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45 宣言
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「殿下……!」
「お、王太子殿下……?まさか、あの噂は事実だったのか……!?」
私はルーカス様が油断したその隙に彼の手を振り払い、すぐに殿下の傍へと向かった。
「殿下!」
「アリス、大丈夫か?遅れてすまない……」
彼は私を腕の中に入れると、力強く抱き締めた。
(ああ、やっぱり安心する……)
彼の胸に包まれた私は、次第に落ち着きを取り戻していった。
「アリス、何を……!?」
背後でルーカス様の驚く声が聞こえた。
突然こんなところを見せられて、動揺するのも無理はないだろう。
私の肩を優しく掴んだ殿下が尋ねた。
「アリス、腕を掴まれたこと以外に何もされていないか?」
「あ、はい……平気です」
「そうか、それは良かった」
しばらくして殿下は私を離すと、ルーカス様から守るように背に隠した。
「アルデバラン公爵、これは一体どういうことだ?」
「あ……殿下……」
殿下に追及されてルーカス様はたじろいだ。
私は彼の背中から顔を覗かせてそっと様子を窺った。
「アリスに何の用があるというんだ?」
「わ、私はただアリスを迎えに来ただけです……!」
「迎えに来ただと?」
王太子殿下のルーカス様を見る瞳が氷のように冷たい。
しかし、そんな殿下の冷たい目にもルーカス様は怯まずに声を上げた。
「私はアリスと結婚するつもりで彼女を迎えに来たのです!」
「お前にはアメリア王女殿下がいるのではなかったか?アリスと離婚したのは彼女と再婚するためなのだろう?」
「いえ、決してそういうわけでは……………ともかく、アメリアを公爵夫人には出来ません……」
消え入るような弱々しい声だった。
やはり私が予想していた通り、既にアメリア王女殿下に対する恋心は無いのだろう。
(今になって彼女の本性を知ったのかしら?幼い頃から一緒にいるならもっと早く気付きそうだけれど)
ルーカス様とアメリア王女殿下の間に何があったのかは知らないが、無関係な私を巻き込まないでほしいものだ。
「ではアリスを正妻にしてアメリア殿下を愛人にしようということか?」
「ち、違います!そのようなつもりは!」
ルーカス様は慌てて首を横に振った。
「元々アメリアと再婚する気は無かったのです……ただ、彼女の傷が癒えるまで傍で支えてあげたいと思っただけで……」
「……」
「アメリアの傷が癒えたら彼女を王宮に帰すつもりでした……アリスに酷いことをしてしまったのは分かっています。だからこそ、償いたい」
「……」
殿下は汚らわしいものを見るかのような目でルーカス様をじっと見つめていた。
「何を償うんだ?」
「今度こそ間違えたりしません……私が彼女を幸せにします」
「――その必要は無い、そしてそれはお前の役目ではない」
「…………………え?」
その瞬間、殿下に肩をグッと抱き寄せられた。
「――アリスはもうすぐ、私の妻になるから」
「!?」
「お、王太子殿下……?まさか、あの噂は事実だったのか……!?」
私はルーカス様が油断したその隙に彼の手を振り払い、すぐに殿下の傍へと向かった。
「殿下!」
「アリス、大丈夫か?遅れてすまない……」
彼は私を腕の中に入れると、力強く抱き締めた。
(ああ、やっぱり安心する……)
彼の胸に包まれた私は、次第に落ち着きを取り戻していった。
「アリス、何を……!?」
背後でルーカス様の驚く声が聞こえた。
突然こんなところを見せられて、動揺するのも無理はないだろう。
私の肩を優しく掴んだ殿下が尋ねた。
「アリス、腕を掴まれたこと以外に何もされていないか?」
「あ、はい……平気です」
「そうか、それは良かった」
しばらくして殿下は私を離すと、ルーカス様から守るように背に隠した。
「アルデバラン公爵、これは一体どういうことだ?」
「あ……殿下……」
殿下に追及されてルーカス様はたじろいだ。
私は彼の背中から顔を覗かせてそっと様子を窺った。
「アリスに何の用があるというんだ?」
「わ、私はただアリスを迎えに来ただけです……!」
「迎えに来ただと?」
王太子殿下のルーカス様を見る瞳が氷のように冷たい。
しかし、そんな殿下の冷たい目にもルーカス様は怯まずに声を上げた。
「私はアリスと結婚するつもりで彼女を迎えに来たのです!」
「お前にはアメリア王女殿下がいるのではなかったか?アリスと離婚したのは彼女と再婚するためなのだろう?」
「いえ、決してそういうわけでは……………ともかく、アメリアを公爵夫人には出来ません……」
消え入るような弱々しい声だった。
やはり私が予想していた通り、既にアメリア王女殿下に対する恋心は無いのだろう。
(今になって彼女の本性を知ったのかしら?幼い頃から一緒にいるならもっと早く気付きそうだけれど)
ルーカス様とアメリア王女殿下の間に何があったのかは知らないが、無関係な私を巻き込まないでほしいものだ。
「ではアリスを正妻にしてアメリア殿下を愛人にしようということか?」
「ち、違います!そのようなつもりは!」
ルーカス様は慌てて首を横に振った。
「元々アメリアと再婚する気は無かったのです……ただ、彼女の傷が癒えるまで傍で支えてあげたいと思っただけで……」
「……」
「アメリアの傷が癒えたら彼女を王宮に帰すつもりでした……アリスに酷いことをしてしまったのは分かっています。だからこそ、償いたい」
「……」
殿下は汚らわしいものを見るかのような目でルーカス様をじっと見つめていた。
「何を償うんだ?」
「今度こそ間違えたりしません……私が彼女を幸せにします」
「――その必要は無い、そしてそれはお前の役目ではない」
「…………………え?」
その瞬間、殿下に肩をグッと抱き寄せられた。
「――アリスはもうすぐ、私の妻になるから」
「!?」
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