47 / 99
47 好意があるみたいに…。
しおりを挟む今日から神殿長のお仕事のお手伝いが始まったスカーレットは、上司と二人きりの職場に多少不安に、なりながら出勤した。
上司と二人きりなんて、全ての行動を監視され、進捗状況も監視されて、上司のご機嫌取りに、気まづい空気が約束されたとても居心地の悪い最悪な職場環境だと、社畜にはわかりきっているわけで。
働ける喜びはあれど、胃がキリキリと痛みとりあえずスカーレットは、深呼吸してから神殿長室の扉をノックした。
だが、蓋を開けてみれば。
顔がいいだけの糞上司で、ちょっと変わってる変な人から、気が利くそこそこいい上司に、ステップアップしていた上司が実は神のような上司だと気づく社畜。
やりがいのある仕事を適切な量を的確に指示して渡してくれる。
しかもわからないことがあれば、丁寧に分かりやすく、嫌な顔一つせずに教えてくれて。
「ああ、これはね、ちょっとわかりにくいんだけど、ここを見て同じ様に書いて貰えるかな?スカーレットは字が綺麗で助かる、ありがとう。」
と、いちいち褒めてくれる。
それに、休憩時間になれば、上司が率先して休憩を取ってくれてこちらにも休憩するように促してくれるという。
それに神殿長の仕事は令嬢時代に培ったスキルを活かす事ができて、あの勉強は無駄ではなかったのだと、嬉しくなった。
それに
「ああ、そうだ、私だけが君の名前で呼ぶのもなにか違和感があるからね、私の事も名前で、アシェルと、呼んで欲しいな?」
と、人間関係も自ら円滑にしようと努力してくれて。
そう、社畜の理想の上司に神殿長はなったのだった。
そして礼拝堂の聖書朗読の仕事もとてもやりがいが、あり、承認欲求が満たされる。
あの遭遇以来侯爵夫妻が現れないし、スカーレットは、楽しく礼拝が出来た。
まあ…攻略対象者達がまたやって来るようになって、度々セクハラを、痴漢行為をしてくるようになったが。
それには本当にスカーレットは、わけがわからないよ状態で…。
変化球の嫌がらせでもイジメでも始まったのかなと、恐怖した。
それをアシェルが助けてくれて、胸がなぜかドキドキしてしまったけど。
上司にドキドキするなんてあり得ないなと、思い直しよほど私は攻略対象者が心臓がばくばくしてしまうくらい怖かったんだなぁと、思うことにした。
ただ、アシェルは優しいだけではなくて、私が徹夜して勉強して顔色が悪くなるのを最近目ざとく見つけて叱ってくるようになった。
「スカーレット…また徹夜したね?あれほど夜は大人しく寝るように言ってるのに!怒られないとわからないの?そんなに自分の身体を軽んじて馬鹿なのかい?」
と、普段は田舎のおばあちゃんみたいなのに、怒ると、とても捲し立ててくる。
心配をされてるのもスカーレットは、気づいてて、悪い気分はしなかった。
ただ、最近アシェルが、とても…近いというか…
まるで、私の事を…好意があるみたいに接してきて。
応援ありがとうございます!
13
お気に入りに追加
4,176
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる