芋女と呼ばれて三年。離縁を夫に申し渡された伯爵夫人の次の手は

「お前とは離縁だ!俺はこのジゼルと再婚しようと思っている。とっくの昔に我が領地も立て直したし、こうなったらお前のような芋女の顔など見たくもないからな」

 愛人の腰を引き寄せながら、フラナド伯爵は自らの妻に冷たく言い放った。

 落ちぶれていたフラナド伯爵家は、三年前に嫁してきた現伯爵夫人の領地経営のもと、右肩上がりに持ち直した。

 その伯爵夫人こそ、離縁をまさに今言い渡されているメリアーナである。

 過去の離縁まで指摘され、"芋女"、"みすぼらしい"、"実家が太いだけで何の長所も無い"と夫は言う。
「確かにわたくしは二度ほど侯爵家に出戻ってはいますけれど……」

領地を豊かにするのが趣味な女性の、三度目の離縁の顛末はいかに──
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