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第2章 拠点開発
第52話 その形は偽りか本物か
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ウカノとテンが巨人族の集落を襲った魔物と戦っている頃、ゾンとルアは巨人族と交流していた。主に巨人族の者たちが2人に興味を持って話しかけているのだが。
「ゾンちゃんとルアちゃんはいくつなの?え?まだ5歳なの!可愛いわねー!」
「普段はどんな事してるの?」
「魔法かー、我々は魔法には疎くてな。」
「そうだ、こんなのはどうだ?それ、たかいたかーい、たかいたかーい!」
「あはははは!これ楽しいー!」
「ルアちゃんは何が好きなの?錬金術って?うーん、元の素材を色んな物に生成するの?よくわからないなあ。」
「お、そういえば!ちょっと待っててね。」
……?
「これこれ、なんなのかはよく分からないけど綺麗じゃない?もしかしたらなにか特別な素材なのかもしれないわ。」
「きれい……石みたいなのに赤く透明で透き通ってる……」
「ね?綺麗でしょう。いつだったかに見つけて、綺麗だったから持って来ちゃったの!」
「あ、炎属性の魔力を感じる……」
「え、魔力?そうなの?何でかしらね?」
……
「あら……そんなに見つめちゃって、これが欲しいの?どうせ私が持ってても観賞用だしルアちゃんにあげるわ。」
「いいの……?でも私上げれるもの何も持ってない……」
「あらなによ、小さいのにしっかりしてるのね!でも大丈夫よ。ルアちゃんとこうして話せるだけで色んなものを貰ってるから。それにウカノ様に助けて頂きましたしね。」
「ありがとう!それじゃ貰うね。」
「可愛いわ!もちろんよ!」
「いつの間にか2人を独占されてしまったようじゃな。」
「あら、タージ様じゃない。タージ様も2人と話したいの?」
「話したくないと言ったら嘘になるな。なにゆえこんな幼子はこの集落に滅多に生まれないからな。」
巨人族もエルフ族ほどでないにしろ長命な種族である。それゆえ出生率も高いわけではなく、この村で最も若いので30代だ。
子供が滅多に産まれない種族の特性上、産まれた子供は種族全体で育てる。この種族では子供は守るべき貴き存在なのだ。
「お2人は見た所エルフ族なのですかな?」
「「多分?」」
「多分ですか?」
「ウカノが多分エルフっていう種族だって言ってた!」
「なるほど。その……ウカノ様との関係をお聞きしても?」
「家族!ウカノと私たちは種族が違うけど本当の家族なの。」
「なるほど。お2人とウカノ様は家族なのですね。お2人がウカノ様を大好きなのが伝わってきます。」
「「うん大好き!」」
まさか関係性を聞いて家族という単語が出てくるとは思いもしなかった。2人がウカノ様を好いているというのは感じていたがそれ以上に私の予想を超えてくるとは。それにしても家族、か。ウカノ様はただのお2人の庇護者という訳ではなかったようだ。まさか種族を超えた絆が存在するなど、我らの種族の歴史を見れば考えたことなどもなかった。我らの種族も変わるべき時が来たのだろうか……
「ゾンちゃんとルアちゃんはいくつなの?え?まだ5歳なの!可愛いわねー!」
「普段はどんな事してるの?」
「魔法かー、我々は魔法には疎くてな。」
「そうだ、こんなのはどうだ?それ、たかいたかーい、たかいたかーい!」
「あはははは!これ楽しいー!」
「ルアちゃんは何が好きなの?錬金術って?うーん、元の素材を色んな物に生成するの?よくわからないなあ。」
「お、そういえば!ちょっと待っててね。」
……?
「これこれ、なんなのかはよく分からないけど綺麗じゃない?もしかしたらなにか特別な素材なのかもしれないわ。」
「きれい……石みたいなのに赤く透明で透き通ってる……」
「ね?綺麗でしょう。いつだったかに見つけて、綺麗だったから持って来ちゃったの!」
「あ、炎属性の魔力を感じる……」
「え、魔力?そうなの?何でかしらね?」
……
「あら……そんなに見つめちゃって、これが欲しいの?どうせ私が持ってても観賞用だしルアちゃんにあげるわ。」
「いいの……?でも私上げれるもの何も持ってない……」
「あらなによ、小さいのにしっかりしてるのね!でも大丈夫よ。ルアちゃんとこうして話せるだけで色んなものを貰ってるから。それにウカノ様に助けて頂きましたしね。」
「ありがとう!それじゃ貰うね。」
「可愛いわ!もちろんよ!」
「いつの間にか2人を独占されてしまったようじゃな。」
「あら、タージ様じゃない。タージ様も2人と話したいの?」
「話したくないと言ったら嘘になるな。なにゆえこんな幼子はこの集落に滅多に生まれないからな。」
巨人族もエルフ族ほどでないにしろ長命な種族である。それゆえ出生率も高いわけではなく、この村で最も若いので30代だ。
子供が滅多に産まれない種族の特性上、産まれた子供は種族全体で育てる。この種族では子供は守るべき貴き存在なのだ。
「お2人は見た所エルフ族なのですかな?」
「「多分?」」
「多分ですか?」
「ウカノが多分エルフっていう種族だって言ってた!」
「なるほど。その……ウカノ様との関係をお聞きしても?」
「家族!ウカノと私たちは種族が違うけど本当の家族なの。」
「なるほど。お2人とウカノ様は家族なのですね。お2人がウカノ様を大好きなのが伝わってきます。」
「「うん大好き!」」
まさか関係性を聞いて家族という単語が出てくるとは思いもしなかった。2人がウカノ様を好いているというのは感じていたがそれ以上に私の予想を超えてくるとは。それにしても家族、か。ウカノ様はただのお2人の庇護者という訳ではなかったようだ。まさか種族を超えた絆が存在するなど、我らの種族の歴史を見れば考えたことなどもなかった。我らの種族も変わるべき時が来たのだろうか……
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