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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.2-99 そのあたりの福利厚生は充実しているようで

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…銃で撃たれた傷が治るまで、医者に出された結果は全治2週間。
 どうやら弾丸の摘出自体もすんなりできており、傷の具合を見てもふさがるまで物凄く時間がかかるということはないようだ。
 ただ、それでも大事を取ってその期間の間は入院する必要があるが…

「こういうときに、うちの会社に入社していて良かったな…福利厚生面がしっかり保証されているおかげで、傷病手当とか色々出るから助かったかも」

 ブラック企業じゃない会社なので、しっかりと手当てが出るから生活に困ることはない。
 リモートワークもやろうと思えばできるかもしれないが、ここはしっかりと休むようにと、くぎを刺されたのでできないが、一個人だけに任せきりの仕事とかはないので、カバーできるところもあるらしい。
 本当にそういうことができるように、働き方改革がされていてよかったかもしれない。

 なんにしても、入院している間は仕事のことを考えずに済むのならば、ゆっくりと休養していいのかもしれない。

「それはともかくとしてミーちゃん、あいつらはどうなっているの?」
「あいつら?…ああ、春を襲ってきたやつらだね」

 この怪我の原因となった、銃をぶちかましてきた不審者集団。
 いや、正確に言えばどうやらミーちゃん狙いの怪しいどこかの組織のようなやつららしく、現在は警察のほうで取り調べが行われているはずだが…

「あいつらに関しては大丈夫大丈夫。どうやら違法入国とか色々とやる際に、あちこち使ったせいで、芋づる式に関係なかったはずなのに探し当てられちゃった犯罪組織も出ちゃったようでさ、そっちの捕り物が出ちゃったせいで、あっという間に追い詰められまくっているって聞いたよ」

 話によれば、あの不審者どもはどこかの外国からやってきていたようだが、まともに入国してきたわけではなかったらしい。
 そのため、不正な入国方法を使ってやってきたようだが、それが多いっ切り全部バレまくっている状態で、巻き込まれた犯罪組織が一緒に検挙されてしまい、組織の生き残りとかが盛大に恨んで殺し屋をよこそうとするなど、色々と大変なことになっているようだ。

「自業自得だけど、まさかこうも大量にかかってくるとは思わなかったね。まぁ、春を傷つけたのだし、このぐらいの罰ならありじゃないかな」
「たった一人の一般人を狙っただけで、あっという間にいくつもの組織が壊滅か…」

 ありといえばありだが、天罰としては結構あり過ぎるような気がしなくもない。
 でも、もとをただせばミーちゃん狙いだったし、同情の余地もないだろう。

「ついでに言えば、その大本とかも探し当てられて検挙されて行っているしね。しばらくの間、逆恨みでの襲撃とかもないとは思うから心配はいらないよ」
「なんかこう、そういう大きな組織的なものだと、トカゲのしっぽ切りみたいにして逃げ延びようとするものだと思ったけど、案外あっさり片付いていくね」
「それもそうなんだよね…(心当たりがあり過ぎるけど)」
「今何か言った?」
「ううん、何も言ってないよ」

 ぼそっと何かミーちゃんがつぶやいたが、気にしないでおこう。
 面倒そうなのが早めに潰れてくれたのであれば、今後の生活が安心だからね。

「それと家の方だけど、ロロが色々と手入れをしているから、帰ってきて蜘蛛の巣だらけになっている空き家になっていることはないからね」
「そこはまぁ、あまり心配していなかったかな」

 使用人システム、こういう時に心強い。
 留守番を任せるとかなり安心できるようで、人によっては別荘の管理を任せたりしているらしい。

 一社のサービスに全部頼って良いのかと思いそうだが、アルケディア・オンラインの運営会社はそのあたりのサポートもしっかりしており、万が一の保証も出してくれるそうだ。

…まず、そんな使用人たちが守る家がそう容易く空き巣など入るようなことはないらしいけれどね。

「むしろ、過激に防衛しすぎないかが心配だったりする…ネットだと、一部で空き巣たちが自ら保護を求めて自首しまくったとかって話があるからなぁ」
「大丈夫…だと思いたいかな?うーん、知り合いで同じような使用人を使って留守を任せていた人がいたけど、そっちでも…いや、あれは…ノーカウントだし、問題ない…と思うよ」
「滅茶苦茶目が泳いでいるんだけど、何があったの?」
「どう言い表せばいいかわからないから、何もなかったということにしてほしい」

 本当に何があった?
 そう思うも、何やらツッコミどころが満載そうな話の予感がしたので、深入りをしないでおく。
 世の中には知らないでいい話もあるだろうし、流石にロロがそんなやばいカテゴリに入るような使用人とは思えない…か?

 魔導船、改造しまくったけど。木製の船から宇宙戦艦、妖精郷を近未来都市に魔改造しまくったけど…前科しかないような…
「多分、何事もないと思いたい…かな」
「そう思ったほうが良いかもね…」

 ミーちゃんとそう話すが、何とも言いようのない不安を抱いてしまうのであった…







【ピチュン!!…ん?噂でもされたのでしょうカ?】

…春が何となく不安を抱いていたそのころ、話に出ていたロロは珍しくくしゃみをした。
 寒いわけでもないし、ほこりが舞っているわけでもないのだが、なんとなく感じ取ったような気がしたのだ。

【ふむ、気にしなくていい話だと思いましょうカ。とりあえず今は、こっちの改造を進めたほうがよさそうですネ】
 
 そしてついでに言えば、春のその何とも言いようのない不安に対して、見事に的中をさせていた。

 使用人たるもの、住まう家に関しての整備は徹底して行うが、警備のほうもしっかりとやっておくもの。
 だが、それでも主の守りが不安であれば…大丈夫なように、色々と細工を施すものなのである。

 一応、バレないようにはしておく。気が付かれるような守りというのは、相手にもわかってしまうもの。
 ゆえに、誰にも分らないように、何も見た目は変えぬままでありながら、その中身を要塞のように作り変えるのだ。
 もちろん、春自身が願うようなことでもないかもしれないが…それでも、次第に巻き込まれつつある予感は感じ取っており、だからこそ今のうちに多少の対策を取っておくべきだと判断したのだ。

【多少の賊程度ならば、これまでご近所さんの安全確保も兼ねて既に殲滅・・・・しましたが…ふむ、厄介事を引き寄せているようですネ】

 ロロはわかっている。こういうことになるのは、一部の主たちに限ってあり得ることだと。
 だからこそ、考えられる可能性すべてに対して備えられるように、用意はしっかりしておくのだ。

【とりあえず、人手が少ないと困るので、もうちょっと雪兵をお願いしまス。あとで、冷たいかき氷をふるまいますからネ】
【ユッキー!!】

…ついでに言えば、春のテイムモンスター全員の趣味嗜好なども把握しており、いざという時に主不在に対して、動けるようにも備えているのであった。
 
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