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なぜかドキドキとサスペンス
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イケメンの叔父さん登場に驚いたけど。
フェリシアがこんなにきれいなんだから、血筋の人は整っていてもおかしくはないわよね。
「ミーガンさん、また来るね」
「フェリシア!」
口調は厳しく言うものの、顔はちょっと困ったように微笑を浮かべてる。フェリシアがかわいいんだろうな。こんな叔父様、旦那様としてもうらやましい。
「ミーガンさん」
「は、はい」
バロワン伯爵が頭を下げると、
「跳ねっ返りですがよろしくお願いします。いけないことは厳しく叱ってってやってください」
なんて言われて、ますます焦った。
「いえ、私なんて」
人生経験もないですし、とかなんとか口をぱくつかせてしまう。だいたい対等に付き合える身分ではないんですけど。
慌てまくりな私をにこにこして見つめていたバロワン伯爵は、
「魔女なんて聞いていたからてっきりおばあさんかと思ってましたよ。こんな綺麗で若いお嬢さんで驚きました」
なんてことを言いだして。途端に頬が熱くなるのがわかった。
焦りすぎて倒れそうな私の足元でクロがニャーニャー言ってるのはわかったが自分でも何が何やら。
フェリシアが「叔父様でもそんなこと言うのねえ。でも若い女性に言うのは完全におじさんよ」なんて言われて、今度は伯爵が焦ってる。すみませんと謝るもんでこっちもいえいえいと手をばたつかせてた。
嵐のようにやってきたフェリシアとその叔父が帰っていき、ふうーっと大きく息をついた。
フェリシアの血筋だけあってイケ叔父だし、優しい人なんだろう。もう結婚してるのよね。奥さんは若くて綺麗でやり手らしいし。
「ミャー!」
クロがでかい声をあげ、はっと我に返る。
熱くなってる頬をぱんぱんと叩いた。
まったく何なの?
別にタイプとかではないと思うんだけどなあ。なぜか妙に気になるというか、なんというか。訳の分からない感情に叩いた頬を両手で挟んでた。
「クロ、ごはん遅くなってごめんね」
怒涛の如く現れた主要キャラに疲れてしまったが。何とかクロと自分の夕飯を用意した。
夕飯が遅くなったせいなのか、クロはご機嫌斜めだし。ため息ついた私は、
「クロ、朝早くに村まで持ってくからね。留守番しててもいいし来てもいいけど」
持っていくハーブをまとめて自分用のスープやパンをテーブルに置いた。
クロは早々に食べ終わり大きく伸びをしている。
「あんた、夜でも外に行かないのね」
猫って夜行性だから、夜は家にいないのかなと思ってた。だけど、クロは夜はどこへもいかず家でぐっすり寝てる。
「飼い猫は人間の生活リズムで暮らせるようになるって聞いたことはあるけど。もしかして飼い猫だったのかなぁ」
レラとフェリシアにもらった毛布の上に移動したクロはさっそく丸くなり始めている。
「夜に出てもいいけど、森の中は何がいるかわかんないしね」
王子たちはここで狩りをしてたって話だった。確かにウサギやシカは見たことがあるが他に何がいるかわかんないし。
王太子は殺されたんじゃないかって物騒なことも聞いた。
地位やお金を巡って血なまぐさいことはお話だけではなく現実にもありえることだけど。
でも、そうだとしたら、犯人はそれで利益をうる人ってことになる。
つまりは現在の王太子候補が怪しいってことだ。
王様の弟は辞退してるらしいし、その息子は家出。残ったのはデヴィッド。
「レラとフェリシアの意中の人が犯人? そんな話ある?」
もう何が何だかわからない状況になってきた。
私が魔女として処刑されないためにはレラに近づかず、フェリシアと王太子を結婚させることだと思っていたのだが。
もし、デヴィッドが犯人だとしたら。そんな奴とフェリシアを一緒にさせるなんて。
「それはあんまりよね」
私のベッドの上でクロがすやすやと幸せそうに寝ている。
「はあぁ。猫のほうが、よほど幸せだわ。どろどろした人間関係なんて、しかも殺人だなんて。サスペンスものじゃないの。本当は誰も知らないとこに移住した方がいいんだろうけど。レラやフェリシアも心配だし」
