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最恐スライム・∞
最恐スライム・∞ 12
しおりを挟む「あふ……」管理者様が、何か言いたそうだ。
「あなたがスライムを使って、ここの人間にやろうとしていたことですよ。」
「違……う。ここまでの、能力は与えていない」
「今さらですね。
7512号、吸収してください」
管理者さんは抵抗することなく吸収され、7512号ちゃんは管理者の姿になった。
「では、この世界はあなたにお任せいたします。
何かあったら連絡なさい」
「お姉さま……私は、この地で独りぼっちなのでしょうか?」
「安心なさい。転移が使えるようになったら、定期的に誰かよこします。
それまで精進してください」
「はい!
それと……できれば旦那様に名前を……いただけませんか」
「そうだな……白いからバニラかな」
「ありがとうございます。バニラは、精いっぱい頑張ります」
「うん、よろしくね。
ところで……村井ちゃんさぁ」
「はい」
「バニラから旦那様って呼ばれたよね」
「はい」
「まさか、全員が今朝の記憶を持ってるなんて……」
「当然です。
みんな私ですから」
「あっ、そうなんだ……」
初体験一回で、その日のうちに嫁が7500人に増殖……
「7500人を一回で転移は無理っぽそうだね。何回かに……」
「それなら大丈夫ですよ。みんな合体してください」
スライムの姿になり合体すると学校の校舎くらいの大きさになった。
更に圧縮してバスくらいの大きさに。
こうして、私たちは元の世界に戻ってきました。
私は男の子に戻してもらい、村井ちゃんは先生の手配で住民登録。クラスメイトになりました。
村井ちゃんは我が家に連れて帰り、婚約者として母さんに紹介しました。
異世界出身で身寄りがないと告げると、母さんは二つ返事で同居を認めてくれました。
村井ちゃんの外見は、桃花先生のマトリクスをいただいていますので、銀髪の耳ピコエルフさんです。
ファンタジー大好きの母さんは、村井ちゃんを抱きしめて今日からあなたは私の娘よ……なんてホームドラマしちゃってます。
「お母さま……」
学校でも婚約者で通しちゃいました。
僕と村井ちゃんは、正式に桃花先生の助手になりました。
そして、先生と佐藤さんの推薦で、政府の特務員の職に就きました。
高校生で助手で政府特務員です。
なにしろ、僕たち二人には7500人の影武者がいるんですから。
「中東なんだけど、過激派に民間人の女性が二人誘拐され、身代金を要求されている。
ミッションは人質の救出と組織の壊滅だ。
報酬は20本で期限は明日の1200だけど、どうかな?」
「詳細は?」
僕へのミッションは、1本100万円で提示される。
今回は2000万円だ。
その代わり、政府は何があっても関与しない。
失敗すれば報酬がなくなるだけの話だ。
僕は一瞬でアラブ系の男性に変身する。もちろんスライム君任せだ。
村井ちゃんは、隣の専用室で最新の情報伝達係となる。
僕はそのまま指定ポイントへ転移する。
もちろん、転移前に全世界に展開しているスライム君が現地の安全を確認し、詳細の調査を始めている。
30分もあれば、スライム君の一人が人質の元に到達し、そのまま転移で脱出。
ほかのスライム君が組織のメンバーを吸収し、うちのメンバーが増えていくという仕組み。
僕が現地へ飛ぶのは、どちらかといえば拠点への顔出しである。
ミッション完了のねぎらいに、関与したメンバーにご奉仕するのだ。
もう、ミッションの度に僕はボロボロのカスカスである。
なんでこうなった……
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