欲にまみれた楽しい冒険者生活

443男の色気

「拓殿、本日はありがとうございました。」
「いえ、皆さんが楽しめたみたいで何よりです。こういう魔法は楽しくて良いですね。」

貴族全員が帰ると、ズゲベ侯爵が礼を言う。
そして、参加した貴族が写真のチップを置いて行ってくれたので、拓とガメラで折半する事にした。
それとは別に今回の手伝いの支払いをしようとするので、代わりに今日の料理一式をお願いする。
正直、拓の想像以上にチップが多く、これ以上貰うのは躊躇われてしまう。

「ガメラさん。良ければ今日、もう少しだけ写真を撮って頂けないですか？」
「良いですが、何の写真を撮るのですか？」

最後にこの会場を作っていたズゲベ侯爵の使用人、私兵達の写真を撮る事にした。
と言っても人数が多いため、料理人、メイド、私兵等とグループに分かれての集合写真。
全員が笑顔で映っている写真。


「拓、お疲れだったな。マッサージをしてやるからベットに横になれよ。」

レオはマッサージをしながら、明日ガメラに撮ってもらう写真について聞いてみると

「タイトルは男の色気。色々と考えているから楽しみにして良いよ。」

嬉しそうに話す拓。一体何を考えているのか不安になる。
詳しく聞いてみようと思ったが、拓はそのまま寝てしまった。

「ずっと繊細な魔法を使い続けていたからな。流石に疲れちまったか。」
「しかし拓は本当に楽しそうに魔法を使っていたな。皆も嬉しそうな顔をしていたし。」

レオとガラは優しく拓の頭を撫でると、ゆっくりと寝れるようにと静かに離れた。


次の日、ズゲベ侯爵の屋敷でガメラと合流したＯＺは町の外に有る人気のない湖へと移動した。
ズゲベ侯爵と美形の護衛の１人も一緒に・・・
拓が暴走しない様にガラとレオが興味が有りそうなズゲベ侯爵に声を掛けると、２つ返事で参加するとの事。
周囲に脅威となる魔獣が居ないことを確認すると、拓の風魔法で花吹雪の中、ガラとレオに剣で打ち合いを行ってもらう。
２人はそのまま湖に足を踏み入れると、周囲には水の球が日に当たりキラキラと輝く。
美しい背景の中の打ち合い。まるで絵の様な景色をカメラに収め続ける。
見ていたズゲベ侯爵もその美しさに見入っていた。

拓はガラとレオに濡れた服を着替える様に白のＴシャツと短パンを渡す。
その後は、拓が派手なだけの光や水、火の魔法を使ってかっこよくポーズを決めて写真を撮り終えると、ガラとレオに水を掛けた。
Ｔシャツは身体に張り付き肌の色と乳首がハッキリと浮かび上がり、短パンは透けていないがぴっちりと張り付き卑猥な盛り上がりを見せている。
拓は巨大な水球を作り出したりしながらガメラに色っぽい写真を撮るように指示を出す。
ガメラも拓の意図をくみ取り、光と水球の中で張り付いたＴシャツ、それを脱ぐ仕草を写真に収める。
ズゲベ侯爵も美形の護衛も見入ってしまう程色気が有った。有ったが・・・

「拓、馬鹿な写真を撮り過ぎだ。」
「これは芸術。腐女子が涎を流して喜ぶよ。」

ガラには腐女子という意味は分からないが、拓を見て碌な事ではないと思いながら撮った写真はガラが管理することになってしまった。

撮影は夜まで続き、拓達は部屋で撮影された写真を見ていた。
夜の桜吹雪の中、半裸で剣を振るうガラとレオ。振るった剣が光の筋となり、美しく、そして色気の有る写真だった。

「この写真が一番良いね。」「確かに良いと思う。」「自分じゃねぇみたいだな。」

拓がおふざけで撮ったエロい写真も有るが、基本的にはガラもレオも良い写真だと思っていた。

「明日はズゲベ侯爵と私兵の写真を撮るのを手伝うんだろ。」
「希望者を募って見るって言っていたからどうなるのかは分からないけどね。
　ガラとレオは兵士達と試合を行なえることになったんだろ。大丈夫か？」
「あぁ、話してみたら直ぐに仕えている貴族から許可を取ってくれた。お互いに別行動になるが、変な事をするなよ。」
「依頼相手はズゲベ侯爵なんだから出来る訳ないだろ。」

次の日　拓が屋敷に伺うと、ばっちりとメイクをして着飾ったメイド達や綺麗に磨いた防具を付けた兵士達、気取った服を着た執事。
何故か新婚のカーラとダリウスの姿まで有る。
ズゲベ侯爵は可能であればと言うが、拓もこの状態で断る事は出来ず２日掛けて全員の写真に付き合うことになった。
ただ、兵士達は拓のお勧め「男の色気」と言う事で全員が半裸の写真を撮っていた。
実際に鍛えた身体がかっこよく映り、兵士達も気に入る１枚となっていた。
ただ、美形兵士の場合は、まさしく腐女子が涎を流しそうな写真に・・・一部のメイド達が写真を貰おうと、こっそりとガメラに交渉していた。

ガラもレオも拓が拘束されていた間は試合を行い、新たな剣技を学ぶ機会になっていた。