現代転生 _その日世界は変わった_

胚芽米

文字サイズ
小 中 大 特大
108 / 237

第103話 米軍VS異世界人(11)

「ほうほう。なーんか派手にやってんな」

発砲した時の光を見ながらヒカルは言う。

-アメリカ合衆国 バージニア州 リッチモンド-

コンクリート造りの低い建物が多いこの辺りでは隠れることは厳しそうだ。

そして兵士のほとんどが高速道路の方へと向かっている。そのためたやすく街の中へと侵入ができた。

「キルアって…馬鹿…だよな」

俺は躊躇いながらもダイレクトにそう言う。あいつ囮の意味だと分からなかったのか?

「俺が盗賊のお前が皆を相手に無双って格好良くねって言ったおかげ」

ヒカルの性格が出ている気がする。

「軍は…いないかな。この世界の人間は魔力感知できないからそこが厄介」

「私も感じられません」

そう言いながらも俺達は路地を通って逃げる。そして曲がり角を曲がろうとした時

「なっ!?何者だ!?」

重武装の兵士が二人、こちらを見るやいなや銃を向ける。

「ああまずい」

アナリスが言う「まずい」はヒカルが第一に路地を出たからだ。

ヒカルは魔法を使えないこの世界の人間。

「ま、待ってくれ。俺はただちょっと…」

「何!?ここの住人か?身分証明書はあるのか?」

「え?身分証明書か…」

ヒカルが咄嗟に気を効かせたのを路地裏越しに見る。ヒカルはポケットを探ったりとしているが表情を察するになさそうだ。

「…なんだ?ないのか?命令では見つけた人間は我々の観察化に入ることになっている。大体避難命令が出ていたはずだ」

(アナリス、なんとかあいつらどうにかできないの?)

(ちょっと待って!)

俺達は囁きながらそう言うとアナリスは路地から建物の上へと伝って行く。

「ホイッ!」

「ぬわあ!」

ガシャーン!

大きい音がしたと共に静かになる。どうやら壁か何かに叩きつけたらしい。

「マジ見つかったらどうすんだよ」

「そう怒らないでくれよガイム。収穫もあったんだし」

収穫?俺が疑問に思っているとヒカルは気絶している兵士が持っている銃を取り出す。

「M16自動小銃。装填数30発のアサルトライフル。1960年代製とは聞くけど今でも使われる程」

「はあ…?」

「60年前だよ。冷戦の時代」

この世界の歴史はさておき、どうやら強そうな銃を手にした。

「ほい、ガイム!」

「うわっ!?って…」

俺はもう一人の兵士が持っていた同じ銃を渡される。

「活躍が必要だろ?異世界なのに魔法が使えない人間なんてもったいない」

「…なんだよ」

俺は同じく投げられた弾倉を装填して、素早く右手親指セレクターレバーを操作する。

「おおっ…!銃の扱い知ってんだ」

「いや…なんとなくで」

何故だかは知らないがこうなのかと思った。俺には銃の才能があるかもしれない。

とは言えヘリコプターに勝てるとは思わないが。

「とにかくこの街を通ってどこか空港に行かないと」

ヒカルはそう言うと先へと進む。

警戒しながら足を進める中、カノンが話を切り出す。

「私今思ってるんですけど…仲良くできないんでしょうか?」

「?」

「私達と仲良くなればきっとうまく行くはずなんです…」

「ああ、なるほどね」

ヒカルが納得したかのように頷いた後、それを全否定でもするかの如く

「まあ無理だね。彼らからしたらニューヨークの件はまだ解決してないだろうからね。それに話し合いで全て解決できたらアメリカはロシアと中国とは対立しない。というか今もっと深くなってるし。ニューヨーク襲撃でアメリカも甘く見られた結果だよ」

「それは分かってます。私だって王女ですから国と国の仲を保つことは難しいことくらい」

「俺達が彼らからして何であるか分からない以上は…もう遅いな。既に彼らからしたら俺達も魔王達と変わらない」

そう言った時、上空を今までに見たことがない飛行機が通り過ぎる。

「…プレデター、グレイイーグル、グローバルホーク…じゃないな。リーパーか」

「そのリーパーってやばい?」

「たまにミサイルが詰んである」

多分俺が持っている銃は使い物にならなくなったことが分かった。

そのリーパーなる飛行機は高速道路へと向かって行ったため俺達の相手になることはなかったが。

「リッチモンド中心部でしたっけ?あのビルですよね?」

カノンがキルアとの待ちあわせ場所を言う。キルア自身も[印]の魔法を使ったらしいが、距離が離れると使い物にならなくなるらしい。

「リッチモンドの鉄道は止まってだろうな。だとしたら…ああ、もう分からん!」

ヒカルが珍しく頭を抱える。この先不安要素が増えることしかなさそうだ。
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~ 表紙

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。
恋愛 完結 ショートショート
文字数 9,943
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった 表紙

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。 ※本作品は、作者本人が複数の小説投稿サイトへ重複掲載しています。  掲載先はXのプロフィールに記載しています
ファンタジー 連載中 長編 R15
文字数 663,833
専業主婦十年、夫と息子に「何もしてない」と言われたので、自分の名前で稼ぐことにした 表紙

