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第弐部-Ⅱ:つながる魔法
114.宇継 後悔
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「おはようございます、日向様。良いお天気ですよ、」
カーテンと窓を開けば、穏やかな朝の陽ざしと涼やかな風が入って来る。
少し前なら私が握ったカーテンを一緒に引いて、ともに窓を外へ押し出した日向様が、今は姿も見せてはくれなかった。
小さな衣装部屋の箪笥の下の小さな隠れ家。
日向様が再びそこへ籠るようになったのは、学院で二度目の授業を受けた翌日のことだった。
前日には、熱を出してぐったりと眠った日向様を紫鷹(しおう)殿下が抱えて帰る。熱が出るのも、どこかで寝落ちてしまうのもいつものことだったから、さほど心配はしていなかったけれど、殿下の話では日向様の様子がおかしかったとのことだった。
実際、おかしかったのだろう。
翌朝目を覚ました日向様は、紫鷹殿下に怯え、私に怯え、全てに怯えて隠れ家に籠ってしまわれた。
あれから1週間。
日向様は今も隠れ家から出られない。
今日はどうかしら。本当なら、今日は日向様が学院へ通学される日だけれど。
「…おはよう、日向、」
隠れ家の前の小さな台へ、紫鷹殿下が朝食のトレイを置く。
酷い隈。
顔も青白くて、疲れを隠しきれていないのをみると、眠れていないのではないかしら。
日向様が隠れ家に籠ってしまい、部屋に人の気配がある間は、隠れ家を出ることも食事を摂ることも眠ることもしなくなってしまって、殿下は16年過ごされたかつての自室に戻られた。
日向様と殿下の二人の部屋に今は日向様一人だけ。
殿下は、朝と夕に食事を持ってくるのと、時々ふらりと訪ねてきて、返事のない隠れ家の前で静かにたたずんでいることがあるだけだ。
「学院はどうする?今日は休むか?」
隠れ家の前に膝をついて、殿下は優しく問いかける。
私は殿下や日向様のように気配には聡くないけれど、隠れ家の中で、日向様が息を呑み、身じろいだのが分かった。
ここ数日で、一番わかりやすい反応だったせいかもしれない。
殿下も、少しハッとした後、全ての音を聞き逃すまいと耳を澄ませているようだった。
だけど、すぐに隠れ家はいつもの物言わない箪笥に変わってしまう。
殿下の手が隠れ家の扉に延びてそっと触れた。
「無理はしなくていい。しんどいなら、しばらく休んで構わない。また、行けるようになったら一緒に行くから、」
優しいけれど、どこか苦しそうで悲し気な声が、最後の方は小さくなって消えていった。
肩が震えていたから、泣いていたのかもしれない。
「…日向、声が聞きたい、」
殿下はそう願ったけれど、隠れ家は静かなまま、何の答えも返ってはこなかった。
立ち上がった殿下が、ごめんな、と小さくつぶやいて部屋を去る。何度も振り返るのが切なくて、悲しい。
日向様と殿下が、あんなに仲睦まじく過ごされた日々が、奇跡のようだったのだと今さらながら思った。
日向様は何も語らない。
声を上げることも、泣くこともしない。
姿も見えないから、何がそうさせるのか、誰にも分からなかった。
学院になじめなかったのかしら、と水蛟(みずち)は言う。
でも、学院では本当に楽しそうで、とも。
できない、と泣いていた頃を思い出して、あの時のように焦っているのかしらと、私も考えたりした。でも最近の日向様は、できないことは仕方ないと受け入れているようにも見えたから、どうして今?とも。
唯理音(ゆりね)は、きっと一つだけではないのではないかしら、と穏やかに言った。
昼食の席で、いつも日向様の言葉を聞いていた彼女は、あまりに多くのものが急激に日向様の中に入って来て、あふれ出ているようだったと眉を下げる。
青空(そら)は、日向様が泣いたとしても、勉強や鍛錬を減らすべきだっただろうか、と泣いた。
どれだけ悩んでも、どれだけ後悔しても、何も分からない。
日向様は、何も語ってはくれない。
「日向さん、青巫鳥(あおじ)が来ていますよ、」
おやつの時間、いつものように隠れ家の前に座った董子(すみれこ)殿下が、窓の外の黄色い鳥を見て、朗らかに言う。
「お部屋を引っ越しても、青巫鳥はついていらしたのねえ、」
相も変わらず、隠れ家からお返事はないけれど、董子殿下はのんびりとお話された。日向様がソファで董子殿下とおやつを食べた時と同じように。何でもない日々の話を語りかける。
一度、水蛟がお辛くありませんか、と尋ねたことがある。
以前なら、おやつの時間の日向様は、小さな子どものように董子殿下に甘えて、よくお話された。殿下はそのお話を聞くのがお好きだったし、甘える日向様のやわらかい髪を撫でるのがとてもお好きだった。
