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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-89 現実時たま狭間
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…フォウフォウとどこかの山奥で何かが鳴く真夜中。
流石に遊び過ぎずにログアウトし、明日の仕事ために春は爆睡していた。
そんな彼の横で、むくりと起き上がるミント。
真祖である彼女は別に眠る必要はなく、いつでもすぐに起床が素早くでき、あるいい社会人が一番欲しいであろうすっきり感を保つことが出来る。
だがしかし、そんなことは今、関係がない。
「…何?」
理由はわからない。
でも、真祖としての感覚が何かを…そう、近いものとすれば視線のようなものを感じ取れるのだ。
しかし、ここは室内。
周囲に隠しカメラが仕掛けられているわけでもないし、窓もしっかりカーテンを閉めているし、ロロに聞いた話では風呂場には覗き防止用のスタングレネードも仕掛けられている。
色々と秘密が多い家なせいか、対策が施されているというわけなのだが、それでもこの視線は何なのか。
警戒し、周囲を見渡していると急にミョンッと気が抜けるような音がしたかと思えば、次の瞬間には視線を感じなくなった。
「今の音は…?」
【家の周囲を覆う、特殊防壁の起動音デス】
気が付けば、いつの間にかロロがそばに立っていた。
「特殊防壁?」
【そうデス。先ほど私も気が付き、すぐに起動させまシタ。ああ、防壁と言っても目には見えないものですが…相手はこちらも見えなくなるでしょウ】
説明を聞くと、どうやらロロが家に施した仕掛けの一つらしく、透明な水のスクリーンの様なものを家全体に張り巡らせて、内部で何も起こっていないように見せかけるものらしい。
なんでそんなものがあるのかと思えば、有事の際に家を色々と動かすとかなり目立つので、バレないように作っていたそうだ。
春の家に何を仕掛けているんだというツッコミを入れたくはなるが…そんなことよりも別の問題がるようだ。
「相手は見えなくなる…何者かが、家の中を見ていたのか」
【ハイ。特殊な機器による透視のようなものが行われていた形跡がありマス。ただし、場所は周囲ではなく…どうやら、大気圏外からの監視が行われていたようデス】
人工衛星の類が使われていたのかと思ったが、軌道よりもさらに遠く、もっと別の何かが見ていたらしい。
こちらの観測できる幅にも限度があり、正体は不明だが…それでも、何者かがこの栄を見ていたのは間違いないようだ。
「いったい誰が見るのだろうか…いや、色々と心当たりがあり過ぎるから、わからないか」
【何かと多いですからネ…】
使用人や箱庭の類は問題ないが、家の構造や真祖、女神と何かとこの家には色々とあり過ぎる。
何者かが興味をもって探ろうとするのが無理もなく、心当たりが多い。
【そのため、色々な監視妨害装置も作動させまシタ。現在、この家の中身を除くのは至難の業になっているでしょウ】
「他にもあるのか」
本当に、春はこの使用人を自由にさせて良いのだろうか。
家主である彼が把握していない仕掛けが、数多く施されて行っているような気がする。
「…まぁ、考えていても仕方がないか。視線もなくなったし、ゆっくりはできそうか‥」
視線を感じて目覚めたが、無くなってしまえば身が軽くなったようにも感じる。
何者かに覗き見されていたのは良い気がしないが、妨害で切れば問題ないだろう。
「一応、これで今日は大丈夫だよね?」
【大丈夫デス。緊急時に備えて、もしも覗き見をしようと突破されそうなら、こちらから相手に念写式の呪いの映像を送りつけますので問題ありまセン】
「明らかに不穏な字面の映像だけど、良いのそれ?」
【大丈夫ですヨ。呪いの映像と言っても、専門家による徹底監修、呪いの人そのものによる出演に様々な豪華ゲストが取り揃えられて作成された、ガチもののホラー映画を流すだけですからネ。あまりの恐怖に、全力で呪い側の人たちが逃亡する逸話を持った一品ですからネ】
アウトかセーフかでいえば、恐らく前者の類。
けれども、この家の中を覗き見しようとする輩に対して使用するのならば、セーフの判定で良いのかもしれない。
とにもかくにも、何やら現実の世界でも不穏そうな予感を感じ取りつつ、ミントはツッコミを放棄しておくのであった…
…それからおよそ2時間後。
宇宙のとある場所で、物凄い大絶叫が響き渡ったが…少なくとも、監視除けとしての効果は存分に発揮されたと言えるだろう。
【ちなみにこちら、編集が施されて映画化予定デス。試写会時には本当に飛び出てくるので、阿鼻叫喚の歓声が上がったともいわれていマス】
「ねぇ、それ本当に見せて良いものなの?」
そこまで恐怖させるというか、盛大にやってはいけないやらかしをしているような気がしなくもない。
