インマとぼく

ぼくはついてない。

彼女にふられ、職場もクビになった。

貯金は底をつき、
そのうち家賃も払えなくなった。

マンションの管理会社に出ていくよう勧告され、
引っ越しの準備をした。

いよいよ宿無しか。
と、人生の終わりのような気分で部屋を出ると、
隣室に越して来た母子と鉢合わせた。

それがぼくの人生を変える出会いとも知らず、
二人に頼まれるままに引っ越しを手伝い、
『お礼に』と、夕食に招かれた。

娘は細身だが背が高く、180センチほどもある。

母親は小柄なので、
父親似なのかもしれない。

ぼくは、それを二人に訊いてみた。

後から考えると、
あれは、よけいな質問だったなと思う。

でもそのときは、酒が入ってたんだ。

娘はぼくに言った。

『パパは悪魔なの。下級だけど』と。
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