私との婚約を破棄して問題ばかり起こす妹と婚約するみたいなので、私は家から出ていきます

天宮有

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第17話

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 私がグレイの屋敷で生活できるようになってから数週間が経ち――家を出てから、約1カ月が経過していた。

 最初は魔法が使える平民として生きようと行動したけど、グレイの屋敷に招待されている。

 私の魔法が役立つ仕事もできて、ストレスだったルーミスもいない。
 最高の生活だと実感しながら、私はグレイの部屋で話をしていた。

「ルーシー様の魔法によって、皆は喜んでおります……本当にありがとうございます」

「それはなによりです……グレイ様。私は平民でしかも雇われていますので、ルーシーと呼んでください」

 話をしていて、今さらだけど様付けは止めて欲しいと伝える。
 グレイは今でも様付けで呼んでいたから、変えたくないようだ。

「い、いえ……今までルーシー様と呼んでいたので、ルーシー様と呼ばせてください」

「わかりました。グレイ様、今日は私に話しておきたいことがあると言っていましたね」

 本題に入ろうと私が尋ねると、グレイが頷く。

「はい……僕の友人リエッタ様が、ルーシー様に会いたいようです」

 リエッタは伯爵家の令嬢で、私と何度も話したことがある。

 そのリエッタが家を捨てた私に会いたいようで、その理由がわからなかった。
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