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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-87 パワーとは何なのか
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…敵艦隊は壊滅した。
数多くの艦がいたというのに、たった一隻の船によって、全て轟沈したのだ。
「なんというか、今なら某宇宙戦艦の敵側の気持ちが分かるかもなぁ」
「それ、わかって良いものなのかな?」
妖精郷に襲撃をかけてきた敵艦隊の艦影が一つも残っていないことを確認しながら、僕は思わずそうつぶやく。
ほぼ見ているだけに近かったが、鬼神のごとき活躍をしたグレイ号の戦いぶりには、持ち主とはいえ畏怖すら覚えたくなるだろう。
『敵艦影全てなし、周辺の漂っていた残骸も回収しまシタ』
【解析室へ、既に運ばれて解析中デス】
とりあえず、船の活躍は驚かされてばかりではいけないので、意識を切り替える。
今回の戦闘はこれで済んだが、問題なのは襲ってきた相手が何者であるかということだ。
その正体を理解しなければ、再び妖精郷へ襲撃をかけられる可能性があり…今回のように圧倒的な勝利を収められる可能性があるとはいえ、何度も何度も相手をしていたらきりがない。
「解析ねぇ…ロロ、どのぐらいで突き止められる?」
【すぐに出るかと…ああ、そう言っている間に終わったようデス】
質問をしている間に、回収した相手の残骸から襲撃者に関しての情報を割り出せたらしい。
カタカタとモニターに何やら数字が羅列し、ロロがそれを読む。
【ふむ…なるほど、予想通りですネ】
「予想通りというと?」
【襲撃してきた艦隊、使用されていた構造など原子レベルで照合した結果…以前、船を喰らおうとしてきたあの筒状船と同じものが確認できまシタ。オンライン内で同型のものは確認できておらず、確実に同種のものだと断定可能デス】
分析結果によれば、あの謎の襲撃筒状船と今回の襲撃艦隊は、同じようなもので出来ているらしい。
ただし、完全一致かといえばそうではなく、多少は改良が施されているのか、表面装甲の頑丈さやその他技術面が、簡易的な分析だけでも相当レベルが上がってもいるようだ。
【となると、あの船はテスト船に近いもので…今回の襲撃者たちはそのデータをもとにして、改良が施されて作られた艦隊でしょウ】
「でも、見た目があのちくわや土管っぽい船とは違うよね?」
【アレはおそらく、ほぼ極限まで船の性能面だけで建造され、戦闘性能面でとはまた別の目的で利用されていたのでしょウ。分析したところ、表面の武装をはがした内部構造は近いデス】
「アレもまた、内部に歯が出て相手を喰らうことが出来たってこと?」
【可能性はありますネ。ただ、その攻撃方法は非効率と判断されたのか、分析したところ少しサイズダウンしており、その分のエネルギーを攻撃面へ割り振った模様デス】
何にしても、あの正体不明の船と、今回の襲撃者は、外見が異なっているとはいえ仕向けてきた大本は同じようだ。
しかも、前と同じならまだしもだいぶ改良されている様子だが…
「…なんだろう。改良されたってことは、前以上に相当ヤバい艦隊だったという事実が判明したはずなのに、それを全滅させたグレイ号のやばさが余計に理解させられるな」
「この間は全力で逃げるしかできないほどだったのに、今だと多分…同じ運命を辿らせられるんだろうなぁ…」
『相当パワーアップしましたからネ』
いや、グレイ号。その言葉で片付いて良い話じゃない。
無茶苦茶ぶりが余計に極まったし、もしかすると今回の襲撃データを相手側の何者かが収集して、よりパワーアップをさせて仕向けてくる可能性だって出てくるのだ。
そうやすやすと戦力差を埋められることはないとは思うが…さらに厄介なことになったような気がしなくもない。
【ひとまずは、この情報は運営側のほうに報告しておきマス。どうやら使用人ネットワーク間でも、この相手は放置してはいけないという情報が共有されていますので、すぐに動くことになるでしょウ】
「厄介事が来ないようにしてほしい、というお願いも添えて報告してほしい」
【了解デス】
既に色々と手遅れな気がするが、多少は軽減させたいところ。
艦隊を全滅させるほどの力を得てしまったが、それでも襲われていい気分はしないし、出来れば相手側がこの戦闘データで二度とやってくることが無いと思ってくれればいいのだが…世の中、そううまくはいかないだろうな。
面倒ごとがやってきた気配を感じ取りつつも、回避できることを祈るしかないようであった…
「…ところでふと思ったけど、ハル。祈るのは良いけど、そういう祈りって大抵何でもかんでも何かしらの神様仏様関係が対象になるよね」
「ん?そうだけど、それがどうしたの?」
「一応、ハルも『黒き女神』で神様と言っても良いのなら…神が神に祈って意味があるのかなって思ったんだよね」
