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3⭐︎イラストあり
しおりを挟む(……にしても、まさかうちの大学にあんなキャラの濃い人がいたなんてな。今まで全然気付かなかった)
箸を進めながら、ぼんやり考える。
まぁ、まだ入学して間もないし、知らない学生なんて他にも山ほど居るのだけれど。
(にしても、サークルかぁ……どこか入ろうかなぁ。別に入らなくてもいいんだけど……)
と、そう思った、その時。
なんとも透明な声が頭上で響いた。
「サンドウィッチといえば、やっぱりハムとタマゴだよね。それから、このフルーツ・サンド!イチゴとバナナだなんて、見事なチョイスだと思わないかい!?」
「……っげほげほ!」
気を抜いていたせいで、盛大にむせた。
俺は慌てて水を喉に流し込み、ガクリと肩を落とす。
「ん?大丈夫かい?あまり急いで食べると体に悪いだろう……慌てないで、落ち着いて食べるといい」
「……っあんたに言われたくな……っ!」
「んん?」
「はぁぁぁぁぁ……」
まっっったくもって、話の通じなさそうな相手に、言い返す気力も失せ。
俺は食器の乗ったトレーを持って立ち上がった。
そんな俺を、正面の席についたイケメンはポカンとして見上げている。
「あれ……もう行くの?まだご飯が残っているじゃないか」
「もう食べ終わったんで……じゃ」
「ええー……」
……残念そうな声音に、多少胸が痛むものの。
俺は容赦なくその場を立ち去った。
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