【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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エレベーターホールへと向かう為に走り出したけれど・・・



社内がめちゃくちゃ騒がしいことに気付きチラッと見てみると、金色の髪の毛をした大月旦がオフィス内にいて何人かの女達に囲まれていた。



それには走り出した足を止め、大月旦に向かって歩き出す。



そしたら気付いた。



大月旦は女とお喋りをしていたのではなく、大月旦の向こう側には大月旦と同じくらい背の高い男の人がいて。



大月旦はその男の人と喋っていた。



”何か見たことあるな、誰だっけ・・・。“



そう思った時・・・



「庄司さんのことをどこに取られたのかと思ったら、星野社長の所だったんだね。」



大月旦がその男の人のことを”庄司さん“と呼んでいるのを聞いて思い出した。
青さんの会社にお兄ちゃんが来ていた時の会議、そこに顔を出してきた庄司さんという男の人。



「大月部長にはとてもお世話になっていたのに申し訳ございませんでした。」



「僕にもっと権限があった昔のことだけどね。
大月の会社にはまだまだ年功序列の制度が残っているところがあるし、高い能力のある若い社員にはもどかしさを感じさせてしまうよね。
星野社長には良くして貰えているかな?」



「はい、とても。」



「庄司さんなら何処の会社でも上手く出来るだろうけど、もしも少しでも何か思うことが出てきたら僕に教えてよ。
そしたら庄司さんのことを僕が迎えに来るからね。
その頃にはきっと昔のように・・・いや、昔以上に僕も権限を持てているだろうから。」



「それは・・・・」



少しだけ驚いた顔になった庄司さんが大月旦のことを見詰め、それから凄く安心したような顔で笑った。



「それはとても嬉しいです。
そうなんですね・・・自分のことのように嬉しいです。」



「うん、そうなるように今日から頑張るところなんだけどね。」



「大月部長が昔以上の権限をお持ちになった時には、もしかしたらご連絡を差し上げることが・・・」



庄司さんが最後まで言い切る前に私が声を出す。



「皇子!!」



大月旦は庄司さんから視線を移し、私に振り向いた。



「ちょっと話し忘れたことがあるから1階まで送る!!」



大月旦と庄司さんのことを取り囲むように立っている女達の間を割っていく。



「いや、酒井さん、絶対にぶりっ子しないで素の方が良いって。」



途中で目に入った酒井さんにそう言うと、酒井さんが慌てた顔をする。



「やだぁっ、加藤さん!!
いつもそうやって意地悪言う~!!!」



焦りながらもぶりっ子を続けているのでそれには大笑いし、大笑いしながらも大月旦の腕を両手で引っ張る。



「青さんの会社の社員になった人に余計なことを言わないでよ。」



「うん、ごめんね。
庄司さんが此処にいるのを見たら、星野社長に負けたくない気持ちがまた出て来てしまって。」



「はいはい、大月に早く帰ってね。」



大月旦のことを庄司さんからも青さんの会社のオフィスからも強引に離した。
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