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第二十八話 継母とわたしの立場
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リディテーヌの継母は、わたしのことをただの義理の娘としてではなく、隷属した状態にしたいようだった。
そして、最初の内は、お父様との間に子供を作って、後継ぎにしたいと思っていたようだ。
しかし、お父様と継母は仲睦まじかったにも関わらず、子供はできなかった。
その為、継母は、お父様の実子であるリディテーヌではなく、自分の実子であるオディナティーヌをボードリックス公爵家の後継として擁立しようと思い、実際に動き出したのだった。
いや、継母のことだ。
お父様の子供が産めないことも想定していて、この家に嫁ぐことが決まってから、オディナティーヌの擁立をずっと検討をしていたのだと思う。
「オディナティーヌのことをただの妹とは思わず、大切にし、言うことには従うこと」
ということを、最初に継母が言ったのは、オディナティーヌの擁立が頭にあったからだろう。
話はリディテーヌが継母とオディナティーヌと最初に会った時に戻る。
リディテーヌは、継母から、
「自分とオディナティーヌに隷属しなさい」
と言われた。
継母とオディナティーヌは、わたしより家格の上の家からこの家にやってきた。
隷属しなければならばいのだろうか?
とリディテーヌは一瞬思った。
しかし、リディテーヌは既に「悪役令嬢」しての地位を築き上げている。
良く言えば、誇り高き女性。
悪く言えば、継母と同じくらい傲慢なところを持っている女性ということが言える。
いくら家格が上でも、従う気にはなれない。
それどころか、自分が継母やオディナティーヌの上に立ちたいという気持ちが急激に湧き上がってくる。
リディテーヌは、
「やさしい言葉をかけてくださってありがとうございます」
とまずは頭を下げる。
「ほう、わかってくれましたか。物分かりが良くて助かりますね」
継母は、勝ち誇ったように高笑いをする。
あなたの思い通りにはさせない!
リディテーヌは、
「せっかくのお言葉ではございますが、わたしはあなたやオディナティーヌに隷属するつもりは全くございません。いくらあなた様やオディナティーヌが、オクノラール公爵家から来られたからと言って、この公爵家に入ってくれば、わたしと同じボードリックス公爵家の一員になります。あなたは継母ですから、この公爵家をやがて継ぐことになるわたしよりも、立場は下です。オディナティーヌもわたしとは血がつながっていないのですから、わたしよりも立場は下になります。身分はわたしの方が上です。先程、あなた様は、『その身分差はきちんと認識してもらいたい』とおっしゃっておりましたが、その言葉はそっくりそのままお返しいたしますわ」
と言った後、高らかに笑った。
リディテーヌの言葉を聞いた継母は、一生懸命怒りを抑えようとしている。
オディナティーヌは、わたしの言葉が予想以上に厳しいものだったようで、うつむいていた。
やがて、継母は、
「あなたはわたしやオディナティーヌ、そして、オクノラール公爵家を侮辱するのですか?」
と言ってくる。
「侮辱などはしていませんわ。ただ、お二人のボードリックス公爵家での立ち位置を示しただけのことですわよ」
「少なくともわたしはあなたの母になるのだし、オディナティーヌは妹になるの、家族になるのよ。それなのに、あなたは何という失礼なことを言うの?」
「失礼なことは言っていないつもりです。それにわたしは、あなたのことを母親とは認めないとは一言も言っていませんし、オディナティーヌのことを妹と認めないとは一言も言っていません。ただ立場はわたしの方が上だと言っているだけですわ」
「あなたがわたしたちよりも立場が上だと言うだけで、十分ボードリックス公爵家とわたしたちを侮辱し、失礼なことをしているということがなぜわからないの!」
継母は、次第に心が沸き立ってきていた。
そして、最初の内は、お父様との間に子供を作って、後継ぎにしたいと思っていたようだ。
しかし、お父様と継母は仲睦まじかったにも関わらず、子供はできなかった。
その為、継母は、お父様の実子であるリディテーヌではなく、自分の実子であるオディナティーヌをボードリックス公爵家の後継として擁立しようと思い、実際に動き出したのだった。
いや、継母のことだ。
お父様の子供が産めないことも想定していて、この家に嫁ぐことが決まってから、オディナティーヌの擁立をずっと検討をしていたのだと思う。
「オディナティーヌのことをただの妹とは思わず、大切にし、言うことには従うこと」
ということを、最初に継母が言ったのは、オディナティーヌの擁立が頭にあったからだろう。
話はリディテーヌが継母とオディナティーヌと最初に会った時に戻る。
リディテーヌは、継母から、
「自分とオディナティーヌに隷属しなさい」
と言われた。
継母とオディナティーヌは、わたしより家格の上の家からこの家にやってきた。
隷属しなければならばいのだろうか?
とリディテーヌは一瞬思った。
しかし、リディテーヌは既に「悪役令嬢」しての地位を築き上げている。
良く言えば、誇り高き女性。
悪く言えば、継母と同じくらい傲慢なところを持っている女性ということが言える。
いくら家格が上でも、従う気にはなれない。
それどころか、自分が継母やオディナティーヌの上に立ちたいという気持ちが急激に湧き上がってくる。
リディテーヌは、
「やさしい言葉をかけてくださってありがとうございます」
とまずは頭を下げる。
「ほう、わかってくれましたか。物分かりが良くて助かりますね」
継母は、勝ち誇ったように高笑いをする。
あなたの思い通りにはさせない!
リディテーヌは、
「せっかくのお言葉ではございますが、わたしはあなたやオディナティーヌに隷属するつもりは全くございません。いくらあなた様やオディナティーヌが、オクノラール公爵家から来られたからと言って、この公爵家に入ってくれば、わたしと同じボードリックス公爵家の一員になります。あなたは継母ですから、この公爵家をやがて継ぐことになるわたしよりも、立場は下です。オディナティーヌもわたしとは血がつながっていないのですから、わたしよりも立場は下になります。身分はわたしの方が上です。先程、あなた様は、『その身分差はきちんと認識してもらいたい』とおっしゃっておりましたが、その言葉はそっくりそのままお返しいたしますわ」
と言った後、高らかに笑った。
リディテーヌの言葉を聞いた継母は、一生懸命怒りを抑えようとしている。
オディナティーヌは、わたしの言葉が予想以上に厳しいものだったようで、うつむいていた。
やがて、継母は、
「あなたはわたしやオディナティーヌ、そして、オクノラール公爵家を侮辱するのですか?」
と言ってくる。
「侮辱などはしていませんわ。ただ、お二人のボードリックス公爵家での立ち位置を示しただけのことですわよ」
「少なくともわたしはあなたの母になるのだし、オディナティーヌは妹になるの、家族になるのよ。それなのに、あなたは何という失礼なことを言うの?」
「失礼なことは言っていないつもりです。それにわたしは、あなたのことを母親とは認めないとは一言も言っていませんし、オディナティーヌのことを妹と認めないとは一言も言っていません。ただ立場はわたしの方が上だと言っているだけですわ」
「あなたがわたしたちよりも立場が上だと言うだけで、十分ボードリックス公爵家とわたしたちを侮辱し、失礼なことをしているということがなぜわからないの!」
継母は、次第に心が沸き立ってきていた。
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