これは報われない恋だ。

朝陽天満

文字の大きさ
202 / 744
連載

285、エルフとか錬金釜とか

しおりを挟む
 このクリア報酬の『えにし』って何だろう。

 考えていると、長老様が手をパンパンと叩いた。奥からエルフの人が真っ白い紙の束が紐でまとめられた物を持ってきてくれた。



「よければ、これをあなたに差し上げるわ。先ほどの物と同様の物なんだけれど、あなたなら活用してくれそうだもの。ぜひ、持って行って。あと里の中にある素材は好きに使ってくれていいわ。楽しい物を作ってくれることを期待するわ」

「ありがとうございます」



 差し出された束を受け取った瞬間、真っ白だった紙が色鮮やかに染まっていく。

 これはちょっと目に楽しいかもしれない。

 ふわっと浮き上がるレシピをパラパラめくると、ヴィデロさんと雄太たちが俺の手元を覗き込んできた。



「すっげえなあ。錬金術師とか、何で隠してるんだよ」

「だって悪い人が釜を手に入れたら次の魔王になるかもしれないっていうブツを持ってるんだよ。黙ってるしかないじゃん」

「そんなに凶悪なのか? 細菌兵器とか世界中の樹を枯らしちまう物とか作ったり?」

「出来ないから」



 そんなものを作ろうとしたら失敗して終わるって。

 思わず笑うと、長老様が「それはねえ」とまるで世間話をするかのような気楽な表情で口を開いた。



「その『神の御使いの欠片』を全て集めて一つの『神の御使いの持ち物』を作ったら、世界を簡単に滅亡させることができるようになる物なのよ。魔大陸で魔王となってしまった人の様に。だからね、『神の御使いの欠片』のほとんどは、処分してしまったの。本当はサラが持っていた時点で処分しようかとも思ったけれど、何かが警鐘を鳴らしたのよ。処分したらいけないって。それで思い出したのよ。昔々、私たちの仲間で未来を見通せる力のあった子の呟いた言葉を」



 長老様は大きな樹に目を向けて、何かを思い出すように目を細めた。



「その子はね、特殊な力の持ち主で、未来を見通すという稀有な力を持っていたの。もう何百年も前に亡くなっているんですけどね。その子が見た私たちエルフ族の未来というのが、二つほどあって」



 一つは、人族と道を分かつことをしないで、人族と共に魔王と戦い、人族の手によって滅ぼされる未来。

 一つは、人族と道を分かち、ただこの地脈を守るだけの日々に精神が疲弊して、感情という物がすり減り、感動も悲しみも何も感じなくなってしまう未来。

 獣人たちはきっぱりと人族の元を去る決意をするなか、エルフたちはその言葉に悩んだ。中にはすぐに人族から離れるべきだと主張する者もいたが、それでもただ毎日地脈だけを管理する毎日になることで精神が崩壊するのを嫌がって残ることを強く勧めてくるエルフもいた。

 これが魔王に滅ぼされる未来だったのなら、エルフ族は人族の元を去らなかった。しかし、エルフ族を亡ぼすのは、人族。



「その子の未来を見る目は、それまで一度も外れたことはなかったのよ。だから、私は決断したの。人族から離れることを。でも、その予言を残したその子は、人族の地に残ったわ。こう言い残して」





――神の御使いの欠片を扱う者が里に現れたら、エルフの未来は変質する。だから、私は神の御使いの欠片を扱える者をこの地で探す――





「それでも、持ち主のいない欠片は危険だからと片っ端から処分したの。神の御使いの欠片を扱える者は定期的に出たのだけれど、そこからこの里に来ようとする者もいなかったしねえ。だから、その扱える者が亡くなったら神の御使いの欠片を壊したの。もう何年そうしてきたか、数えるのもばかばかしいくらい月日が経った。すでにその予言を残した子もこの世にいなくなって久しい時に、サラが来たの」



 長老様はふふ、と笑って口元を隠した。何かを思い出して、思わず笑ってしまったみたいだった。

 サラさんは、長老様に思い出し笑いをさせるほどの何かをここでやらかしたってことなのかな。



「あれだけ皆が感情を動かしたのは、本当に久しぶりだったわ。皆がサラの言動で焦り、笑い、驚き。もちろん私も。忘れていた何かを思い出させてくれるような気がしたの。それで、ああ、あの子の言ってたことは、これだったのかしらって。でも本当にその子の言っていたエルフ族の未来の変質というのは、もっと奥が深かったの。ほんの少しのエルフたちの手によってもたらされた縁が、サラがここに来たことで私たちとしっかりと根付き、そこから巡りに巡って、複雑に絡み合って、そして、またエルフ族と人族が交わろうとしている。きっとこのことを言っていたのね、とサラとエミリを見ていて、気付かされたわ。今は、私達なんかよりももっと隔絶していた獣人たちが人族と手を取ろうとしているのでしょう。それも皆、『縁』なのです」



 とても楽しそうに並ぶ姿が、未来の自分たちと人族たちの姿に重なった時には涙が出たわ、と長老様は呟いた。

 ほんとにそうなるといいなあ。獣人さんたちの時も思ったけど。ここまで来るのにあんな強い魔物なんていらない、石像になって入り口を守る獣人さんなんていらない世界が来るのを、実はエルフの人たちも獣人さんたちも望んでるってことだよな。



 顔をあげると、はらはらと部屋の前の木が、綺麗な緑色の葉を風に乗せていた。

 宙を舞う葉は俺たちの目の前を通り過ぎ、地面にそっと降りていく。それを暖かいオレンジ色の陽が優しく照らしている。

 どれだけここで長老様の話を聞いていたんだろう。雄太たちも席を立つことはなく、ただ長老様の話に聞き入っていた。

 とても長い話だったような気がするし、でもとても短い時間だった気がする。気が付くと、空は既にオレンジ色に染まり、これから宵闇があたりを包んでいく気配が迫っている。

 長老様と過ごした時間は、ただただ穏やかな時間だった。



 長老様は「お話が長くなってごめんなさいね。おばあちゃんの話は長いのよ。自分でも呆れちゃうくらい」と笑い、手をパンパンと叩いた。

 すると、俺たちの前にエルフの人たちが綺麗なお膳を持ってきてくれた。会席膳の様な、見た目にも楽しいご飯だった。

 皆の口から自然歓声が上がる。



「一緒に食べましょう。今日はこの里に泊りなさいな。夜の森は陽の高い時間より危険よ」



 俺たちを案内してくれたエルフの人は、いつの間にやらいなくなっていた。

 エルフの人が蔦の籠に入った明かりを部屋の4隅に置くと、さっきよりもさらに外の闇が濃くなったような錯覚に陥った。

 夜ご飯はとても美味しかった。一つ一つがすぐに食べ終わってしまうような大きさなのに、それが次々運ばれて来て、結局はすべての物を味わう前にお腹がいっぱいになってしまった。悔しい。まだ食べられる雄太とブレイブとヴィデロさんはさらに綺麗な夕食を楽しんでいる。もうダウンした俺とユイと海里は、食後にと出されたお茶と口直しのお菓子をちょびちょび食べながら、長閑な風景を味わった。夜のエルフの里もすごく綺麗。



 まだごちそうさましていない人たちを残して、俺たちは庭と呼ぶには広い野原を見て回ることにした。

 光る花や、ちょっと色的にどうなのっていう草。そして、落ちた瞬間フッと色が変わる葉っぱ。楽しい物がたくさんある。



「ねえマック君、これは? リンリン鳴って可愛い」

「『光風鈴こうふうりん』っていうらしいよ。錬金素材。綺麗な音だね。しかも光るからこの名前が付いたのかな」

「こっちのはなに? 綺麗な果物」

「それは『偽香いこう果実』だって。果物みたいなフルーティーな匂いがするけど、分類が毒草の類なんだって。少量の摂取は腹痛の緩和だけど大量摂取はやめた方がいいらしい」



