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第52話
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レヴォク視点
ホトルクス家の家族達を集めてファールア領の話になったのは、最悪の事態を想像してのことだ。
父上は対策を打っているし、流石のシーラでも完成した人造モンスター3体なら何もできまい。
そう考えていた時……食卓の扉を開けて、1人の青年が必死の表情で入ってくる。
無礼な奴だと考えながらも、奴は人造モンスターの研究者だと思い出していた。
「モンスターの設置ができたことの報告か?」
父上が尋ねるが、俺は研究者の異変に気付く。
報告ならもっと陽気のはずなのに、どこか焦りと不安がありそうだ。
そして……研究者の発言に、俺達は驚くことになる。
「いつでも作動できますけど……今ならまだ、引き返すことができます」
「なんだと!? 成功したと言ったではないか!」
「ですから成功して設置は致しましたが……作動させて本当によいのですか!?」
今まで研究第一で被害のことを一切考えていなかった研究者は、罪の意識が芽生えたようだ。
完成させて完全にファールア領を滅ぼそうとしたことに、思うところがあったのかもしれない。
「今までのことをファールア領に報告して……罰を受ける道もあると、私は進言いたします」
「なんだと!? 今さらなにを言っておる!?」
罪を受ける――それはファールア領に全てを話し、更に禁忌に触れていたことも知られるということだ。
そうなれば、父上は間違いなく処刑される。
当然父上は反対して……研究者の顔が歪み、俺は嫌な予感がしていた。
ホトルクス家の家族達を集めてファールア領の話になったのは、最悪の事態を想像してのことだ。
父上は対策を打っているし、流石のシーラでも完成した人造モンスター3体なら何もできまい。
そう考えていた時……食卓の扉を開けて、1人の青年が必死の表情で入ってくる。
無礼な奴だと考えながらも、奴は人造モンスターの研究者だと思い出していた。
「モンスターの設置ができたことの報告か?」
父上が尋ねるが、俺は研究者の異変に気付く。
報告ならもっと陽気のはずなのに、どこか焦りと不安がありそうだ。
そして……研究者の発言に、俺達は驚くことになる。
「いつでも作動できますけど……今ならまだ、引き返すことができます」
「なんだと!? 成功したと言ったではないか!」
「ですから成功して設置は致しましたが……作動させて本当によいのですか!?」
今まで研究第一で被害のことを一切考えていなかった研究者は、罪の意識が芽生えたようだ。
完成させて完全にファールア領を滅ぼそうとしたことに、思うところがあったのかもしれない。
「今までのことをファールア領に報告して……罰を受ける道もあると、私は進言いたします」
「なんだと!? 今さらなにを言っておる!?」
罪を受ける――それはファールア領に全てを話し、更に禁忌に触れていたことも知られるということだ。
そうなれば、父上は間違いなく処刑される。
当然父上は反対して……研究者の顔が歪み、俺は嫌な予感がしていた。
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