この白い本にラクガキを
泉はたった一人の美術部。
そして葵はたった一人の文学部。
同い年の二人の高校生は旧校舎にある美術室で、それぞれ一人ぼっちの部活を続けていた。
『お互いの作っているものに口出しをしない』それが二人の間に流れていた暗黙のルールだった。
それは静かな平行線だった。
卒業と同時に自分たちが過ごした旧校舎が取り壊される。
それを知ったある日、小説を書いていた葵が言った。
「ねえ泉、絵って私にも描ける?」
絵に行き詰っていた泉が投げやりな気分で言った。
「私の絵に落描きしていいよ」
葵からは意外な言葉が返ってきた。
「じゃあ、私の小説にも落書きしていいよ。おあいこ」
二人のラクガキが始まった。
小説に落書きをして、絵に落描きをする。
ただ一緒に居るだけの平行線だった二人が少しずつ混ざり合っていく。
葵と過ごす何気ない日常の中で、自らのの恋心に気付く泉。
けれど泉は思い出の美術室と一緒に、自分の想いも土の下に埋めてしまおうと思う。
嫌われるより曖昧なままでいたいと。
そして卒業というさよならが近づく。
そして葵はたった一人の文学部。
同い年の二人の高校生は旧校舎にある美術室で、それぞれ一人ぼっちの部活を続けていた。
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それは静かな平行線だった。
卒業と同時に自分たちが過ごした旧校舎が取り壊される。
それを知ったある日、小説を書いていた葵が言った。
「ねえ泉、絵って私にも描ける?」
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葵からは意外な言葉が返ってきた。
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二人のラクガキが始まった。
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ただ一緒に居るだけの平行線だった二人が少しずつ混ざり合っていく。
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