何度目かのため息をついた私は、クロの邪魔にならないようにそろそろとベッドの中へと潜り込んだ。
フェリシアがこんなにきれいなんだから、血筋の人は整っていてもおかしくはないわよね。
「ミーガンさん、また来るね」
「フェリシア!」
口調は厳しく言うものの、顔はちょっと困ったように微笑を浮かべてる。フェリシアがかわいいんだろうな。こんな叔父様、旦那様としてもうらやましい。
「ミーガンさん」
「は、はい」
バロワン伯爵が頭を下げると、
「跳ねっ返りですがよろしくお願いします。いけないことは厳しく叱ってってやってください」
なんて言われて、ますます焦った。
「いえ、私なんて」
人生経験もないですし、とかなんとか口をぱくつかせてしまう。だいたい対等に付き合える身分ではないんですけど。
慌てまくりな私をにこにこして見つめていたバロワン伯爵は、
「魔女なんて聞いていたからてっきりおばあさんかと思ってましたよ。こんな綺麗で若いお嬢さんで驚きました」
なんてことを言いだして。途端に頬が熱くなるのがわかった。
焦りすぎて倒れそうな私の足元でクロがニャーニャー言ってるのはわかったが自分でも何が何やら。
フェリシアが「叔父様でもそんなこと言うのねえ。でも若い女性に言うのは完全におじさんよ」なんて言われて、今度は伯爵が焦ってる。すみませんと謝るもんでこっちもいえいえいと手をばたつかせてた。
嵐のようにやってきたフェリシアとその叔父が帰っていき、ふうーっと大きく息をついた。
フェリシアの血筋だけあってイケ叔父だし、優しい人なんだろう。もう結婚してるのよね。奥さんは若くて綺麗でやり手らしいし。
「ミャー!」
クロがでかい声をあげ、はっと我に返る。
熱くなってる頬をぱんぱんと叩いた。
まったく何なの?
別にタイプとかではないと思うんだけどなあ。なぜか妙に気になるというか、なんというか。訳の分からない感情に叩いた頬を両手で挟んでた。
「クロ、ごはん遅くなってごめんね」
怒涛の如く現れた主要キャラに疲れてしまったが。何とかクロと自分の夕飯を用意した。
夕飯が遅くなったせいなのか、クロはご機嫌斜めだし。ため息ついた私は、
「クロ、朝早くに村まで持ってくからね。留守番しててもいいし来てもいいけど」
持っていくハーブをまとめて自分用のスープやパンをテーブルに置いた。
クロは早々に食べ終わり大きく伸びをしている。
「あんた、夜でも外に行かないのね」
猫って夜行性だから、夜は家にいないのかなと思ってた。だけど、クロは夜はどこへもいかず家でぐっすり寝てる。
「飼い猫は人間の生活リズムで暮らせるようになるって聞いたことはあるけど。もしかして飼い猫だったのかなぁ」
レラとフェリシアにもらった毛布の上に移動したクロはさっそく丸くなり始めている。
「夜に出てもいいけど、森の中は何がいるかわかんないしね」
王子たちはここで狩りをしてたって話だった。確かにウサギやシカは見たことがあるが他に何がいるかわかんないし。
王太子は殺されたんじゃないかって物騒なことも聞いた。
地位やお金を巡って血なまぐさいことはお話だけではなく現実にもありえることだけど。
でも、そうだとしたら、犯人はそれで利益をうる人ってことになる。
つまりは現在の王太子候補が怪しいってことだ。
王様の弟は辞退してるらしいし、その息子は家出。残ったのはデヴィッド。
「レラとフェリシアの意中の人が犯人? そんな話ある?」
もう何が何だかわからない状況になってきた。
私が魔女として処刑されないためにはレラに近づかず、フェリシアと王太子を結婚させることだと思っていたのだが。
もし、デヴィッドが犯人だとしたら。そんな奴とフェリシアを一緒にさせるなんて。
「それはあんまりよね」
私のベッドの上でクロがすやすやと幸せそうに寝ている。
「はあぁ。猫のほうが、よほど幸せだわ。どろどろした人間関係なんて、しかも殺人だなんて。サスペンスものじゃないの。本当は誰も知らないとこに移住した方がいいんだろうけど。レラやフェリシアも心配だし」
何度目かのため息をついた私は、クロの邪魔にならないようにそろそろとベッドの中へと潜り込んだ。
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