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葬られた虚空絶海

白い人魚

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それから少しギルドで時間を潰した。

ハインリヒはレオポルトとギルド内を回った。

2人が見ていたのは、大きなドラゴンの首。

「……これ、本物なんですか?」
「そうですよ!本物なんです。」
「へぇ……これと闘うんですね。」
「レベルカンスト解放試験で合格した彼が持って帰って来たそうです。」

「彼というのは?」
「まぁ……僕もお会いしたことはありません。名前も知らないんですけどね。」
レオポルトはてへへと笑った。

「でも、その彼は存在しているんですよね?」
「はい。噂では、一人旅に出ているそうです。確かな情報は分かりませんけどね。」

そのについて話すレオポルトは、ヒーローに憧れる少年のようだった。

「実は!スヴェン総長さんだった!とか」
「えぇっ」
「まさか。適当に言っただけです。」
「まぁ……ありそうですけどね」

2人は噂話で笑い合った。

「…2人とも。そろそろ行こう。」
アルベルトが声をかけた。


そして、装備を取りに行った。


「ほい。出来たよ。」
オリヴァーがメンバー分の強化した装備を出した。

「ありがとうございます。」
「…ハインリヒは新衣装だな。」
「えっっっ!」

「気に入ると思うぜ。」
オリヴァーがにやりと笑う。

出された新衣装に手をかけると。


♪ テレレレン⤴︎︎︎

『装備を装着しますか?』

「…はい…」

♪ テレレレーン⤴︎︎︎

ふわっと光って、気付いたら、新衣装を身にまとっていた。

相変わらず胸元は開いている。
ふんわりとした袖。
ショートパンツにロングブーツ。
申し訳程度のマント。
杖はティアラのような形で可愛らしい。

「……。」
「お、いいじゃん♡」
オリヴァーは親指を出す( ˶^ᵕ^˶)b
「ハインリヒ、いいんじゃないか?」
アルベルトも親指を出す( 'ω')b

他のメンバーは衣装は変わらないが、剣や盾、銃に弓矢、水晶が変わっていた。

「お、いいな。攻撃力がアップか…。オリヴァーさん、流石です。ありがとうございます」
「お、かっこよくなってんじゃん!ありがとう!」
「防御力も上がってる。磨きもかかってる!いいな!」
「…わぁ…紫の水晶…♡」
「弓の強度が上がってる。会心率も上がったのか。凄い!」

そんな他メンバーに対して、納得のいかないハインリヒ。

「オリヴァーさん、ありがとうございました。さ、皆、行こう。」
「おう!また来てね」

メンバーが帰ろうとすると。ハインリヒはぐるっと振り返った。

「……オリヴァーさん。なんでこんなに露出の多い衣装にしたんですか。」
「……えー?そう?いいじゃん。俺は好きだよ。ショーパンにロングブーツ。いい組み合わせだ。」

「男って言いましたよね。」
「あぁ、知ってるさ。」

「オリヴァーさんの趣味ですか。」
「まぁね。似合うと思って。レースも付けたし、金の刺繍も可愛いだろ?」
「……着せ替え人形じゃないんですけど」

ハインリヒはオリヴァーを睨んだ。

「いいだろう?似合ってるんだから。女神様みたいで俺は好きだぜ?」
「そんなこと言っても納得しません。」
「アルベルトが良いって言ってんだ。いいだろ。」
「……(  ・᷄ὢ・᷅)」

「…怒ってんのも可愛いな、んー?」
オリヴァーはハインリヒの頬を撫でた。

「やめてください。からかってるんですか」
「そう怒るなって。1回、それで動いてみな。動きやすさは良いからよ。あと、ステータスも上がってるんだぜ?」
「防御のどころかの字すらないのに。」

「まぁまぁ。前の衣装よりは良いぜ?また素材集めておいで。変えてあげるから。ハインリヒちゃんの為ならおじさん頑張っちゃう。」
「……さよなら!!」

ハインリヒは怒って去った。

「あぁ、行っちゃった。すげー可愛いのに。俺の傑作だったのになぁ。ショタ系の顔立ちだったから、絶対ショーパンだt(省略)」


そう、オリヴァーはショタコンなのであった。



「ハインリヒさん、新衣装似合いますね。」
レオポルトが褒めてくれた。
「それはどうも。」
不満気なハインリヒ。


「…昼の内に、メインステージに進もう。」
アルベルトがメンバーに話した。

「…海だっけ?」
「あぁ、無人島のようだったぞ。夜は危険かもしれない。まだ、昼の状態を見ていないから分からないことだらけだが……。まぁいい。とりあえず、向かおう。」