今はその表情を見ることも、髪に触れることも、声を聞くこともできないのに、お辛くありませんか、と。
日向さんは、日向さんですもの。と董子殿下は微笑まれたと水蛟は言った。
「亜白(あじろ)さんの母上、つまり私の妹ね。彼女から手紙をもらったわ。夏までには、こちらへ送れるようにします、ですって。亜白さんは今あちらの学院や宮城でやるべきことを、一生懸命片づけていらっしゃるそうよ。今までそう言う面倒くさいことからは逃げていた子だから吃驚したわ、ですって。」
林檎のお茶もね、また送ってくれましたから、後で飲んでくださいね、と董子殿下は微笑む。
やっぱり隠れ家からお返事はなかったけれど、満足された様子で、殿下は部屋を後にされた。
本当は、ずっと部屋にとどまって見守っていたい。
けれど、私がここにいると、日向様はおやつを食べられないから、殿下のおやつを片付けた後は、控えの部屋に下がるしかなかった。
部屋の前室に出たところで、護衛の東(あずま)さんが、教科書を広げている。
「董子殿下から、皆さんにといただいたので、良ければどうぞ、」
東さんが小さく頷くので、教科書が広がっていた机の端に、羅郷(らごう)の林檎のお茶と菓子を置いた。
「お勉強ですか、」
「…帝国史を。日向様に聞かれた時に知らないとは言えませんので、」
「草の方は、帝国の歴史も学ばれるとお聞きしましたけど、」
「僕たちがやるのは、帝国内外の事情を把握するのに必要な歴史ですから、学院で教えるのとは少し違います。」
「あら、」
「学問としての歴史は、何というかとても着飾られていて、少し困惑しました。…それを日向様に伝えてしまったのは、間違いだったかもしれません。混乱させてしまいました、」
「…それでお勉強を?」
「いずれにしても必要ですから、」
日向様より一つ年下の護衛は、少し悲し気な表情をして、再び教科書へ視線を落とす。
本当なら今頃は、日向様とともに学院で過ごされていた時間ですね。
日向様の護衛になったばかりの頃は、草らしく鋭い目つきと表情で、とても子どもには見えなかったけれど、こうして表情豊かに教科書を広げているのを見ると、学生らしく見えた。
誰もが、隠れ家に籠った日向様に後悔の念を抱いている。
何が悪かったのかしら。
何が、日向様を追い詰めてしまったのかしら。
考えない日はなかった。
隠れ家を見るたび、一人になるたび、湯を浴びて自分の髪を乾かすために魔法を使うたび、日向様を思う。
だけど、日向様は何も語ってはくれない。
ただ静かに、隠れ家の中でじっと息をひそめているのが、とても苦しかった。
カーテンと窓を開けば、穏やかな朝の陽ざしと涼やかな風が入って来る。
少し前なら私が握ったカーテンを一緒に引いて、ともに窓を外へ押し出した日向様が、今は姿も見せてはくれなかった。
小さな衣装部屋の箪笥の下の小さな隠れ家。
日向様が再びそこへ籠るようになったのは、学院で二度目の授業を受けた翌日のことだった。
前日には、熱を出してぐったりと眠った日向様を紫鷹(しおう)殿下が抱えて帰る。熱が出るのも、どこかで寝落ちてしまうのもいつものことだったから、さほど心配はしていなかったけれど、殿下の話では日向様の様子がおかしかったとのことだった。
実際、おかしかったのだろう。
翌朝目を覚ました日向様は、紫鷹殿下に怯え、私に怯え、全てに怯えて隠れ家に籠ってしまわれた。
あれから1週間。
日向様は今も隠れ家から出られない。
今日はどうかしら。本当なら、今日は日向様が学院へ通学される日だけれど。
「…おはよう、日向、」
隠れ家の前の小さな台へ、紫鷹殿下が朝食のトレイを置く。
酷い隈。
顔も青白くて、疲れを隠しきれていないのをみると、眠れていないのではないかしら。
日向様が隠れ家に籠ってしまい、部屋に人の気配がある間は、隠れ家を出ることも食事を摂ることも眠ることもしなくなってしまって、殿下は16年過ごされたかつての自室に戻られた。
日向様と殿下の二人の部屋に今は日向様一人だけ。
殿下は、朝と夕に食事を持ってくるのと、時々ふらりと訪ねてきて、返事のない隠れ家の前で静かにたたずんでいることがあるだけだ。
「学院はどうする?今日は休むか?」
隠れ家の前に膝をついて、殿下は優しく問いかける。
私は殿下や日向様のように気配には聡くないけれど、隠れ家の中で、日向様が息を呑み、身じろいだのが分かった。
ここ数日で、一番わかりやすい反応だったせいかもしれない。
殿下も、少しハッとした後、全ての音を聞き逃すまいと耳を澄ませているようだった。
だけど、すぐに隠れ家はいつもの物言わない箪笥に変わってしまう。
殿下の手が隠れ家の扉に延びてそっと触れた。
「無理はしなくていい。しんどいなら、しばらく休んで構わない。また、行けるようになったら一緒に行くから、」
