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第35話

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 2週間が過ぎて、エリオース国の依頼は増え続けている。
 このままだと1カ月も経たず滅びるようで、冒険者ギルドも見限る準備を進めているようだ。

 魔法道具の移動に月日がかかるようで、国民達に噂を流して移民を促している。
 国が滅びる状況を目の当たりにしながら、冒険者ギルドのテーブル席でラーサーと話をする。

「ここまで依頼が増えているのに、王都は平和なままですか」

「シロクさんからは、城にとてつもなく優秀な魔法使いと、その兵隊が対処していると言っていましたね」

 ラーサーがシロクから聞いた話を口にして、私は頷く。

「そうでしたね……それでも、被害がほとんど出ていないとて思いませんでした」

 王都に避難する人、国を捨てる人も多く……何をしてもエリオース国は滅びるに違いない。

 こうなると私が戻って結界を張ったとしても、何もできないはず。
 王都を守っているのは公爵令嬢のフィオナだと思うけど……その強さに驚くしかない。

 私を婚約破棄したのは、ドスラ王子がフィオナを婚約者にしたかったからでもある。
 そして今――フィオナは城で一番必要とされているのが、私は気になっていた。
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