専業主婦十年、夫と息子に「何もしてない」と言われたので、自分の名前で稼ぐことにした

「お母さん、何もしてないじゃん」 小学四年生の息子に言われた。翌朝、夫も言った。そっちは家にいるだけだろ、と。 専業主婦十年。渡される生活費は白い封筒の月3万円。家の通帳は見たこともない。 期限切れのファンデーションを塗り、フォロワー48人のアカウントに写真を上げた。「ダメ出しお願いします」。止まらない通知の中に、短い返信が一つ。 ――ひとつずつでいいよ。 早朝の新聞配達に、時給1200円の品出し。夜は簿記の参考書を開いた。額面22万円の雇用条件通知書。初めてのPR案件は、2万5千円。 その秋、夫が昼に誰と会っているかを知った。離婚届は12月24日。 一年後、私の会社の月商は500万円、フォロワーは200万人。港区のタワーマンションの鍵は、私の名前で受け取った。 「家にいるだけだろ」と言った人が、その数字を口にする番が来る。 この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。 全9話。
ライト文芸 連載中 短編 R15
文字数 23,624
元大学生の異世界辺境伯ライフ-1-〜神のミスで全加護を得た俺、ステータス偽装で目立たず別世界の神の侵略を食い止める冒険記〜 表紙

元大学生の異世界辺境伯ライフ-1-〜神のミスで全加護を得た俺、ステータス偽装で目立たず別世界の神の侵略を食い止める冒険記〜

平凡な大学生だった俺は、ある日突然、神のミスによって命を落としてしまう。 そのお詫びとして異世界へ転生することになったのだが、なぜか二度目の神のミスまで重なり、世界中の神々から"ありえない数の加護"を授かってしまった。 転生先は、辺境伯家の少年・アッシュ。 六歳で加護を授かるこの世界で、俺は規格外すぎる力を手に入れることになる。 しかし、その力はあまりにも危険だった。 だからこそ俺は、ステータスを偽装し、「少し優秀な六歳児」を演じながら、平穏な辺境伯ライフを送ることを決意する。 ……そのはずだった。 王都への旅、個性豊かな仲間との出会い、次々と巻き込まれる騒動。 そして、この世界の裏で静かに動き始める、誰も知らない大きな脅威。 目立ちたくない最強少年が、知らぬ間に世界の運命へと巻き込まれていく――。 これは、最強なのに平穏を望む少年・アッシュが紡ぐ、爽快異世界ファンタジー。
ファンタジー 連載中 長編
文字数 453,522
46歳おっさんの形意拳が、異世界でチートになった 〜魔法も剣も届かない究極の拳法で、第二の人生を無双する〜 表紙

46歳おっさんの形意拳が、異世界でチートになった 〜魔法も剣も届かない究極の拳法で、第二の人生を無双する〜

趣味で27年続けた形意拳が、異世界で最強チートになったら? 46歳・借金まみれ・ハズレスキル【武道家】。 何もかも最底辺からスタートした男が、拳一つで異世界の頂点を目指す。 劈拳、崩拳、践歩―― 「頼むよ形意拳。俺を守ってくれ」
ファンタジー 連載中 長編 R15
文字数 606,387
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた 表紙

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった……。  この物語は、「竹取物語の月の世界へ帰った後の話」(男版)をコンセプトに展開していきます。 注:この作品は、小説家になろう、カクヨム、テイルズでも公開していますが、構成が違う場合もあります。
ファンタジー 完結 長編
文字数 582,553
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。 表紙

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ファンタジー 完結 長編 R15
文字数 564,689
俺だけ異世界転移していないらしい 〜異世界で俺と結婚した三人の嫁が、転移前の俺を必死に攻略してくる 表紙

俺だけ異世界転移していないらしい 〜異世界で俺と結婚した三人の嫁が、転移前の俺を必死に攻略してくる

俺――御神巧、17歳。 帝理高校に通う、ごく普通の高校二年生。 家は貧乏。 放課後は喫茶店でバイト。 趣味はアイドルの推し活。 クラスでは陰キャオタク扱い。 そんな俺の日常が、二年生になった春から急におかしくなった。 人気アイドル女子高生の水原真希。 学校一の金持ち大和撫子、黒峰麗華。 喫茶店の看板娘でモテギャルの黄瀬エミリ。 昨日まで俺のことなんて眼中になかったはずの三人が、なぜか俺に異常なほど構ってくる。 クラスメートたちも妙だ。 昨日まで犬猿の仲だった奴らが、まるで昔からの親友のように笑い合っている。 俺だけが知らない、何かがある。 そして俺は、まだ知らない。 ――クラスメート全員が、十年前に一度「異世界転移」していたことを。 魔王と戦い、仲間を失い、世界を救った十年間。 その中心にいたのは、俺――御神巧だった。 異世界で「深皇」と呼ばれ、三人の美女とエンゲージを結び、仲間たちを導き、皆を助ける為、愛する三人の妻を守る為、命を散らした英雄。 しかし、女神が彼らの願いを叶えたことで、全員は異世界へ召喚される直前の時間へ戻された。 既に異世界で死んでいた一人を除いて。 その一人である俺だけは――十年間の記憶を持たない。 つまり今の俺にとって、彼らはただのクラスメート。 そして彼らにとって俺は――命を懸けて守り、愛した「親友」であり「英雄」。 記憶を失った俺と、俺を知り尽くしているクラスメートたち。 これは、 「俺だけが何も知らない」 そんな状態から始まる、二度目の異世界と青春の物語。
ファンタジー 連載中 長編 R15
文字数 171,903