まるでシンデレラの姉の様に

華南

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「これで憂いは一応取り払ったが……」

一度、瞳を抱きしめそのまま眠りについていたが、義姉である美夜が瞳が外泊した事を心配し何かの行動を取るだろうと思い、慧は、瞳の携帯で美夜の番号を検索し連絡した。

美夜と会話をして改めて慧は思った。

この女の存在は邪魔でしか無い、と。

(瞳が慕っている義姉だと思い今まで何も言わなかったが、それも今日で終わりだ。
事実上、瞳は僕の妻にする。
もう誰にも邪魔はさせない……)

うっとりと瞳の顔を覗き込む。

初めて触れた胸の感触。
まだ硬さの残る胸の膨らみに自然と笑みが零れる。
誰も触れた事もない瞳の清らかな身体。

「瞳……」

もう直ぐ12時になろうとする。
瞳は16歳になる。

この日をずっと待ち望んだ……。

静まり返った寝室に時計の秒針が動く音が聴こえる。
かちりと12時になった事を知らせる時計の音に慧はふっと微笑む。

「瞳、起きて……」

夕方から未だに目覚めない瞳の唇に触れる。
薄く唇が開き寝息が聞こえる。
瞳の唇に舌を這わせながら口内に侵入し、強引に舌を絡め瞳の意識を覚醒させようとする。
穏やかに眠っていた瞳の顔に微かな変化が見えてくる。
唇を奪われた事によって息苦しさを感じたのだろうか。
眉にしわを寄せながらうっすらと目を醒ます。

「ふ、ふうう…んっ」

目覚めた途端、自分の唇が慧に奪われている事を知り、瞳は大きく目を見開く。
そんな瞳に慧は目を細めながら唇を離す。

そして艶やかな声で瞳の耳元で囁いた。

「16歳の誕生日、おめでとう、瞳……」

急に言われる言葉に瞳は言葉を失う。
そんな瞳に慧がすっと瞳の唇に触れる。

何度も角度を変え優しく啄ばんでいく。

「や、やめ…」

唇を奪う慧に抵抗し追い被さってきた慧の胸を押すが手を絡め取られる。
シーツに押し付けられ動きを奪われる。

「瞳」

涙をぼろぼろ流しながら慧を見つめる瞳の唇をまた奪う。
今度は自分の存在を誇張するかの様に。
唇を含まれ強引に口内に舌が割り込まれ瞳のそれに絡ませる。

くちゅくちゅと淫らに絡まる舌の音に瞳の意識がだんだんと薄らいでいく。
瞳の抵抗が緩まったのを見計らい慧は、絡めていた手を外しチュニックとキャミソールを一気に脱がす。
床下にぱさりと音が鳴る。
慧との濃密なキスで朦朧となっていた瞳は、一瞬、自分の身に何が起こったか理解できなかった。

「瞳…」

劣情を灯した慧の目に瞳は惚けていた意識を呼び戻す。
ブラだけになった上半身に瞳は真っ赤になって胸元を隠すがその手を慧に遮られる。

「だ、駄目、慧さ……」

胸に顔を埋める慧に、瞳は力の限り抵抗するが両手を頭上に纏われ、身動きが出来ない。
背中に手を回されブラのフォックが外される。
緩やかになったブラをずらし直に慧が胸を愛撫し始める。

ぴちゃぴちゃとワザと瞳の羞恥を扇ぐ慧の舌の音に瞳が涙を流し始める。

「や、やだ、こ、怖い!」

今から慧に身体を奪われていくんだと言う恐怖に、瞳の顔から血の気が失っていく。
涙を流す瞳に胸を愛撫していた慧が顔を上げ、瞳の目じりに唇を落とす。

「泣かないで、瞳。
これは僕が瞳を愛している事を証明する為の儀式だ。
だから何も怖くは無い。
ただ、僕を感じて欲しい……」

そう言いながら唇にキスする。
柔らかく触れる慧の口付けに瞳は嗚咽を上げながら受け止める。
そんな瞳の強張りを和らげるかの様に慧は優しく胸に触れていく。
じっくりと胸に指を這わせそっと先端に触れる。
まるで羽の様に微かに触れていく慧の繊細な指の動きに瞳の強張りが解けていく。

「あ、ああ…ん」

自然と甘い声が零れていく。
慧に緩やかに解されていく身体に恐怖以外の感覚が瞳の身体の奥から湧き上がる。

「そう、それでいい……」

うっとりと耳元で慧が囁きながら瞳の胸の先端を押しつぶす。
急に体中に駆け巡る甘い痺れに瞳の口元から嬌声が漏れる。
自分の愛撫に瞳が感じ始めている事に気を良くした慧は耳裏に舌を這わせ、線に沿うように項から頚に、そして鎖骨に流れるように口付けをし、瞳の胸に唇を落とす。
甘い疼きに体中の緊張が抜け力の入らない瞳の腕の拘束を解き、慧は両手で胸を犯して行く。
線を描くように胸に触れ揉みしだく慧に瞳は甘やかに声を上げるばかり。

