457 / 673
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-45 地道に積み重ねて
しおりを挟む
…現実時間にて、3日が経過した。
資材が足りなくて修理できない危機が一時期あったものの、電子の海を利用した輸送方法でどうにかこうにか材料を調達し、無事に修理を終えることが出来た。
「というか、家の倉庫に何を詰め込みまくっているんだよ…材料があるのは良いけど、どこで手に入れたの?」
【それはまぁ、使用人たるものいざという時の備えを用意するために色々な手を使いまシタ】
「一部生ものもあったよね?何あの、グネグネ蠢く瓶詰の物体…」
本当にここは現実の世界なのかと言いたくなるような、摩訶不思議な物体なども詰め込まれていたが…それでもどうにか持ち運び、グレイ号の修理には役立った。
船の修理は終わり、後はここからどう動くかの話になる。
「それでロロ、ここからオンラインの世界に船を戻せるよね?」
【ハイ。事情が事情のため、修理の傍ら運営にも報告し、指示を仰ぎましてある航路の使用許可を得ることが出来まシタ。そこに向かえば、オンラインの世界までの道に乗ることが可能デス】
ロロ曰く、妖精女王の前例があるように、じつはオンラインの世界と現実の世界を繋げられる場所があるようで、今回はそれを利用するらしい。
本来は秘匿すべき情報だが、この事態を流石に重く見られているようで、特別な許可として利用が可能になったようだ。
【とはいえ、流石に修理に時間をかけ過ぎましたね…各国のニュースには上がっていないようですが、一部ではこの船の存在に気が付いた者たちがいるという報告もありまシタ。秘密裏に接近のために、月へ向かってロケットを打ち上げたところもあるようデス。なので、すぐに飛び立つ必要があるでしょウ】
「あ、やっぱり隠し通しきることが出来なかったか」
「まぁ、無理もないよね。だってこの船、結構大きいもん」
周辺の岩を張り付けて偽装する程度のものでは、隠蔽しきれなかったようである。
存在に気が付き、動き出したところもあるようで、放置しておけば厄介ごとになるのが目に見えている。
「なら、さっさと飛び立つか…総員、グレイ号発進準備を!!」
【【【【了解!!】】】】
このまま何もしないでいるよりも、離れたほうが良い。
そう思い、全員に指示を出してグレイ号の発信の準備を行う。
まぁ、そもそもこの船自体が意志を持つ船らしいので、よくある発進シークエンスを行わなくとも自動で動かせるが…こういう時は、ロマンをちょっと優先したくなる。
【カモフラージュ岩盤破砕!!同時にエンジン始動!!】
ばごぉっと音を立て、グレイ号を隠していた岩が剥がれ落ちていく。
飛び立つ際の邪魔になるが、この光景としては某宇宙戦艦の曲をかけ…
トットットットットトトゥ~♪
トゥトトトゥトトトトゥ~♪
「って、本当にかけているじゃん!!」
【主様が望まれると思いまして、セットしておきました】
しっかりとBGMを用意していたようで、雰囲気が盛り上がる。
【フライホイール接続、点火!!】
「曲にのせて…グレイ号、発進!!」
ごうっとエンジンが音を立て、グレイ号が発進する。
惜しむらくは外からの光景ではなく、中からの光景なので、少しばかり足りない気もするが…それでも無事に、修理を終えたグレイ号は問題なく稼働し、飛び立つことが出来た。
【まぁ、修理を終えているといっても、兵装用の弾薬なども素材に使用したため、基本的なエネルギー弾しか撃てない状態ですけれどネ。妖精郷へ戻って補給する必要がありマス】
「いやいや、流石にこの現実の世界で、そんな実弾が必要な戦闘自体もないだろうし、大丈夫だよ」
むしろ、そんな事態に陥るような現実の世界だったら怖すぎる。
何も知らないだけで、本物のやばい宇宙人が蠢いていたら色々とアウトだろう。
「とりあえず、オンラインの世界に帰還できる航路についてほしい。オンライン世界に帰還するまでは、このログイン状態を維持して無事に帰還できるまで見ないとなぁ…」
オンラインの世界とは違う、この何の変哲も何もない現実の世界の宇宙空間で、戦闘やもしくはよりやばいことが起こるとは思えないが、万が一ということもある。
いつでも女神のスキルを使用できるようにしつつ、警戒しておくに越したことはないだろう。
「変態神が実体化した例があるし…他に何か、オンラインの世界から何らかの理由で飛び出してくるものがないとは限らないからね。それが宇宙ダイオウイカとかそんな類だったら、相当危険だよね」
「変態戦隊のアバターが勝手に自立稼働して、分裂増殖して押し寄せて現実世界に実体化してくるバグとか、そんなものが出てもおかしくないもんね」
【いや、流石にそんな深刻過ぎるバグは、運営が見逃さないと思いますが…バグというよりも、一種の大災害ですね、ソレ】
珍しくロロがツッコミを入れたが、そんなことが起きてほしくはないと思う。
だがしかし、可能性として候補に挙げてしまうと、あの欲望戦隊ならばそのレベルをやらかしかねないんだよなぁと何故か納得できてしまうのであった…
「…本当にそういうのはないよね?」
【適切に、監視されていると思いマス。一応、秘密事項なのですが…先日の変態神の例もあり、変態に関しての監視は強化されているそうですからネ】
「まず、そういうのは締め出したほうが良いんじゃないの?」
【そこはまぁ、色々と都合があるのデス…】
…万が一の変態神再出現に備えて、それなりの兵器の類も用意されているらしい。
締め出した方が確かに良いのだろうが…世の中、根絶するというのは何かと難しいそうだ…