アルベルトにメンバーが付いて行った。


そして、メインステージに行くためのワープの輪を潜った。


_________葬られた虚空絶海


♪ ブォン⤴︎︎︎


「……あれ…?」
昼間に着いたメインステージは、至って普通の海であった。

「…なぁんだ!普通のビーチじゃん!ひゃっふー!!」
フィラットが騒いだ。

「…毒もない…なんだ…?」
夜間の光景を見たアルベルト・バスティアン・ハインリヒの3人は、明るいただのビーチの光景に驚いた。

「…壊れた船も…血だらけの剣もない……」

「…聞いていたのと全然違いますが……」
「お前らの中で何が起きてたんだ?」
話だけを聞いていた他の3人も驚いていた。


「夜と光景が真逆か……」
「…まぁ、昼に行動した方がいいってのは変わりない感じかな??」

地面に滴る毒も、血が滲む剣も、破壊された船も、ハインリヒ達が見たものは無かった。

「…ま、まぁ……いい。とりあえず、進もうか……。」
ただ、綺麗な海が広がっていた。


メンバーは、木々の生い茂る方へ進んだ。

「……道もちゃんとあるんだな……」
木々を分け入らずとも、ちゃんと道を開けていてくれているようだ。

「…まぁ……いいか…」
アルベルトは混乱していた。

「……!?」
大きな蠍がのしのしと歩いている。


🦂「ギャァァァァ!!」


「うわっ!?」
こちらに気付いた蠍は寄ってきた。

「敵だ!!!」

そしてすぐ、戦闘が始まった。

「ねぇ、蠍って鳴くっけ」
フィラットがボソッと言った。

「細かいことは気にするな。薔薇だって口はない。」
アルベルトは軽くあしらった。


そして、蠍との戦闘は呆気なく勝利した。


「弱っ……」


「簡単……じゃね?」
フィラットが首を傾げた。

「……夜がやばいんじゃねぇのか?」
ゲルトが片眉を上げる。

「……多分…そうだな。昼でこんなに弱いなら、夜に出る敵はもっと強いのかもな。」
アルベルトはまだ混乱していた。

「とりあえず、昼の内に進んでおきましょう」
レオポルトが声をかけた。

「あぁ、そうするか。」

暫く歩き、蠍と数回闘い勝利し、同じように蟹も出てきた。

「…なぁ、クエストってどうなってんだ?人魚なんだろ?海、泳ぐの??」
フィラットが聞いた。

「さぁ、どうだろう。こっちを先に調べるべきだと思ったんだが……」

「夜じゃないと出ない。」
バスティアンが呟くように言った。

「「「えっっっ」」」

「じゃ……じゃあ……昼の内に進んで、また夜来ないと行けないのか……。」

「その方が良さそうです。昼の内にマップを把握しておきましょう。クエストに取り組むのは後にした方がいいかもしれません。」
レオポルトが言う。

「そうだな。」
アルベルトは頷いた。

ハインリヒは皆の会話に追いつくのに精一杯であった。


すると。


“助けて”


