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66. 依存症
しおりを挟む「うおりゃ!!」
ガシャン!!
アナ先生が鞘から抜刀したと同時に、何かが割れた音が響いた。
どうやら階段フロアーの【上級結界】の破壊に成功したようだ。
剣豪スキル【一撃】は、居合技だ。
最初に集中しないといけないので、実践では中々使えない技でもある。
混戦中に刀を鞘に戻して瞑想などしようものなら、殺して下さいと言っているようなものだ。
まあ使えるとしたら、1VS1の対人戦の時ぐらいだろう。
「上手くいったわね!」
「お見事です! アナ先生!」
現在、俺とアナ先生が二人で、階段フロアーの結界を破壊する仕事をしている。
他のメンバーはというと、
アドは、クモに頼まれた野菜の栽培と、350階層から399階層に、クモや俺がリクエストした食材や素材をドロップする フロアーボスを配置する仕事を。
ビー子とクモは、これから城の建築に大量に使うセラミックス粘土の素材をゲットする為に、土ゴーレムを狩りに行っている。
「朝に打ち合わせしたどうり、何かあった時の移動手段を残して置かないといけないから、1階、50階、100階、150階、200階、250階、300階、350階の階段フロアーの結界を残し、素材回収の為に使う予定の下層の階段フロアーは、素材をゲットする度に、城のある最下層から順に上っていくのは面倒くさいから、5階飛びに結界を残して置くわよ!」
アナ先生が朝にも話してた話を、まるで誰かに説明するかのように復唱した。
「了解です!」
そんな感じで俺たちは、1日かけて階段フロアーの【上級結界】を破壊し終えたのだった。
「ビー子とクモはどんな感じだった?」
「沢山やっつけたよ!」
「81匹クモ」
ビー子の回答を、クモが補足する。
「まだまだ足りないないから明日も引き続き、土ゴーレムを狩ってくれ!」
「了解だよぉ!」
「承知クモ!」
「アッ! そうだ。クモ、セラミックス粘土に使う魔物の骨のストックはあるか?」
「あまり無いクモ……」
クモは申し訳ないように返事をする。
「アド、確か餓狼族をフロアーボスに設置した階層があったよな!」
「主様。餓狼族のお肉はよく食べると思いましたので、この階層の上の399階層のフロアーボスにしております」
アドが恭しく、頭を下げながら返答する。
「やるな! アド!
そしたら、ビー子とクモは明日の午前中は餓狼族。午後からは土ゴーレムを狩ってくれ!」
「了解だよ!」
「承知クモ!」
今日の仕事が終わり、クモは料理に。
アナ先生とビー子とアドはお風呂に、俺はセラミックス粘土の製作に取り掛かる。
「クモ! 有るだけ魔物の骨を分けてくれるか」
「承知クモ!」
クモは自分の冒険者バックから、料理のダシを取るためにストックしている魔物の骨を取り出す。
「ご主人様好きクモ!」
いつものように真っ赤な顔をしながら、バレンタインのチョコレートを渡すようなかんじで、魔物の骨を渡された。
「あ……あ……ありがとうな」
俺は有難く魔物の骨を受け取り、風魔法を使って、骨を粉末にする作業に取り掛かる。
骨が粉末になったら、土ゴーレムの土と水をでっかいタライにぶち込み、【錬金】を始める。
20分ほど素材に満遍なく魔力を与え続けていると、素材がピカッと光り輝き、セラミックス粘土が完成した。
「お腹空いたよぉ~」
どうやらビー子達が、お風呂から上がってきたようだ。
「夕飯の準備は出来てるクモ!」
俺も作業を止めて、夕飯を食べる。
今日の夕飯は、パプリカやアボカドなど、この世界では まだ食べた事がない野菜を使った料理が沢山出てきた。
どうやら、クモはガリクソン著『料理入門』に出てくる野菜を、全てアドにリクエストして栽培してもらっていたらしい。
『料理入門』の料理のレパートリーは、幅広い。
高級フレンチからお好み焼きのようなB級グルメまで、俺にはどう考えてもガリクソンが日本人にしか思えない。
まあ俺的には、ガリクソンのお陰で、日本で食べなれた食事を異世界でも食べられて良い事なんだけどね。
食事が終わると、俺は床に張るセラミックスタイルの【錬金】に取り掛かる。
タライに入ったセラミックス粘土を一気に【錬金】するのも可能なのだが、時間がかかりすぎるので10回に分けてやる事にする。
俺は最初の300枚分のセラミックス粘土を取り分け【錬金】を始める。
するとおよそ5分程で、床用のセラミックスタイルの【錬金】が完了した。
「アナ先生、ビー子、クモ、アド、城の床張りお願いできるか?」
「え~やだよぉ~
これからアナ先生のお股をナメナメする時間なんだよぉ~」
「そうよ! エー君。例え貴方が、私の主君だとしても、私の至福の時間を奪う事など許さないわ!」
ビー子とアナ先生がブー垂れている。
「そしたら、アナ先生とビー子は今日から俺とのS〇Xは無しな!
働かない奴には、おあずけだ!
今日から、クモとしかS〇Xしないぞ!」
クモの顔が真っ赤になって、お股から愛液が湯水のように溢れだし、床が水溜まりのようになっているのはスルーする。
「エー君、そんな殺生な!」
「そんなのやだよぉ~」
「そしたら、床張りをやるか?」
「やります! やります! 喜んでやります!」
「ビー子もやるよぉ~! ご主人様のチンコがないと死んじゃうもん!」
二人とも床張りをやってくれるようだ。
それより、俺のチンコがないとビー子は死んでしまうらしい。
ビー子は、完全に俺のチンコに依存しているようである。
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