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33 勘違いは動き出す。
しおりを挟む攻略対象者達は勘違いの花を咲かせて動き出す。
攻略対象者の一人で、王太子の側近の一人希少な魔法使いのアダムはスカーレットの貴族の位剥奪を目障りだという理由だけで、簡単に賛成した人物である。
そんな人物は今はスカーレットに対して勘違いの、大輪の花を咲かせていた。
そして盛大に過去の自分の軽はずみな行いに後悔していた。
まるで罰のような生活をおくるスカーレットの神殿での生活を目の当たりにて、健気に一生懸命に女神シャダンに奉仕するその姿に自分が犯してしまった罪を自覚する。
そして一人の人間を、何も罪もない少女を、彼女に着せられたはずの濡れ衣にも気付かずに人として、女性としての自由を、喜びをつまらない苛立ちで、なにも後の事なんて彼女の人生なんて、それを行えば彼女が、どんな目に合うかなど深く考えずに流れに任せて奪ってしまった未来を自分のその罪をアダムは理解し後悔した。
そして、その過酷な場所に追いやった元凶はその苦しみからスカーレットを救い出す為に、彼女が持つべき権利を奪ってしまった未来を彼女に戻す為に、行動を起こす。
……だが行動を起こすと一言にいっても一人では限界があった。
アダムは国で希少な魔法使いではあるし王太子の側近という身分だか……。
爵位が低くやれることが限られてしまっていた。
貴族の世界では爵位が物を言う。
だがらアダムは考えた、ならば爵位の高いものを味方に、協力者にすればいいと。
そして運よく爵位がとても高く、自分の古くからの友人で今、目の前で不幸にも倒れてしまったスカーレットを心配して介抱している、この男ならば……。
公爵家の宰相の子息でアダムと同じ王太子の側近。
王太子とスカーレットを婚約破棄させる罪状を調べあげ、婚約破棄を後押しし
そして……スカーレットから全てを奪う事に、
彼女から貴族の位を奪う事に彼女を苦難に向かわせる事に俺とおなじく賛成したこの男ならば協力者に丁度いいと。
高熱で倒れてしまったスカーレットを運ぶ為に付き添った治療院から神殿の出口までの通路で
公爵家の子息ライリーを、アダムは、スカーレットをこの神殿から救い出す為に、彼女に貴族の位を戻し侯爵令嬢に戻す為に……彼女の自由を未来を取り戻してやるその為に。
健気で実は愛らしかったスカーレットを自分が今までの行いの責任をとり、自分の伴侶に向かえてあげて、働くなんて、そんな平民のような事は一切彼女にさせずに済むように鳥籠に囲うように守り幸せにしようと動き出してしまった。
そして、そんな魔法使いのアダムに誘われた公爵家の宰相の子息で王太子の側近であるライリーはその誘いに二つ返事で承諾する。
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