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第28話 スライム斬り習得

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「ばくばく! ばくばく!」

 うるさいのがいなくなったから、お肉もカニも果物も全部解禁だぞ!
 お腹が破裂するまで食べちゃえ!

「ふぅひぃー! 次はお風呂に入って、18時間寝てやる! フフッ! 僕って凄い悪かも!」

 久し振りのまともな食事に大満足だ。厳しくすれば強くなると思ったら大間違いだ。
 僕は褒めて伸びる大器晩成型なんだから、甘やかさないと駄目なんだぞ。
 お父さん達と一緒で、全然分かってないなぁー。

 …………
 ………
 ……
 …

「うーん! ふわぁぁ、時間を気にせずに眠れるって最高!」

 11時間しか寝れなかったけど、6時間しか眠れないよりはいい。
 大きく背伸びすると、暖かいウサギの毛皮布団から抜け出した。

「とりあえず、《スライム斬り》だけでも覚えようかな?」

 スライム召喚して、スライム斬りと叫ぶだけなら簡単な修業だ。
 剣をアイテムポーチから取り出すと、地面に左手を置いて、「連続召喚!」と唱えた。
 すぐに魔法陣からスポポンと、4匹のスライムが飛び出して来た。

「何やテメェー! 死んでなかったんかい!」
「……」

 久し振りに呼び出したから、僕、死んだことになってるみたい。
 この通りピンピンしている。剣を振り上げると、口の悪いスライムに振り下ろした。

「《スライム斬り!》」
「ぐはあ!」

 ズパァン! と毎日素振りさせられていたから、凄い速さで一刀両断だ。
 剣は青く光らなかったけど、千匹ぐらい倒せば一回ぐらいは光るよね?

「何回呼び出すつもりや! いい加減にせんと、ケツの穴から入って、喉チンコブルブルさせたるぞぉー!」

 召喚しては、「《スライム斬り!》」と叫んで剣を振り回す。
 適当に素振り一万回してたから、千回ぐらいはあっという間に達成するぞ。

「《スライム斬り!》」

 でも、千回も必要なかったみたい。

「えっ! なになにぃ⁉︎」

 普通に振り下ろしたのに、剣全体が炎みたいに青く激しく光った。
 そして、ヒュドドォン!と凄い音を鳴り響かせて、スライムを両断しちゃった。
 て、適当なのに凄いの出ちゃった!

【剣技:スライム斬りを習得しました】
【スライム斬り(消費MP15):スライムに対して、威力が3倍になります】

「……僕って、魔法以外にも剣の才能まであるのかも? もしかして、神童?」

 自分の才能がちょっと怖くなってきた。
 一日もかからずに、スライム斬りを覚えてしまった。

「ごくり……《メタル斬り》も行っちゃう?」

 すぐに覚えるつもりはなかったけど、覚えられる気がする。
 地面に左手を置くと、「召喚!」と唱えた。
 魔法陣から「来たんだ銅ぉー!」と銅色の強敵が現れた。
 でも、今の僕にはブロンズスライムなんて雑魚だ。
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