でも、それだけのものならば、春と一緒に見れば面白いことになるかもし入れないとミントは考える。
後日、そのせいで誰かが重傷を負うとは、この時は誰も知る由はないのであった…
流石に遊び過ぎずにログアウトし、明日の仕事ために春は爆睡していた。
そんな彼の横で、むくりと起き上がるミント。
真祖である彼女は別に眠る必要はなく、いつでもすぐに起床が素早くでき、あるいい社会人が一番欲しいであろうすっきり感を保つことが出来る。
だがしかし、そんなことは今、関係がない。
「…何?」
理由はわからない。
でも、真祖としての感覚が何かを…そう、近いものとすれば視線のようなものを感じ取れるのだ。
しかし、ここは室内。
周囲に隠しカメラが仕掛けられているわけでもないし、窓もしっかりカーテンを閉めているし、ロロに聞いた話では風呂場には覗き防止用のスタングレネードも仕掛けられている。
色々と秘密が多い家なせいか、対策が施されているというわけなのだが、それでもこの視線は何なのか。
警戒し、周囲を見渡していると急にミョンッと気が抜けるような音がしたかと思えば、次の瞬間には視線を感じなくなった。
「今の音は…?」
【家の周囲を覆う、特殊防壁の起動音デス】
気が付けば、いつの間にかロロがそばに立っていた。
「特殊防壁?」
【そうデス。先ほど私も気が付き、すぐに起動させまシタ。ああ、防壁と言っても目には見えないものですが…相手はこちらも見えなくなるでしょウ】
説明を聞くと、どうやらロロが家に施した仕掛けの一つらしく、透明な水のスクリーンの様なものを家全体に張り巡らせて、内部で何も起こっていないように見せかけるものらしい。
なんでそんなものがあるのかと思えば、有事の際に家を色々と動かすとかなり目立つので、バレないように作っていたそうだ。
春の家に何を仕掛けているんだというツッコミを入れたくはなるが…そんなことよりも別の問題がるようだ。
「相手は見えなくなる…何者かが、家の中を見ていたのか」
【ハイ。特殊な機器による透視のようなものが行われていた形跡がありマス。ただし、場所は周囲ではなく…どうやら、大気圏外からの監視が行われていたようデス】
人工衛星の類が使われていたのかと思ったが、軌道よりもさらに遠く、もっと別の何かが見ていたらしい。
こちらの観測できる幅にも限度があり、正体は不明だが…それでも、何者かがこの栄を見ていたのは間違いないようだ。
「いったい誰が見るのだろうか…いや、色々と心当たりがあり過ぎるから、わからないか」
【何かと多いですからネ…】
使用人や箱庭の類は問題ないが、家の構造や真祖、女神と何かとこの家には色々とあり過ぎる。
何者かが興味をもって探ろうとするのが無理もなく、心当たりが多い。
【そのため、色々な監視妨害装置も作動させまシタ。現在、この家の中身を除くのは至難の業になっているでしょウ】
「他にもあるのか」
本当に、春はこの使用人を自由にさせて良いのだろうか。
家主である彼が把握していない仕掛けが、数多く施されて行っているような気がする。
「…まぁ、考えていても仕方がないか。視線もなくなったし、ゆっくりはできそうか‥」
視線を感じて目覚めたが、無くなってしまえば身が軽くなったようにも感じる。
何者かに覗き見されていたのは良い気がしないが、妨害で切れば問題ないだろう。
「一応、これで今日は大丈夫だよね?」
【大丈夫デス。緊急時に備えて、もしも覗き見をしようと突破されそうなら、こちらから相手に念写式の呪いの映像を送りつけますので問題ありまセン】
「明らかに不穏な字面の映像だけど、良いのそれ?」
【大丈夫ですヨ。呪いの映像と言っても、専門家による徹底監修、呪いの人そのものによる出演に様々な豪華ゲストが取り揃えられて作成された、ガチもののホラー映画を流すだけですからネ。あまりの恐怖に、全力で呪い側の人たちが逃亡する逸話を持った一品ですからネ】
アウトかセーフかでいえば、恐らく前者の類。
けれども、この家の中を覗き見しようとする輩に対して使用するのならば、セーフの判定で良いのかもしれない。
とにもかくにも、何やら現実の世界でも不穏そうな予感を感じ取りつつ、ミントはツッコミを放棄しておくのであった…
…それからおよそ2時間後。
宇宙のとある場所で、物凄い大絶叫が響き渡ったが…少なくとも、監視除けとしての効果は存分に発揮されたと言えるだろう。
【ちなみにこちら、編集が施されて映画化予定デス。試写会時には本当に飛び出てくるので、阿鼻叫喚の歓声が上がったともいわれていマス】
「ねぇ、それ本当に見せて良いものなの?」
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───────
自筆です。
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