ブライダル・ラプソディー

葉月凛

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「あ、あの……なる、せ……」
「心配するな。酷いことは、したくない」

 混乱している奈津にお構いなしに、再び片足を持ち上げられ、後ろの蕾を難なく探り当てられる。達したばがりの甘だるい体は、思うような抵抗を示さない。

「んあっ……あっ……っ……」

 潤滑剤の助けを借りた成瀬の指は、驚く程すんなりと、後孔におさまった。

「ほら、入った。痛くないだろう?」

 入れた指を、ゆるゆると出し入れする。異物がずるずると動く感触に、奈津の全身は総毛立った。

(っ、気持ち悪い……)

「やめて、ください……やめて……いや、いやだ……あぁ」
「奈津……すごく、熱い」

 動くとあらぬところに痛みが走りそうで、動けなかった。侵入した長い指は、何度も何度も出し入れされた。徐々に締め付けが緩んでくるのが、自分でも分かる。

(……いやだ……こんな……)

 奈津は、シーツをぎゅっと握りしめた。

「ああ、だいぶほぐれてきたな」

 おさまっている指が、奈津の中でぐるりと円を描いた。

「ぅあっ! あっ……んんっ、」

 足を持ち上げられ、更に潤滑剤のローションが注ぎ足されて長い指がぐるぐると動き回る。

「やめ、やめてっ……なるせさっ……くっ……」

 シーツを掴む指に、白い筋が浮かび上がる。成瀬の指は、どこかを探しているかのように、ぐりぐりと中で動くのを止めなかった。

「ほら、力抜けって。ん、割と手前だな……この辺り」
「あっ、あぁっ」

 ぐっと指が押し込まれた瞬間、奈津の体が、びくりとしなる。

「な、何」

 今、明らかにこれまでと違う感覚が、奈津の体を通り抜けた。

「ああ、ここ」

 見出されたその箇所に指が押し当てられ、ぐっと奥に押し込まれる。

「はっ……あぁっ……んっ」

 じくりと、妙な感覚が生まれる。成瀬は執拗にそこを触り続けた。

「んん……はっ、あ、いや……」

 指が押し込まれるたびに、これまで感じたことのない、ぞわぞわとした甘い痺れが奈津の背中を這い上がる。成瀬の長い指は同じ箇所を押し込みながら、奥の方までぬめりを広げていった。

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