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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.0-29 物欲センサーというモノが、ありまして

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ドドドドドドドド!!
「「「「おっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!大失敗したぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
「大失敗で済むか欲望変態戦隊どもぉぉぉぉぉ!!」
「一番デカい50mクラスの奴で失敗したうえに、全力でその他の取巻きたちに襲われる状況を作り上げるとは、最悪なんじゃが!?」
「これ本当にレイドボス扱いじゃないのか疑問なのだけど!?」

【ウッドォォォォォォス!!】

 周囲に散らばる岩石を持ち上げ、ぶん投げまくって来るウッドロックオーガの大群。
 シャレにならないサイズの岩石ばかりであり、投げつけた力も加わって隕石が降り注ぐような光景に、ラグナロクとかそういう類を想像させる。



 そう、現在目当てのモンスターを欲望戦隊変態たちが見つけ、テイムを試みたのだが…あれだけ自信満々に準備をしてきたと言っていたのに、見事に失敗したのである。
 それどころか、周囲一帯のオーガたちも激怒する結果になったようで、巻き添えを喰らったのだ。

「大体テイムに必要な条件が、一撃でノックアウトだから、限界までバフを盛りまくったうえでやったというのに、その一撃を盛大に空ぶるってなんだよ!!」
「仕方がないだろ!!一番威力の高いスキルって、命中に難があったりするんだよ!!」
「でも、バフをかける際に副次効果でいつの間にか設置されていたバナナの皮にすべって転ぶって、古典的なギャグじゃん!!」

 条件をそろえて、なんとかやれそうな状態にまで準備を行い、成功できそうだというところまではまだ良かっただろう。
 だがしかし、そこで信じられないようなやらかしで失敗したうえに…空ぶった攻撃がそのまま別の個体に直撃し、それがまさか地中に埋まって寝ていた大型のウッドロックオーガに当たり、怒りを買うとは誰が思えたのだろうか。
 一度のミスで一気にここまでしでかすとは、欲望戦隊のやらかし能力は想像を超えるのかもしれない。


「とりあえず今は、言い争っている場合じゃないんじゃが!!ハルさんの戦車に乗って、とっとっ逃亡するのが良いと思うのだが!!」
「その戦車までの道を岩で潰されたから回り道をしているんだけどね!!」

 最悪というか、疫病神のような運というべきか、そのせいで僕らは遠回りで逃走するルートを作らなくてはいけない状態になっている。
 しかも、あの巨大なウッドロックオーガは周辺のモンスターたちのまとめ役でもあったようで、現在全方向から出てくるモンスターたちが、僕等に対して攻撃的な状態になっているのだ。

「あれでレイドでもボスでもないなんて、なんて詐欺だよ!!」
「そんなことを言われても、どうにもならんがのぅ!!フォレストデストロイヤーの犠牲を無駄にしたくなければ、さっさと逃げるしかないのじゃぁ!!」

 まとまって逃走するよりもバラバラになって逃げた方が良いかもしれないが、周辺が大木と岩の大地ゆえに逃走ルートが限られてしまい、中々押し付け合う事が出来ず、まとまって逃げるしかできない状況。
 鏡面のもといアティが召喚したフォレストデストロイヤーで一時的な時間稼ぎは出来ているはずだが、かつて襲って来た時よりも大幅に弱体化調整がされているそうで、そこまで持つことはないらしい。

 いざとなれば、黒き女神のスキルもあるのだが…流石に欲望変態共の前で披露はしたくないだろう。戦隊じゃなくて変態と言っているのは誤字に有らずだが、いっそこいつらをこの場で生贄に奉げたほうが平和的に収まる気もする。

【シャゲシャゲ、シャゲ】
「あ、激怒しすぎて収めるのも無駄ってか」
【バルルルゥ】
「ついでに言えば、大きい分走る速度も速かったようで」
【ユッキユキー!!】
「多少の肉壁もとい氷壁にならないかとしていた雪兵たちもなぎ倒されて」
【オォォォォン!!】
「現在進行形で、迫ってきている‥‥か」

「「「いや、説明されなくても分かるんだが!!」」」

 愚行によって招いたピンチ、このままでは普通に全滅もあり得るだろう。
 こちらの戦力も強くはあるが、それでも流石にあのサイズの相手は厳しい所。以前の巨大な磁石の敵だった時は黒き女神も使っていたし、前線組という大きな戦力もいたからこそ大丈夫だったが、そんな人たちがいないこの面子だと、かなりヤバいだろう。
 それに、このまま何もせずに激怒させたままだと、他のプレイヤーにも影響でそうだしなぁ…運営からのペナルティとかそういうのが来そうなことがちょっと怖い。

 むしろ何を思ってこんな無茶苦茶なのがモンスターとして普通に沸くのか、そこに疑問を抱きたい。


「なんかないかなんかないかいい手段無いか!!」
「青狸風に焦っても、便利な道具とかはないんだよ!!」
「やれるとすれば‥‥いや、待てよ!!もしかするとどうにかなるかもしれん!!」
「「「え?」」」

 全力疾走で逃走する中、タローンが何かを思いついたらしい。

「ミートンたち、覚えているか!!この星でオーガを探す中、いるかもしれないってリストアップできた奴の場所!!」
「「「ああ!!ばっちり覚えているぞ!!」」」

「え?最初からオーガの方を狙っていなかったの?」
「確かにそうだけど、いたらこっちも狙いたいなーと思っていたのがある!!下手すりゃこっちよりも厄介かもしれんが、この状況で四の五の言えない!!うまくぶつかればそれで相打ちになってくれるかもしれん!!」

 何やら欲望戦隊はこの星で、他に狙っていたらしい。
 しかし、見た目うんぬんよりもまず実力差的にこっちはこっちで厳しいかなと思って遭遇するのを避けて、今回のオーガの方だけに焦点を当てていたようだ。

「まぁ、その場合犠牲が出るかもしれんが、この状況で全滅するよりはましだ!!こっちの方に確か情報があったはずだから、そこまで駆け抜けるぞ!!」

 進む方向を変えて進むが、賭けに近いようだ。
 いなければ全滅だろうし、いたとしてもうまくいかなかったら全滅。
 デッドorデッドしか選択肢がなさそうだが‥‥それでも、生き延びる確率を探り当てるしかないだろう。
 選択肢が限られているのであれば、一つでも希望を取ろうと僕らも一緒に向かうのであった‥‥‥

「ああもう!!それしかないならやるけど、うまくいくのかな!!」
「いくと思いたい!!最悪の場合、怪獣大戦で巻き込まれる一般市民的なものになるかもしれないがな!!」

‥‥‥それ、大抵の場合犠牲者多数で終わらないかな?生き残る一般市民って多くはないような。
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