優しいけれど、どこか苦しそうで悲し気な声が、最後の方は小さくなって消えていった。
肩が震えていたから、泣いていたのかもしれない。
「…日向、声が聞きたい、」
殿下はそう願ったけれど、隠れ家は静かなまま、何の答えも返ってはこなかった。
立ち上がった殿下が、ごめんな、と小さくつぶやいて部屋を去る。何度も振り返るのが切なくて、悲しい。
日向様と殿下が、あんなに仲睦まじく過ごされた日々が、奇跡のようだったのだと今さらながら思った。
日向様は何も語らない。
声を上げることも、泣くこともしない。
姿も見えないから、何がそうさせるのか、誰にも分からなかった。
学院になじめなかったのかしら、と水蛟(みずち)は言う。
でも、学院では本当に楽しそうで、とも。
できない、と泣いていた頃を思い出して、あの時のように焦っているのかしらと、私も考えたりした。でも最近の日向様は、できないことは仕方ないと受け入れているようにも見えたから、どうして今?とも。
唯理音(ゆりね)は、きっと一つだけではないのではないかしら、と穏やかに言った。
昼食の席で、いつも日向様の言葉を聞いていた彼女は、あまりに多くのものが急激に日向様の中に入って来て、あふれ出ているようだったと眉を下げる。
青空(そら)は、日向様が泣いたとしても、勉強や鍛錬を減らすべきだっただろうか、と泣いた。
どれだけ悩んでも、どれだけ後悔しても、何も分からない。
日向様は、何も語ってはくれない。
「日向さん、青巫鳥(あおじ)が来ていますよ、」
おやつの時間、いつものように隠れ家の前に座った董子(すみれこ)殿下が、窓の外の黄色い鳥を見て、朗らかに言う。
「お部屋を引っ越しても、青巫鳥はついていらしたのねえ、」
相も変わらず、隠れ家からお返事はないけれど、董子殿下はのんびりとお話された。日向様がソファで董子殿下とおやつを食べた時と同じように。何でもない日々の話を語りかける。
一度、水蛟がお辛くありませんか、と尋ねたことがある。
以前なら、おやつの時間の日向様は、小さな子どものように董子殿下に甘えて、よくお話された。殿下はそのお話を聞くのがお好きだったし、甘える日向様のやわらかい髪を撫でるのがとてもお好きだった。
今はその表情を見ることも、髪に触れることも、声を聞くこともできないのに、お辛くありませんか、と。
日向さんは、日向さんですもの。と董子殿下は微笑まれたと水蛟は言った。
「亜白(あじろ)さんの母上、つまり私の妹ね。彼女から手紙をもらったわ。夏までには、こちらへ送れるようにします、ですって。亜白さんは今あちらの学院や宮城でやるべきことを、一生懸命片づけていらっしゃるそうよ。今までそう言う面倒くさいことからは逃げていた子だから吃驚したわ、ですって。」
林檎のお茶もね、また送ってくれましたから、後で飲んでくださいね、と董子殿下は微笑む。
やっぱり隠れ家からお返事はなかったけれど、満足された様子で、殿下は部屋を後にされた。
本当は、ずっと部屋にとどまって見守っていたい。
けれど、私がここにいると、日向様はおやつを食べられないから、殿下のおやつを片付けた後は、控えの部屋に下がるしかなかった。
部屋の前室に出たところで、護衛の東(あずま)さんが、教科書を広げている。
「董子殿下から、皆さんにといただいたので、良ければどうぞ、」
東さんが小さく頷くので、教科書が広がっていた机の端に、羅郷(らごう)の林檎のお茶と菓子を置いた。
「お勉強ですか、」
「…帝国史を。日向様に聞かれた時に知らないとは言えませんので、」
「草の方は、帝国の歴史も学ばれるとお聞きしましたけど、」
「僕たちがやるのは、帝国内外の事情を把握するのに必要な歴史ですから、学院で教えるのとは少し違います。」
「あら、」
「学問としての歴史は、何というかとても着飾られていて、少し困惑しました。…それを日向様に伝えてしまったのは、間違いだったかもしれません。混乱させてしまいました、」
「…それでお勉強を?」
「いずれにしても必要ですから、」
日向様より一つ年下の護衛は、少し悲し気な表情をして、再び教科書へ視線を落とす。
本当なら今頃は、日向様とともに学院で過ごされていた時間ですね。
日向様の護衛になったばかりの頃は、草らしく鋭い目つきと表情で、とても子どもには見えなかったけれど、こうして表情豊かに教科書を広げているのを見ると、学生らしく見えた。
誰もが、隠れ家に籠った日向様に後悔の念を抱いている。
何が悪かったのかしら。
何が、日向様を追い詰めてしまったのかしら。
考えない日はなかった。
隠れ家を見るたび、一人になるたび、湯を浴びて自分の髪を乾かすために魔法を使うたび、日向様を思う。
だけど、日向様は何も語ってはくれない。
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