「ああ、瞳……」

獰猛な目で瞳を見つめ慧は先端を舌で絡ませ歯で甘く噛む。

「やああ…ん」

「もっと感じて僕を……」

背中に腕を回し瞳のなだらかな肌の感触を味わいながらもう片手で瞳のジーンズに手を掛ける。
ファスナーを下ろし、足元まで脱がす。
瞳の身体を纏うものが白いショーツだけになった事を瞳は知り、大きく目を見開きながら慧を見つめる。
その視線に慧が欲情を孕んで目で見つめる。

「あ……」

「瞳」

じっと瞳を射抜く慧の獰猛な雄の目。
自分を欲していると感じる慧の欲望に瞳はただ身体を震わせ見つめるしか出来ない。
ゆっくりと慧が瞳のショーツに手を掛け下ろしていく。

全裸になった瞳の身体を慧は嘆息を漏らしながら見つめる。

「綺麗だ瞳。
僕のお姫様……」

そう瞳に囁きながら慧はバスローブを脱ぎ捨て自身も全裸になる。
初めて見る異性の身体に瞳は言葉を失う。
自分と違う慧の身体。
均整の取れた慧の身体に瞳はただただ釘付けになり見つめている。
そんな瞳に微笑みながら慧はぎゅっと強く抱き締める。
直に伝わる慧の肌の熱さと、そして腹に当たる慧の灼熱。
余りの硬さに瞳は慧の腕の中で震え始める。

瞳の初心な反応に慧は艶やかな目で見つめながら瞳の唇に軽く触れる。

「解るかい、瞳。
僕がどれ程君を欲しているか。
君を愛しているか、君に解るだろうか……」

怯えを含む瞳に何度もキスを落としながら愛を囁いていく。

「慧さん……」

「君が欲しい、瞳」

真摯に自分の目を射抜く慧に瞳はゆっくりと目を閉じていく。
目を瞑りぎゅっとシーツを握り締める瞳に、慧はふっと微笑みながら抱擁を解いていく。
腹部に臍に、そして下肢に唇を落としていく。
慧の愛撫に感じた下肢がしっとりと濡れている。
そっと指先で触れその雫を掬い上げる。

目を硬く瞑った瞳が慧に濡れそぼった下肢に触れられて目をうっすらと開かせる。

「さ、慧さ…ん?」

今までにない驚愕が瞳を襲う。
顔を埋め下肢を愛撫し始める慧に瞳の羞恥が極限まで達する。
足に力を入れ抵抗しようとしても慧に抑えつけられ身動きが取れない。

「だ、駄目、そ、そんな!
い、いや、慧さ……」

途切れ途切れに力なく訴える瞳を無視し慧が陰核に舌を這わせ溢れる雫を啜っていく。
その脳髄を犯すほどの快楽に瞳はもう、言葉すら出ない。
ただただ甘い嬌声を上げている。
一瞬、瞳の視界が白くぼやけていく。
体中が震え落下していく様な感覚に、瞳は泣きながら慧に止めるように訴えるが、もっと瞳の花芯を愛撫する。
指で、唇で、そして舌で。

「やだ、こ、怖い……。
誰か助け、て」

いやいやと頚を振りながら慧の愛撫に身体が悶える。
がくがくと足が震える。
一瞬、ぴんとつま先が強張っていき、そして緩やかになる。
瞳が達した事を知った慧が瞳の下肢から顔を上げ、妖艶に微笑む。

「ああ、瞳。
君とやっと一つになれる」

うっとりと微笑みながら瞳の両膝裏に手をかける。
瞳の唇から浅く吐息が零れる。
全身が薄桃色に染まり仄かに女の色香が漂ってくる。
その瑞々しいまでの瞳の身体に唇を落としながら慧は自身を瞳の下肢に進めていく。
快楽に打ち震えていた瞳の意識が急に覚醒する。
身を引き裂かれるような痛みに瞳は涙をぼろぼろ流しながら慧の身体を押しのけ様とするが、一気に慧に身体を貫かれる。

「い、いたい!
や、やだ、痛い、慧さん、やだ、お願い!
身体から抜いて……」

繋がった下肢から赤い鮮血が流れる。
身体を悶えさせ痛みを訴える瞳の唇を奪い慧が緩やかに腰を動かしていく。
ぬちゃりと交わる音が寝室に鳴り響く。
形を変える様に胸を愛撫し瞳の唇を犯しながら慧は瞳の最奥を穿つ。
痛みを訴えていた瞳の唇がほんのりと甘い吐息を零し始める。
身体が痛みだけではない反応を示し始めた事に気付いた慧が一気に速度を速めていく。
角度を変え瞳が感じる場所を集中的に穿つ慧に瞳は嬌声を上げながら快楽へと落ちていく。
慧の頚に腕を回し縋っていた瞳の奥深くに慧の熱が膜越しに爆発する。
短い嬌声と共に瞳の身体がだらりと慧の腕の中に倒れていく。
瞳の中から自身を出し瞳を強く抱きしめる。

頬を高潮させ涙が滲む瞳の眦に唇を落としながら慧が目を細める。

「ああ、瞳。
やっと僕のモノになった」

息を弾ませながら慧が呟く。
瞳の初めてを自分が奪った。

「瞳、もう、君を離さない……」

今までにない充足感を深く感じながら、慧は瞳を腕に抱き眠りについた……。
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