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第九話 白状

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「やめ…ッ…放…れろ!」

部屋に入ってくるなり、市井が肩に手を回し人の許可もなく頬にキスを落としてくる

「なんで~?辰巳とはもっとイイコトしてたんでしょ?フェアじゃないなぁ」

この男も間近で見れば見るほど、一見眠そうに見える薄い色素の目もくっきりと左右対称に型取り覗くまつ毛は長く、見られているこちらは吸い寄せられそうだった

「お前のおかげでジャンケンはかなり強くなったからな」

「ちぇっあんなこと言わなきゃ良かったなぁ」

まるで人のことを物とでも思っているこんなやり取りに、嫌気が差す
僕はまだ悪足掻きだと思っても、最後まで抵抗を続けた

「こんなことして…!ただで済むと思ってるんですか…!」

二人はこちらを見て、目を丸くしたがすぐにフッといつものニヤけ顔に戻る

「お前、なんか汗凄いな?顔も赤くなってるし…もしかしてお取り込み中だったか?」

「とか言って、外までエッチな声漏れてたよ?声は抑えないと、ここ壁薄いんだから」

「……ッッッ!!」

僕は顔を更に赤くし、思わず俯いてしまう
勢いで手を口にあて、黙り込んでしまった

「…ん?あれ?本当だったか?カマかけただけだったがな」

「……なっ!?」

「アッハハ!かーわい、お楽しみだったんだぁ、俺達邪魔しちゃったんだね」

最悪なほど、卑劣な誘導尋問のスキルを兼ねていた二人に僕は顔を青ざめた
動揺してワナワナと口を震わせていると、市井が背中に回り込み羽交い締めにされる

「…ッ!?やめろ!…放せ!」

「お詫びに俺達が最後まで手伝ってあげる。可愛い後輩想いの先輩で良かったねぇ」

市井に引き摺られ、強制的にベッドに腰掛ける…もとい市井の膝の上に跨るように座らされた
千紘がその様子を見ながらニヤケ顔で着ていたコートを脱ぎ、勝手に人の家のハンガーに掛ける

「余計なお世話だ!放せこの変態!!」

「約十年越しのマツリちゃんのアソコはどうなってるかなー、立派に成長してるかなぁ?」

足をどれだけバタつかせても、千紘はパジャマをパンツごと容赦なくずり下ろす
晒された秘部は、中途半端な快楽を与えられたままだったこともあり、まだ半勃ち状態だった

「んー?あんま中学の時と変わってねぇんじゃねえか?…それにちょっと勃ってるし。本当は期待してた?」

「ち…違…うるさい!!もういい加減にしろよ!上司に報告するからな!」

「わぁ、威勢がいいねぇ。でも報告したところでどうなるの?」

「えっ…」

市井は横から顔を覗き込み、ニコニコしながら頬にキスをしてくる
千紘はペニスよりも下の、まだローションで湿っている後孔に指を滑らせた

「…ひっ!?…やめ…!そこは…!」

「ここ、なんでこんなに濡れてんだ?もしかして、ここ使ってオナってんのか?」

「ちがっ…ンッ…も…やめ…」

グニグニと人差し指と中指で蕾を押し拡げる
そこはクパクパと柔らかく解されており、一日や二日で開発された形状ではなかった

「ハッ!こんなにだらしないケツ穴して、一体何を報告するんだ?ただの地方警官の戸祭巡査が、警視庁のキャリア二人に色目を使って取り入ろうとした。そんな噂が明日には立つかもなぁ?」

「…ッ!!」

二人は下衆な笑い声をあげ、まるで家畜や虫のように残酷に僕の人生を踏みにじ

「……ッ……なんで…こんな…何で僕の人生をめちゃくちゃにするんだよぉ…ッ」

遂に耐えきれなくなってボロボロと涙を流しながら、震える声で大の大人が泣き喚く
堰を切ったようにあらゆるところから分泌液が溢れ、視界が歪み、嗚咽で息もままならない

「あーあ、マツリちゃん泣いちゃった。でもごめんね、その顔すげーそそる」

「ヒッ…」

市井は涙で濡れる戸祭の顔を、分厚い舌でベロリと舐める
ザラリとした湿った感触に、ビクリと身体が震えた

「そうだよぁ…こんなイヤらしい身体になったのも、元はといえば俺たちのせいだもんな。ちゃんと責任取ってやるから、今夜は楽しもうな」

千紘は再び後孔を指でなぞり、ベッド脇に隠していたローションを何事もなく見つけ、少しずつ足しながらゆっくりと指を差し込む
自分のものではないこの感覚に、僕は目を見開いて声をあげた

「アッ!?…やッ…ダメ…!そこは…っ」

一本の指はすんなりと侵入を許し、歓迎するかのようにキュンキュンとうねる
まるで本当はずっとこの時を待っていたかのように、中は悦び前はガチガチに腫れあがる

「うっわ、やわけぇ…どんだけイジればこうなるんだよ」

すぐさま二本目の指を足し、グチュグチュと音を立てながら中を蹂躙する
他人に触られる感覚がこんなにも気持ちがいいだなんて、すっかり忘れていたこの身体は、少しの刺激で強力な電流が走るかのようにビクビクと痙攣する

「ヒッグ…やっ…ん゙ん…やめ…ッ……~~~ッ」

十年ぶりだというのに、的確に弱い所を刺激され僕は軽く果ててしまう
ビクビクと肉がうねり中イキすると、千紘は指を引き抜いた

「ちゃんと俺達のこと覚えてるな、偉いぞ。ご褒美にもっと大きくて太いもの挿れてやるからな」

「うわ、オヤジ臭いよ辰巳。ねぇマツリちゃん…あれ?」

二人は僕の顔を覗き込む
一瞬驚いた顔を見せるが、すぐに含んだ笑顔をこちらに向ける

「…は…ァ…も…むり…は…早く…」

熱を孕んだ瞳で息を荒立て僕はそう急かした

どれだけ自分を誤魔化しても、もう身体は言う事を聞かなかった
あの日から、十年前のあの日から、僕はもうココお尻でしかイケない身体になってしまっていたのだから

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