…言われてみれば、そのあたりどうなるんだろう。
いや、自分自身に祈るわけではなく、その手の専門家のような方々に祈る形であれば問題ない…よね?多分。
数多くの艦がいたというのに、たった一隻の船によって、全て轟沈したのだ。
「なんというか、今なら某宇宙戦艦の敵側の気持ちが分かるかもなぁ」
「それ、わかって良いものなのかな?」
妖精郷に襲撃をかけてきた敵艦隊の艦影が一つも残っていないことを確認しながら、僕は思わずそうつぶやく。
ほぼ見ているだけに近かったが、鬼神のごとき活躍をしたグレイ号の戦いぶりには、持ち主とはいえ畏怖すら覚えたくなるだろう。
『敵艦影全てなし、周辺の漂っていた残骸も回収しまシタ』
【解析室へ、既に運ばれて解析中デス】
とりあえず、船の活躍は驚かされてばかりではいけないので、意識を切り替える。
今回の戦闘はこれで済んだが、問題なのは襲ってきた相手が何者であるかということだ。
その正体を理解しなければ、再び妖精郷へ襲撃をかけられる可能性があり…今回のように圧倒的な勝利を収められる可能性があるとはいえ、何度も何度も相手をしていたらきりがない。
「解析ねぇ…ロロ、どのぐらいで突き止められる?」
【すぐに出るかと…ああ、そう言っている間に終わったようデス】
質問をしている間に、回収した相手の残骸から襲撃者に関しての情報を割り出せたらしい。
カタカタとモニターに何やら数字が羅列し、ロロがそれを読む。
【ふむ…なるほど、予想通りですネ】
「予想通りというと?」
【襲撃してきた艦隊、使用されていた構造など原子レベルで照合した結果…以前、船を喰らおうとしてきたあの筒状船と同じものが確認できまシタ。オンライン内で同型のものは確認できておらず、確実に同種のものだと断定可能デス】
分析結果によれば、あの謎の襲撃筒状船と今回の襲撃艦隊は、同じようなもので出来ているらしい。
ただし、完全一致かといえばそうではなく、多少は改良が施されているのか、表面装甲の頑丈さやその他技術面が、簡易的な分析だけでも相当レベルが上がってもいるようだ。
【となると、あの船はテスト船に近いもので…今回の襲撃者たちはそのデータをもとにして、改良が施されて作られた艦隊でしょウ】
「でも、見た目があのちくわや土管っぽい船とは違うよね?」
【アレはおそらく、ほぼ極限まで船の性能面だけで建造され、戦闘性能面でとはまた別の目的で利用されていたのでしょウ。分析したところ、表面の武装をはがした内部構造は近いデス】
「アレもまた、内部に歯が出て相手を喰らうことが出来たってこと?」
【可能性はありますネ。ただ、その攻撃方法は非効率と判断されたのか、分析したところ少しサイズダウンしており、その分のエネルギーを攻撃面へ割り振った模様デス】
何にしても、あの正体不明の船と、今回の襲撃者は、外見が異なっているとはいえ仕向けてきた大本は同じようだ。
しかも、前と同じならまだしもだいぶ改良されている様子だが…
「…なんだろう。改良されたってことは、前以上に相当ヤバい艦隊だったという事実が判明したはずなのに、それを全滅させたグレイ号のやばさが余計に理解させられるな」
「この間は全力で逃げるしかできないほどだったのに、今だと多分…同じ運命を辿らせられるんだろうなぁ…」
『相当パワーアップしましたからネ』
いや、グレイ号。その言葉で片付いて良い話じゃない。
無茶苦茶ぶりが余計に極まったし、もしかすると今回の襲撃データを相手側の何者かが収集して、よりパワーアップをさせて仕向けてくる可能性だって出てくるのだ。
そうやすやすと戦力差を埋められることはないとは思うが…さらに厄介なことになったような気がしなくもない。
【ひとまずは、この情報は運営側のほうに報告しておきマス。どうやら使用人ネットワーク間でも、この相手は放置してはいけないという情報が共有されていますので、すぐに動くことになるでしょウ】
「厄介事が来ないようにしてほしい、というお願いも添えて報告してほしい」
【了解デス】
既に色々と手遅れな気がするが、多少は軽減させたいところ。
艦隊を全滅させるほどの力を得てしまったが、それでも襲われていい気分はしないし、出来れば相手側がこの戦闘データで二度とやってくることが無いと思ってくれればいいのだが…世の中、そううまくはいかないだろうな。
面倒ごとがやってきた気配を感じ取りつつも、回避できることを祈るしかないようであった…
「…ところでふと思ったけど、ハル。祈るのは良いけど、そういう祈りって大抵何でもかんでも何かしらの神様仏様関係が対象になるよね」
「ん?そうだけど、それがどうしたの?」
「一応、ハルも『黒き女神』で神様と言っても良いのなら…神が神に祈って意味があるのかなって思ったんだよね」
…言われてみれば、そのあたりどうなるんだろう。
いや、自分自身に祈るわけではなく、その手の専門家のような方々に祈る形であれば問題ない…よね?多分。
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