真の救世主に救いはあるか-銀花の誓い-
———今から十三年前、イリュナ公国最後の星読みであるセレス・フィアは災厄の訪れとそれを阻止することの出来る救世主の存在を予言した。
各国が総力を上げて災厄の調査と予言の子の捜索を始め、予言から二年後ヴァルディア王国は予言の子を見つけたと声明を発した。
災厄の正体も調査が続けられ、大陸の中央近くに位置する峡谷地帯"ナガスの淵"に瘴気に汚染された黒竜が確認され、その黒竜こそが災厄であると断定された。
瘴気に汚染された黒竜は悪竜と呼ばれるようになり、十年近くかけて戦闘教育を施された予言の子を筆頭に各国の精鋭を集めて、悪竜討伐作戦が決行された。
かくして悪竜討伐は成し遂げられた。ヴァルディア王国は保護を名目に公表していなかった予言の子、世界を救世に導いたのは現騎士団長の息子にして侯爵家子息であるアーリス・フェリダンであると発表した。
それから十ヶ月が経ったヴァルディア王国南部のダンタルシア伯爵領にあるダルモアの森で、森の番人をしているノイルは今日も杣人の真似事をしながら森の巡回をしていた。
ノイルは全身に大怪我を負い左目を失明して国防の前線に立つことが難しいと判断され、半年前に森の番人として国から派遣されたのだ。
その日もいつも通りの巡回で終わるはずだった。しかし羽ばたきの音と共に大きな影が森を覆い状況が変わる。その影を追って森にある湖近くの開けた広場で相対したノイルはその正体に言葉を失った。
そこには、あの時ノイルが首を落としたはずの悪竜がいたのだから。
竜(人間に転化)×訳ありの隻眼の青年の話です。R-18描写は後半を予定してます。
※別サイト様にも投稿しております
※ストックが切れるまでは毎日投稿を予定しています
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