今度はお前との愛が成就できる
 世界に生まれたい。俺はお前しか愛せない)
 青く澄んだ海が、俺を包み込んでくれる。
 これで虚しい生ともお別れで、
 愛しい人と再会できる。
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