公爵令嬢、爵位を弟に譲って隠居したのにどうして悪党狩りなんてしているのでしょう?

「爵位を弟に譲って、静かに隠居するつもりでしたのに。
 どうして私、悪党狩りなんてしていますの?」

父の死により公爵位を継ぐはずだったアメリア。
しかし、責務より静かな暮らしを望み、
優秀な弟へ爵位を譲る決意をする。

ところが――
その決断に婚約者は激怒。

「爵位は夫である俺に譲るべきだ!
 爵位を持たないお前に価値はない!」

軽蔑と失望を覚えたアメリアは、
婚約者の脅しを一刀両断し、婚約破棄を受け入れる。

こうして“元公爵令嬢”となった彼女は、
森の別邸で優雅な隠居生活……のはずだった。

しかし村で耳にした
「隣領の悪徳男爵が住民を搾取している」
という噂が、アメリアの正義感に火をつける。

「事実なら、貴族の風上にも置けませんわ」

仮面と外套で正体を隠し、密かに調査を開始。
悪事の証拠を掴み、あっさりと男爵を失脚させたことで、
人々は彼女を “仮面の令嬢” と呼び始める。

だが、倒した男爵の帳簿から見えたのは――
もっと大きな影。

資金と命令を出していた黒幕の名は、
なんと アメリアの元婚約者 だった。

「では、その“馬の骨”の正体を教えて差し上げます」

仮面を外し、真実を示すとき。
彼女の一言で、すべてがひっくり返る。

悪徳貴族の大掃除、元婚約者の没落、
そして弟の成長を見届けたのち、
アメリアはようやく本当に静かな隠居生活へ――。

婚約破棄ざまぁ × 隠居スローライフ × 正体隠し × 悪党成敗!
元公爵令嬢の、優雅で痛快な“悪党狩り隠居譚”。


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