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砂漠の国

砂龍の攻略

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「こいつ、何か持ってるぞ…!!」

大事なことにゲルトが気付いたのは、7ターン目の時であった。

属性持ちのゲルト・フィラット・レオポルトは砂龍にピンポイントで狙われ、かなりダメージを受けてしまっている。

「何持ってるんだ?」
アルベルトが聞いた。

「…っ、なんだ…?……玉だ!紫に光ってる!!」

ゲルトが見つけた。砂龍の大きな体で隠れていて、ゲルトの位置からしか見えなかったのだ。

「これなら、アルベルトさんが斬れば…!」
レオポルトが言った。

「よし、任せろ。ゲルト、位置代われ」
「おうよ。」

「あった…あれか……。」
砂龍は紫の水晶を大事そうに握っている。

「分かりやすい弱点だな。」
フィラットが鼻で笑った


【8ターン目】

〈アルベルト〉
 必殺 大剣突き26300のダメージを与えた

「…クリティカルヒットだ…!」

「大ダメージ受けてるぞ!」
ゲルトが喜んだ

砂龍の握る水晶にヒビが入っていた。

「完全に割ると何か起こるのでは…?」
レオポルトが呟く。

「最終形態はもう御免だよー?」
フィラットが呆れた。


〈フィラット〉
 通常攻撃 14623 ダメージを与えた

〈レオポルト〉
 必殺 水明連放 18650ダメージを与えた

〈バスティアン〉
 奥義 魔書詠唱 全体の全ステータスがUP

〈ゲルト〉
 スキル 将軍の守り ハインリヒにガード

〈ハインリヒ〉
 通常回復 全体にHP6630回復


🐉「ブォォォォォォォォン!!!!!!!」


「がっ…!!」

レオポルトが砂嵐に巻かれ、地面に叩きつけられた。

12500の大ダメージ。
これまでにもダメージを受けていた為、危篤状態に。

「あーもー、この単体攻撃やめてくんねーかな!?!?」
フィラットが叫んだ。

これまでにも、単体攻撃で大ダメージを負ってきた。


【9ターン目】

〈アルベルト〉
「水晶だけ狙ってくぞ!」

通常攻撃 24350ダメージ


〈ハインリヒ〉
 スキル ママのおっぱい

「おいで!!」
ハインリヒはレオポルトの前で目を広げた

「……はい…!」
レオポルトはよろけながらハインリヒに身を委ねた。

双方の回復、防御力UP、特殊耐性UP
シールドを張った

〈フィラット〉
 必殺 炎銃乱舞 16820ダメージ

〈バスティアン〉
 通常攻撃 呪いをかけた

〈ゲルト〉
 通常守備 縦列にガードを置いた



🐉「ブォォォォォォォォ!!!!!!!」


全体に巻き起こる砂嵐と大きな龍の体が暴れ出す。
シールドを張っていた2人以外は、ダメージを受けてしまった。

それに構わず授乳されるレオポルト(?)


