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第1話 冒険者登録
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チロル・レインバース(15歳)、栗赤毛の髪の元気が取り柄の冒険者だぞ。
スキルは『スライム召喚士』だぞ。昨日、教会で授かったばかりだぞ。
今はスライムしか呼び出せないけど、いずれは凄いスライムを呼び出して、バンバン活躍する予定だぞ。
「あっ、ここが冒険者ギルドだぞ! 今日から大冒険の始まりだぁー! ごめんなさい、お邪魔しまーす!」
元気に扉を開けるとギルドの皆さんに挨拶した。挨拶はとっても大切なんだぞ。
「おいおい、また若くて馬鹿そうな奴が来たな。冒険者も舐められたもんだ」
「そう言うなよ! まだまだガキだ。成長したら凄い奴になるかもしれねえぞ。いっちょスキルでも聞いてみるか。おーい、坊主! お前のスキル教えてくれよ!」
あっ、強そうなお兄さんが話しかけてくれたよ。ここはキチンと自己紹介しないと!
「僕はチロル・レインバース、15歳です! スキルは『スライム召喚士』です! 戦闘は未経験ですけど、元気と体力には自信ありです! 今日からよろしくお願いします!」
「はっはは! ハズレだな! あれは役に立たない。育てるだけ時間の無駄だ」
「スライム召喚士って……雑魚モンスター召喚して、モンスターに倒させるのが役割か? 囮ぐらいにしか使えねえな」
「見た目通りの弱そうな奴だったな。ありゃー3日も持たずに辞めるぞ」
……あれあれ? もしかして僕のスキルって役立たずなの?
そういえば教会の神父さんも「神は時に厳しい試練を与えるものです。自分の不運を嘆いてはいけませんよ」……とか言ってた。
もしかして、あれって同情されてたの?
うわぁー、どうしよう⁉︎ 急に恥ずかしくなってきたよぉー!
僕、凄く弱いですって、元気に言っちゃったよぉー!
あーもうぉー今日は帰りたいよぉー!
でも、頑張って冒険者登録しないと!
「あのぉ……冒険者登録したいんですけどぉ……」
赤くなった顔で、頑張ってカウンターのお姉さんの所まで歩いて小さな声で言ってみた。
すぐに「はい、分かってます。こちらの鑑定板に手を置いてください」と紺色の制服のお姉さんに笑顔で言われてしまった。
そりゃーそうだよ。僕が大きな声で挨拶したから分かってるよ。
あー帰りたいよぉー。でも、頑張らないと!
ここで逃げ出したらもっと恥ずかしいぞ。
「右手でいいですか?」
「どちらでも構いませんよ」
「じゃあ右手で……」
魔法陣が描かれた銅色の板に右手を乗せてみた。
すると、「うわわわわッッ⁉︎」と魔法陣が輝いて、僕の右手の上に一枚の板が現れた。
これが噂に聞いた『冒険者カード』みたいだ。
やったぁー! これで今日から僕も冒険者だぞ!
スキルは『スライム召喚士』だぞ。昨日、教会で授かったばかりだぞ。
今はスライムしか呼び出せないけど、いずれは凄いスライムを呼び出して、バンバン活躍する予定だぞ。
「あっ、ここが冒険者ギルドだぞ! 今日から大冒険の始まりだぁー! ごめんなさい、お邪魔しまーす!」
元気に扉を開けるとギルドの皆さんに挨拶した。挨拶はとっても大切なんだぞ。
「おいおい、また若くて馬鹿そうな奴が来たな。冒険者も舐められたもんだ」
「そう言うなよ! まだまだガキだ。成長したら凄い奴になるかもしれねえぞ。いっちょスキルでも聞いてみるか。おーい、坊主! お前のスキル教えてくれよ!」
あっ、強そうなお兄さんが話しかけてくれたよ。ここはキチンと自己紹介しないと!
「僕はチロル・レインバース、15歳です! スキルは『スライム召喚士』です! 戦闘は未経験ですけど、元気と体力には自信ありです! 今日からよろしくお願いします!」
「はっはは! ハズレだな! あれは役に立たない。育てるだけ時間の無駄だ」
「スライム召喚士って……雑魚モンスター召喚して、モンスターに倒させるのが役割か? 囮ぐらいにしか使えねえな」
「見た目通りの弱そうな奴だったな。ありゃー3日も持たずに辞めるぞ」
……あれあれ? もしかして僕のスキルって役立たずなの?
そういえば教会の神父さんも「神は時に厳しい試練を与えるものです。自分の不運を嘆いてはいけませんよ」……とか言ってた。
もしかして、あれって同情されてたの?
うわぁー、どうしよう⁉︎ 急に恥ずかしくなってきたよぉー!
僕、凄く弱いですって、元気に言っちゃったよぉー!
あーもうぉー今日は帰りたいよぉー!
でも、頑張って冒険者登録しないと!
「あのぉ……冒険者登録したいんですけどぉ……」
赤くなった顔で、頑張ってカウンターのお姉さんの所まで歩いて小さな声で言ってみた。
すぐに「はい、分かってます。こちらの鑑定板に手を置いてください」と紺色の制服のお姉さんに笑顔で言われてしまった。
そりゃーそうだよ。僕が大きな声で挨拶したから分かってるよ。
あー帰りたいよぉー。でも、頑張らないと!
ここで逃げ出したらもっと恥ずかしいぞ。
「右手でいいですか?」
「どちらでも構いませんよ」
「じゃあ右手で……」
魔法陣が描かれた銅色の板に右手を乗せてみた。
すると、「うわわわわッッ⁉︎」と魔法陣が輝いて、僕の右手の上に一枚の板が現れた。
これが噂に聞いた『冒険者カード』みたいだ。
やったぁー! これで今日から僕も冒険者だぞ!
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