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すべては情報収集から
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いったい何がなにやら。
またも頭を抱えている最中に、今度はレラのメイド、メイベルが大荷物を持って現れた。
毛布にきれいな布にレースを手渡された。
「これ?」
「レラ様が朝晩は冷えるでしょうから、持っていきたいとおっしゃって。わたしが代わりに来たんです。布はハーブを入れるのに使えるかもと選んでくださったとか」
驚いた。
実際会って原作のレラとは違うなあとは思いはしたけど。こんなに気遣いのできる子だなんて。
原作ではヒロインに悪口や仲間はずれ、典型的ないじめをしていたが。
レラはいい子だと思う。そんな悪役令嬢みたいなことをするとは思えない。
もしかして、悪役ヒロイン転生モノでよくあるように、目に余るヒロインに注意してるだけなのにルートの強制力で悪役みたくなってしまうとか。
もしかして誰かにはめられて?
私がいなくなっても、他に魔女候補が現れるんじゃないだろうか。その魔女にそそのかされるか、他の誰かに利用されてとか。
レラを救ってあげないと、道を踏み外さないように。誰かにはめられないように。
そのためには知らん顔で他所に行くわけにはいかない。レラに近づく悪いやつを見極めないと。
もしかしてフェリシア?
王太子候補を落とさないといけないと言っていた。
そのためにレラを嵌める?
頭の回転は早そうだけど……
ここにきた元気娘のフェリシアがそんな回りくどいことするかな。
馬を駆ってひとりでやってきたフェリシアは真っ向勝負が似合いそうなんだよなあ。
あれこれ悩んですごい顔していたようで、クロの「にゃー!」という鳴き声でハッとした。
「そうよね。ともかく情報収集したほうがいいかも」
原作との違いに追いつけてなし、あまりに知らないことが多すぎる。
私は顔上げると
「まずは情報収集!」
と叫んでた。
村に出た私は、お昼に川沿いでおしゃべり中の女の子たちをつかまえた。
「王様、なかなかお子様に恵まれなかったんだって」
「うちのおばあちゃんが言ってたわ。お子様がやっとできたのもつかの間、王妃様が亡くなって、王様は本当におかわいそうだったって」
「王様、真面目な方だし王妃様を愛されてたからそれから再婚もされなくて」
「だからお子様はデューイ様おひとり」
そのデューイが行方不明ときては王様が体を壊し寝込むのも当たり前かもしれない。
「こんな有名な話、本当に知らなかったのね」
なぜか納得気にうなづく村娘のハンナ。
「ミーガンさんってよそから来たんでしょ?」
そういうことになってるようだ。隣の街から追放になったんだから嘘ではないが。
ベスが「もしかして隣国とか、外国から来たの?」なんて目を輝かせる。
「え?そうなんだ。すごい」とイライザも目をキラキラ。
「ほら、だからハーブにも詳しいのよ、ねえ」とローラ。
せっかくあるハーブを利用することを知らなかった村の人たちから見ると、どこから来たのか不思議だったんだろう。それでも除外されることもなく受け入れてくれた。優しくのどかな人たちに囲まれて、ここを離れずにすませたい。もちろんレラを悪役にしたくない。
「いまだに行方不明のままなんてねえ。いったい何があったのかしら。もしかして家出とか」
というと顔を見合わせた4人は、
「狩りの途中でいなくなったのよ」
「狩り」
フェリシアもそんな風に言っていたっけ。
「馬だけ戻ってきてね」
イライザが小声になると、
「もしかしたら王太子様は殺されたんじゃないかしらって」
と、とんでもないことを言い出した。
またも頭を抱えている最中に、今度はレラのメイド、メイベルが大荷物を持って現れた。
毛布にきれいな布にレースを手渡された。
「これ?」
「レラ様が朝晩は冷えるでしょうから、持っていきたいとおっしゃって。わたしが代わりに来たんです。布はハーブを入れるのに使えるかもと選んでくださったとか」
驚いた。
実際会って原作のレラとは違うなあとは思いはしたけど。こんなに気遣いのできる子だなんて。
原作ではヒロインに悪口や仲間はずれ、典型的ないじめをしていたが。
レラはいい子だと思う。そんな悪役令嬢みたいなことをするとは思えない。
もしかして、悪役ヒロイン転生モノでよくあるように、目に余るヒロインに注意してるだけなのにルートの強制力で悪役みたくなってしまうとか。
もしかして誰かにはめられて?
私がいなくなっても、他に魔女候補が現れるんじゃないだろうか。その魔女にそそのかされるか、他の誰かに利用されてとか。
レラを救ってあげないと、道を踏み外さないように。誰かにはめられないように。
そのためには知らん顔で他所に行くわけにはいかない。レラに近づく悪いやつを見極めないと。
もしかしてフェリシア?
王太子候補を落とさないといけないと言っていた。
そのためにレラを嵌める?
頭の回転は早そうだけど……
ここにきた元気娘のフェリシアがそんな回りくどいことするかな。
馬を駆ってひとりでやってきたフェリシアは真っ向勝負が似合いそうなんだよなあ。
あれこれ悩んですごい顔していたようで、クロの「にゃー!」という鳴き声でハッとした。
「そうよね。ともかく情報収集したほうがいいかも」
原作との違いに追いつけてなし、あまりに知らないことが多すぎる。
私は顔上げると
「まずは情報収集!」
と叫んでた。
村に出た私は、お昼に川沿いでおしゃべり中の女の子たちをつかまえた。
「王様、なかなかお子様に恵まれなかったんだって」
「うちのおばあちゃんが言ってたわ。お子様がやっとできたのもつかの間、王妃様が亡くなって、王様は本当におかわいそうだったって」
「王様、真面目な方だし王妃様を愛されてたからそれから再婚もされなくて」
「だからお子様はデューイ様おひとり」
そのデューイが行方不明ときては王様が体を壊し寝込むのも当たり前かもしれない。
「こんな有名な話、本当に知らなかったのね」
なぜか納得気にうなづく村娘のハンナ。
「ミーガンさんってよそから来たんでしょ?」
そういうことになってるようだ。隣の街から追放になったんだから嘘ではないが。
ベスが「もしかして隣国とか、外国から来たの?」なんて目を輝かせる。
「え?そうなんだ。すごい」とイライザも目をキラキラ。
「ほら、だからハーブにも詳しいのよ、ねえ」とローラ。
せっかくあるハーブを利用することを知らなかった村の人たちから見ると、どこから来たのか不思議だったんだろう。それでも除外されることもなく受け入れてくれた。優しくのどかな人たちに囲まれて、ここを離れずにすませたい。もちろんレラを悪役にしたくない。
「いまだに行方不明のままなんてねえ。いったい何があったのかしら。もしかして家出とか」
というと顔を見合わせた4人は、
「狩りの途中でいなくなったのよ」
「狩り」
フェリシアもそんな風に言っていたっけ。
「馬だけ戻ってきてね」
イライザが小声になると、
「もしかしたら王太子様は殺されたんじゃないかしらって」
と、とんでもないことを言い出した。
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