「…大丈夫ですか?」
ハインリヒはレオポルトの青い髪を撫でた。

「はい…ありがとうございます」
レオポルトはハインリヒの顔を見上げた。微笑む顔はまるで本当の母親のようであった。

「俺はママさんの世話になりたくねぇなぁ」
ゲルトが鼻で笑う。


レオポルトとハインリヒは完全回復した。


砂龍のHPは、アルベルトが水晶を狙ったことで一気に減り、やっと半分まできた。

「まだ半分かよ…」
フィラットが舌打ちをする。



そして10ターン目。



ついに、アルベルトが水晶を割ったのだ。



🔮パリーーン

🐉「ブゥゥァァァァァァァ……」

砂龍はダウンしている。


「今だ!!!」

砂龍のHPが勝手にどんどん減っていく。

しかし、それとは反対に攻撃力が上がっていく。

「くっそ!ふざけんな!?」
フィラットは弾丸を補充した。

「……気を付けろ…。」
アルベルトは大剣を構えた。


フィラット達は次々と必殺技を出した。


🐉「ブァァァァァァァ…!!!!!」


「ぐっ……!!!」
完全回復したレオポルトが狙われているようだ。20135のダメージを受けてしまった。

「…ゲルト!レオポルトをガードしろ!」
アルベルトが指示を出す。
「おう!!」


しかし、それ以降も砂龍が苦手な水属性をもつレオポルトを狙い続けた。


だが、10ターン目で半分もあった砂龍のHPは3分の1以下までに減っていた。

「頼むから最終形態とかないって言えよ…」
フィラットが呟く。


しかし、13ターン目。


砂龍の水晶が復活。同時に全ステータスがUPされた。

「くっそ!!!」

「やっぱ、そう簡単にはいかねぇよなぁ…」

「これで全ステータスがUPですか…」

「ただでさえ俺らも危篤寸前なのに。」

「HPが回復されないだけ有難い…」

メンバーは言葉を失った。



【14ターン目】

〈アルベルト〉
 水晶を狙った通常攻撃 。

 しかし、3630のダメージしか受けない。

「防御力がめちゃくちゃ上がってんのか…」
 アルベルトが舌打ちをした。

「これじゃ、俺らの体力も持たないよ」
 フィラットはため息をつく。


〈フィラット〉
 通常攻撃 1088のダメージを与えた

「くっそ!全ッッッ然減らねぇ!」


〈レオポルト〉
 必殺 水明連放 2842 ダメージを与えた

「…これはもう時間の問題かと……」

〈バスティアン〉
 回復薬をアルベルトに与えた 13590回復

〈ゲルト〉
 奥義 将軍の守り 全体をガード

〈ハインリヒ〉
 通常回復 全体にHP7780ずつ回復


🐉「ブォォォォォォォォ!!!!!!」


尻尾を往復するように、全体へ連続攻撃を仕掛けてきた。


「「ゔぐっ……!!」」

既に危篤状態に差し掛かっていた、


フィラットとゲルトが戦闘不能。


「…最悪だ……」
アルベルトは呼吸を乱す。

「…アルベルトさん。あと少し、耐えましょう。」

アルベルトはHPが半分残っている。

バスティアンとハインリヒのHPは半分以下。

レオポルトは危篤状態に。

「次のターンは回復だ。俺は水晶を壊す!バスティアンは薬を使え!ハインリヒはレオポルトをスキルで回復しろ!」

「……ぁ…ぁ…」
ハインリヒは怖くなった。

頼りにしていたゲルトとフィラットが目の前で倒れて動かない。
強い彼らが戦闘不能。でも弱い自分は残っている。…なぜ?
ハインリヒにとっては無敵な彼ら。有り得ないと思っていた状況が今…。

「いいから!!!」
アルベルトは大剣を握り、パーティーの中央に立った。


【15ターン目】

〈アルベルト〉
 必殺 大剣突き13276のダメージ。

砂龍のHPのゲージはあと数%だろうか。

 スキル 不屈のキャプテン 発動

アルベルトからオレンジの炎がメラメラと出ている。

 アルベルトの全ステータスがUP、シールドを自らに張り、他メンバーにガードを置いた。


〈レオポルト〉

「あと少し…。」
 彼はあと少しのHPが残る砂龍を見て、暫く考えて言った。

「ハインリヒさん。回復は…要りません。」

 レオポルトは弓矢を傷だらけの手で強く握った。

「レオポルトさん…!HPが…!!」

「構いません。このターンで僕が戦闘不能になっても、アルベルトさんもバスティアンさんもいます。……後は任せます。」


「でも僕のスキルなら……!!」

「スキルが発動すれば、僕の必殺は出せなくなります。それに、アルベルトさんの体力にも限界があります。ここで僕が手を打たないと、後々苦戦します。」


レオポルトは弓矢を構えた。

 必殺 水明連放16437 ダメージを与えた


〈バスティアン〉
 「…ハインリヒは自分を回復しろ。」

「えっ!?でも!?!?レオポルトさんは?!」

「無駄です。攻撃が来たらどっちにしろ、僕は戦闘不能になるので。アルベルトさんがいるので大丈夫ですよ。」

レオポルトは頷いた。


「…あぁ……。」ハインリヒは立ち尽くす。


 バスティアンは回復薬を自らに与えた
  HP14320回復


〈ハインリヒ〉
 「……どうしよう…。」

「レオポルトの言うことを聞け!」
アルベルトが叫んだ。

「……は……はい……。」

通常回復 自らのHP10470回復した。


🐉「ブォォォォォォォォン!!!!!!!」

前ターンと同じ尻尾を振り回す、全体への連続攻撃。

彼らが言う通り、レオポルトは戦闘不能になった。

「……っ!!」

ハインリヒは目を瞑った。
隣でレオポルトが倒れる音だけはちゃんと聴こえた。


ハインリヒは、アルベルトの立てたガードのお陰でギリギリ生き残った。



そして、16ターン目の時だった。


アルベルト
 通常攻撃 26350のダメージを与えた

🐉「ブァァァァァァァ……」

砂龍は砂嵐と共に、砂を舞い上がらせ、消え去った。


♪ テッテレーテッテレーテレレッテレー⤴︎︎⤴︎︎


勝利。


大量のEXPと素材が与えられた

GET;紫水晶の欠片 星の砂 砂漠に咲ける薔薇 ルビーの指輪


バスティアン Lv92→93
レオポルト Lv90→91
ハインリヒ Lv47→50



「……!!」


アルベルト、ハインリヒ、バスティアンが生き残った。


ゲルト、フィラット、レオポルトは倒れて動かないまま。ハインリヒは3人を見ていた。


「大丈夫さ。完全に死んだ訳じゃない。宿に帰って寝れば、ケロっと生き返ってるから。」
マントが破れ、被り物は割れてしまっているバスティアンが笑って言う。

「…あぁ。大丈夫さ。初めてで怖かっただろう。よく頑張った。ありがとう。素晴らしい活躍だった。」
傷だらけのアルベルトはハインリヒの頭を撫でた。

「…僕は…守ってもらってばかりでした」

「そんなものさ。こいつら、世話好きなんだよ。」
バスティアンもハインリヒの元へ歩み寄った。

「さぁ、行こう。俺らもこいつらも休まないといけないからな。」


♪  ブォン…ピシュン!


「…!消えちゃいました!」

戦闘不能の3人が消えた。

「あぁ、自動的に宿送りさ。今頃ベッドですやすや寝てるんだ。」
バスティアンが言った。


アルベルトが続けて言う。
「…ゲームの世界だ。細かいことは気にするな。なんでもありなんだ。さ、行こう。」



砂龍を倒した向こう側に大きな扉が現れた。



アルベルトが扉を開けると、階段があった。

「…これは…?」

「次のステージに行くんだ。登ってすぐ、ワープの輪があるから、そこでセーブして宿へ戻る。行こう。」

3人は階段を登った。


再び、扉が現れた。


「さて、次はどんなところかね。」


アルベルトが扉を開けると、冷たい空気が吹き込んできた。


「うわっ……なんだ…?」

「…船がある。ボロボロだ。」

「海…?」

次のステージは、海の様であった。






  𓈒𓂃𓈒𓂃𓈒葬られた虚空絶海 𓈒𓂃𓈒𓂃
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