【完結・R18】もう、少しだけ…

訂正

え…　なんで…俺…

ベッドに押し倒されてるんだ…　　男に…　　男に…　

「な…なに、　　　する…　」よく、わからない…  状況…　

俺は…
俺を力任せに押さえつけて馬乗りになったような格好で俺に跨る屈強な男を、見上げる…。

男は俺の頭上で…
今度はくすくすと、声を立てて笑っていた…

「…なん…だ、よ…　おまえ、…手、離せ…　」声が震える…

「まず、あなたの最大の間違いを訂正しておきますね…」男が俺を見下ろす。

目つきが、物凄く怖い…鋭い…　　
俺、…本当に無事に、ここから逃げられるのかな……

「…あ…あ…　な…ん、だよ…」やっぱり、情けないほどに声が震える…　

「俺は…俺の名前は、宮城じゃなくて、宮崎ですから…み・や・ざ・き、ね…
あなたに…何年、勘違いされてたんだろ…　ちっ」

そうでしたか…名前、うろ覚えでしたが…
宮城、じゃなくて、正しくは、宮崎…でしたか…
それは大変、失礼しました…

そう言えばさっき、最後に舌打ち…しましたよね…？
それはあんまり良くないと思いますよ…特に目上の人に対しては良くない…
俺は構わないけど…今後は、気を付けた方がよろしいかと、思いますよ…。

ああ…　　どうでも、いい…

名前とか、舌打ちとか、本当はどうでもいい…

でも、俺の脳内が…明らかな現実逃避の行動に出始める…。　　

なんだ、この状況…　怖い…
さっきから、逃げ出そうと全力で藻掻いているが、男は微動だにしない…
全く歯が立たない…　

だが、ジタバタしては、相手の思うつぼなのかもしれない…
ここは、年上の大人として…とにかく、冷静に会話を…　　

俺はつとめて冷静に…口を、開いた。