 二人とも俺の説明で、その果物の様な毒草をもいでみる。匂いを嗅いで、ほんとだ、なんて笑ってる。

 俺は片っ端から鑑定しては大興奮して、手元のサラさんのレシピを開いては新しく現れた文字にほくそえんでいた。



「長老様! これ、使っちゃダメ! っていうのはありますか? それだけ教えてください!」



 遠くの建物に小さくちんまりと座っている長老様に大声でそう訊くと、長老様は「そうねえ」と顔に手を当てた。普通に話してるような声なのに、なぜかしっかりと聞こえるのは何でだろう。そういう力があるのかな。



「こっちの若い子の葉は落ちたもの以外は使われるのを嫌がるわ。あとは大丈夫かしら? すぐに生えてくるから」

「わかりました! あ、でも落ちた葉っぱはいいんですね?」

「大丈夫って言ってるわ」



 まるで大樹と意思疎通ができるかのように話す長老様に尊敬の念を抱きつつ、さらに周りの物を鑑定していく。

 木の幹に生えている鉱石のような物も、しっかりと錬金素材だったし、成っている実もやっぱり錬金素材として鑑定に現れる。



「すごい! ほんとにここは宝の山だった!」



 次々空欄が埋められていくサラさんのレシピに、テンションが上がるのが止められなかった。

 それに、長老様の話を聞いたことで蘇生薬の成功率がひたすら上がったんだ。蘇生薬の話はこれっぽっちも出てなかったのに。



 調子に乗って色々手に取っていると、ご飯を食べ終わったヴィデロさんが近付いてきた。

 俺の横にしゃがみ込み、目の前の花に手を伸ばす。



「楽しそうだなマック。さっきからずっと可愛い顔をしてる」

「可愛くないよ。ごめんテンション上がっちゃって。変質者な顔してなかった?」

「だから可愛いって」



 花を手折らずにただ触れてみているヴィデロさんが、優しい目をして俺の顔を覗き込んだ。

 うん。ヴィデロさん滅茶苦茶花が似合うよ。俺が似合うのは雑草とか薬草とかだけど、そこに咲いているような大振りで少しクールっぽい花が、ヴィデロさんにはよく似合う。



「マックはこうして素材を目の前にしている時が一番楽しそうだな。また、行ったことないところに素材集めデートしようか」



 笑いながらヴィデロさんがそう言ったので、一も二もなく頷く。したい! 素材デート!

 俺の欲望ギラギラな目がおかしかったのか、ヴィデロさんはさらに笑みを深くした。



「でもその前に、セィ城下街だな」



 そうだった。お母さんと対面だった。どんな話になるのかな。自分から行きたいって言ってくれたけど、ヴィデロさんはお母さんとどんな話をしたいのかな。でもそれは俺が聞いていいことじゃないから、聞きたいけど我慢我慢。

 気を逸らすためにサラさんレシピ集を覗き込み、一つ作れるようになってる物があったからその場で釜を取り出して、ヴィデロさんと向き合いながら錬金をする。2人で何が出来るのかドキドキしながらかき混ぜるこの瞬間がすごく幸せで、2人で何気なく次の約束が出来るのがやっぱり幸せで。

 早くこの世界に平和が訪れますようにと。俺は静かに祈るのだった。



しおりを挟む
感想 535

あなたにおすすめの小説

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

【完結】この契約に愛なんてないはずだった

なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。 そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。 数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。 身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。 生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。 これはただの契約のはずだった。 愛なんて、最初からあるわけがなかった。 けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。 ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。 これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。

異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!

めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈ 社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。 もらった能力は“全言語理解”と“回復力”! ……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈ キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん! 出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。 最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈ 攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉ -------------------- ※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。

フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」  可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。  だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。 ◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。 ◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。