資材が足りなくて修理できない危機が一時期あったものの、電子の海を利用した輸送方法でどうにかこうにか材料を調達し、無事に修理を終えることが出来た。
「というか、家の倉庫に何を詰め込みまくっているんだよ…材料があるのは良いけど、どこで手に入れたの?」
【それはまぁ、使用人たるものいざという時の備えを用意するために色々な手を使いまシタ】
「一部生ものもあったよね?何あの、グネグネ蠢く瓶詰の物体…」
本当にここは現実の世界なのかと言いたくなるような、摩訶不思議な物体なども詰め込まれていたが…それでもどうにか持ち運び、グレイ号の修理には役立った。
船の修理は終わり、後はここからどう動くかの話になる。
「それでロロ、ここからオンラインの世界に船を戻せるよね?」
【ハイ。事情が事情のため、修理の傍ら運営にも報告し、指示を仰ぎましてある航路の使用許可を得ることが出来まシタ。そこに向かえば、オンラインの世界までの道に乗ることが可能デス】
ロロ曰く、妖精女王の前例があるように、じつはオンラインの世界と現実の世界を繋げられる場所があるようで、今回はそれを利用するらしい。
本来は秘匿すべき情報だが、この事態を流石に重く見られているようで、特別な許可として利用が可能になったようだ。
【とはいえ、流石に修理に時間をかけ過ぎましたね…各国のニュースには上がっていないようですが、一部ではこの船の存在に気が付いた者たちがいるという報告もありまシタ。秘密裏に接近のために、月へ向かってロケットを打ち上げたところもあるようデス。なので、すぐに飛び立つ必要があるでしょウ】
「あ、やっぱり隠し通しきることが出来なかったか」
「まぁ、無理もないよね。だってこの船、結構大きいもん」
周辺の岩を張り付けて偽装する程度のものでは、隠蔽しきれなかったようである。
存在に気が付き、動き出したところもあるようで、放置しておけば厄介ごとになるのが目に見えている。
「なら、さっさと飛び立つか…総員、グレイ号発進準備を!!」
【【【【了解!!】】】】
このまま何もしないでいるよりも、離れたほうが良い。
そう思い、全員に指示を出してグレイ号の発信の準備を行う。
まぁ、そもそもこの船自体が意志を持つ船らしいので、よくある発進シークエンスを行わなくとも自動で動かせるが…こういう時は、ロマンをちょっと優先したくなる。
【カモフラージュ岩盤破砕!!同時にエンジン始動!!】
ばごぉっと音を立て、グレイ号を隠していた岩が剥がれ落ちていく。
飛び立つ際の邪魔になるが、この光景としては某宇宙戦艦の曲をかけ…
トットットットットトトゥ~♪
トゥトトトゥトトトトゥ~♪
「って、本当にかけているじゃん!!」
【主様が望まれると思いまして、セットしておきました】
しっかりとBGMを用意していたようで、雰囲気が盛り上がる。
【フライホイール接続、点火!!】
「曲にのせて…グレイ号、発進!!」
ごうっとエンジンが音を立て、グレイ号が発進する。
惜しむらくは外からの光景ではなく、中からの光景なので、少しばかり足りない気もするが…それでも無事に、修理を終えたグレイ号は問題なく稼働し、飛び立つことが出来た。
【まぁ、修理を終えているといっても、兵装用の弾薬なども素材に使用したため、基本的なエネルギー弾しか撃てない状態ですけれどネ。妖精郷へ戻って補給する必要がありマス】
「いやいや、流石にこの現実の世界で、そんな実弾が必要な戦闘自体もないだろうし、大丈夫だよ」
むしろ、そんな事態に陥るような現実の世界だったら怖すぎる。
何も知らないだけで、本物のやばい宇宙人が蠢いていたら色々とアウトだろう。
「とりあえず、オンラインの世界に帰還できる航路についてほしい。オンライン世界に帰還するまでは、このログイン状態を維持して無事に帰還できるまで見ないとなぁ…」
オンラインの世界とは違う、この何の変哲も何もない現実の世界の宇宙空間で、戦闘やもしくはよりやばいことが起こるとは思えないが、万が一ということもある。
いつでも女神のスキルを使用できるようにしつつ、警戒しておくに越したことはないだろう。
「変態神が実体化した例があるし…他に何か、オンラインの世界から何らかの理由で飛び出してくるものがないとは限らないからね。それが宇宙ダイオウイカとかそんな類だったら、相当危険だよね」
「変態戦隊のアバターが勝手に自立稼働して、分裂増殖して押し寄せて現実世界に実体化してくるバグとか、そんなものが出てもおかしくないもんね」
【いや、流石にそんな深刻過ぎるバグは、運営が見逃さないと思いますが…バグというよりも、一種の大災害ですね、ソレ】
珍しくロロがツッコミを入れたが、そんなことが起きてほしくはないと思う。
だがしかし、可能性として候補に挙げてしまうと、あの欲望戦隊ならばそのレベルをやらかしかねないんだよなぁと何故か納得できてしまうのであった…
「…本当にそういうのはないよね?」
【適切に、監視されていると思いマス。一応、秘密事項なのですが…先日の変態神の例もあり、変態に関しての監視は強化されているそうですからネ】
「まず、そういうのは締め出したほうが良いんじゃないの?」
【そこはまぁ、色々と都合があるのデス…】
…万が一の変態神再出現に備えて、それなりの兵器の類も用意されているらしい。
締め出した方が確かに良いのだろうが…世の中、根絶するというのは何かと難しいそうだ…
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,941
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる