したたる愛欲 完全版

五嶋樒榴

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仄暗い部屋で、河合は美加子を布団の上に組み敷いていた。
白い肌が、薄暗い部屋の中で浮かび上がっており、淫靡な影が障子に映し出されていた。

「あ、あああ、あああ!」

声が出せない美加子が、無駄な抵抗を繰り返して河合の体を拒否するも、河合の指が美加子の乳房に食い込み、剃毛をしていないにもかかわらず無毛の恥部を指でこじ開けていた。
美加子はそれでも抵抗を試みる。
夫に触れられることが、どうしても我慢が出来なかった。

「何を抵抗する理由がある!俺はお前の夫なんだぞ!妻は夫に奉仕する物だと、何度言ってきかせれば済むんだ!」

苛立ちを露わにして、河合は美加子の柔らかな場所に指を無理矢理挿入した。

「ひぃ!いいいッ!」

美加子は涙を流して、痛みを訴えるように苦悶の顔で河合の手を震える両手で握る。
美加子のひ弱な力でそれを止めることなど到底出来はしないが、それでも全身の力を両手に込める。

「どんなに泣こうが、お前はただ俺を受け入れれば良いんだ!」

河合の指で汚される場所も、時が経つとともに湿り気を帯びた音を立て始める。
蜜が止めどなく流れてくる。
頭では拒否していても、身体はそれを許さない。
蜜を溢れさせ、身体の奥を疼かせ、美加子の意に反して男を受け入れようと身体は反応していた。
それでも抵抗は続く。
身体は男を迎え入れようとしても、美加子の心は受け入れる事ができなかった。

「どうせ身体はこうして直ぐ素直になるんだ!抵抗しなければ痛い思いをしなくて済むんだぞ!」

大声で怒鳴りながら、美加子の身体を河合は愛玩おもちゃにしていく。
蜜で濡れれば、河合もあとは挿れるだけだった。
ただ無理やりに美加子の中を引き裂く様に、河合の欲棒は奥まで差し込まれた。
自分の中に、不遜に侵入して来たものに嫌悪を感じ美加子は身を攀じる。
それでもただ快楽を貪るように、河合は独りよがりに美加子の身体を貫き続けた。
美加子は涙を流しながら天井を見つめる。
河合を愛してなどいない。
どうしてこの男と、この穢らわしい行為をしているのかも分かっていない。
だが、ここに居なければ生きては行けないことは悟っていた。
河合の愛玩としてしか、生きていく術がない。
今の美加子に逃げる知恵はなかった。
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