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「水沢さん、おはよう!」
その後から、この大きな人、青田さんはやたらとわたしに話し掛けてきた。
「おはようございます。」
青田さんが、朝から9階まで階段を駆け上がっているのは有名な話で。
それなのに、私がエレベーターの前で待っている時は青田さんも一緒に待つ。
でも、朝だからエレベーターの前はすごく混雑していて・・・
わたしの視界に、隣に立つ青田さんがまた腕を組んだのが見えた。
「青田さん、階段で行ってくださいよ。」
そう言って、青田さんを見上げる。
「階段で行ってください。」
腕を組んだ青田さんの、その大きな喉仏が上下に動いたのが見えた。
大きく力強い目に見える熱が上昇していく。
それなのに、青田さんは弱く、小さくなり、わたしに見下ろされる。
「そうだな・・・」
「走ってですよ?」
階段に向かおうとした青田さんに、そう告げる。
青田さんが立ち止まり、わたしをまた見る。
「走って?」
わたしがもう1度そう言うと、青田さんがグルッと階段に向きを変え、階段を駆け上がって行った。
その後から、この大きな人、青田さんはやたらとわたしに話し掛けてきた。
「おはようございます。」
青田さんが、朝から9階まで階段を駆け上がっているのは有名な話で。
それなのに、私がエレベーターの前で待っている時は青田さんも一緒に待つ。
でも、朝だからエレベーターの前はすごく混雑していて・・・
わたしの視界に、隣に立つ青田さんがまた腕を組んだのが見えた。
「青田さん、階段で行ってくださいよ。」
そう言って、青田さんを見上げる。
「階段で行ってください。」
腕を組んだ青田さんの、その大きな喉仏が上下に動いたのが見えた。
大きく力強い目に見える熱が上昇していく。
それなのに、青田さんは弱く、小さくなり、わたしに見下ろされる。
「そうだな・・・」
「走ってですよ?」
階段に向かおうとした青田さんに、そう告げる。
青田さんが立ち止まり、わたしをまた見る。
「走って?」
わたしがもう1度そう言うと、青田さんがグルッと階段に向きを変え、階段を駆け上がって行った。
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