「ひゃぁぁぁぁ!?!?」

ハインリヒの耳元で囁く声がした。

真横には、真っ白の髪に真っ白の肌をした、


人魚がいた。

目は白目しかなかった。見た。はっきり。

ハインリヒは咄嗟に隣にいたレオポルトに抱きついた。

「ど、どうしました?!?」

「……に……人魚……!!」

「人魚?」
レオポルトは周りを見渡す。

「……い、居ませんよ……??」

「へ……??」

ハインリヒが目を開けると、いなかった。

「……幻聴……??いや…い、いたんです」

「……どうしたんだ?」
前を歩いていたアルベルトがハインリヒに寄った。

「……人魚が……いたんです。真っ白の。」

「…人魚?」

「クエストの人魚じゃね?亡霊になって現れたんだよ!!」
「いやぁぁぁっ!!!」

フィラットの発言に怯えた。


「……見えるのはハインリヒだけだ」
バスティアンが言った。

「えっ……?なんで?」

「僕には見えなかった。水晶にも出ない。」

「…え、ハインリヒちゃん、霊感ある感じ?」

「や、やめてください!!」

ハインリヒは全くそういうのに心当たりがない。


「まぁ…いい。ハインリヒ、こっちおいで。」
アルベルトはハインリヒに腕を掴ませた。

「……これなら大丈夫だろう?」
アルベルトの隣を歩き、ハインリヒの周りをメンバーが囲むようにして歩いた。

「……すみません…。」
「なぜ謝るんだ?…仕方ないことだ」

「何かの暗示なのかもな。…何か言ってなかったか?」
「えっと……た、助けてって。」

「やっぱりクエストの人魚じゃん。」
フィラットが言った。

「…助けて…なら、確かにそうかもな。」
アルベルトが自分の腕に抱きつくハインリヒを見た。

怯えていた。

「どんな感じの人魚だったんだ?これからの手掛かりになるかもしれない。」

「えっと……とにかく真っ白でした。髪も目も、肌も鱗も。」
「そうか…」


暫く散策し、敵を倒しながらマップを書き記していった。


しかしそれ以降、人魚が現れることは無かった。



それからも暫く散策したアルベルト達。
昼間に出てくる敵はどれも弱く、人魚の手掛かりになりそうな物はひとつも無かった。

進むのが容易だったため、マップが埋まるのも早かった。


そして再び夜に活動することにした。

…夜になったら、状況が逆転するのではないか。

彼らの予想は的中した。


________



「…うわっ……」

昼間の光景しか見ていないフィラット・ゲルト・レオポルトは絶句した。

「な……なんだ…こりゃ…」

「…状況が真逆じゃないですか。」

ハインリヒ達が見た物は確かにあった。

地面に滴る毒、血が滲んだ剣、破壊された船…これこそが、3人が見た光景だった。


「……毒か……。毒は避けれそうか?」
ゲルトが聞いた。

「あぁ、毒のない所を通るか。」

「毒の耐性がある素材を見つければ、オリヴァーさんに靴を作って頂くのも有りかと。」
レオポルトが言うと、
「ナイス!!それいいじゃんそうしようよ」
フィラットがすぐ反応した。

「…毒耐性のもつ素材…か。」

「まず、進んでみましょう。」

彼らが記したマップを頼りに毒を避けつつ進んでいく。

木々は毒か何かで腐敗している。


「……ちょっと待て……!!?」

アルベルトが止まった。

「何だよ。……!?」
フィラットがつんのめる。

目線の先には、昼間に見た単純に大きい蠍ではなく……


空中を海中かのようにふわふわと泳ぐ、人魚だった。

しかし、ただの人魚ではなく不気味である。


「……何か……角生えてね?」

髪はなく、ゴツゴツした大きな角がただ生えている。目は全て白目であり、鼻と口のパーツはない。

濁ったような青の鱗は全身に疎らに付いている。

爪は鋭く長い。…そして、血が滲んでいる。



🧜‍♀️「……!!!」


「気付かれた!?」

人魚はこちらに寄ってきた。


戦闘が始まった。



「……ガチで怖っ…」
フィラットが口をぽかんと開ける。

「…なんかの映画に出てきそうだな」
ゲルトも少しゾッとしている様子であった。

「……レオポルトさん、怖くないんですか」
始終怯えるハインリヒはレオポルトに聞く。

「………僕だって怖いです……!!」
レオポルトは小声でハインリヒに言った。

バスティアンは無表情だ。

「バスティアンさんは怖いもの無しですね」

「……見ないようにするのが最善だ。」

(怖いんだ……)



【1ターン目】

アルベルト
 通常攻撃 8320ダメージ

フィラット
 通常攻撃 8760ダメージ

レオポルト
 必殺 水明連放 10450ダメージ

「結構…強いんですね…HPがまだ残ってるじゃないですか…」

ゲルト
 縦列にガードを置いた

バスティアン
 呪いをかけた

ハインリヒ
 奥義 ママのお守り 防御力UP


🧜‍♀️ 「……!!!!」

全体の水属性の攻撃。ダメージも大きい。


「……何だっ!?!?」
「あぁっくっそ!!」
「……おや」
アルベルト・フィラット・バスティアンが呪いを掛けられてしまった。

手足が動かない。

「マジかよ……お前ら、次のターン動けないってことか?!」
ゲルトが舌打ちした。

「次まで耐えるしかありません。」

「呪いを解く何かは無いんですか?」
ハインリヒが聞いた。

「僕が動けていればね……」
バスティアンが鼻で笑った


【2ターン目】

レオポルト
 通常攻撃 8520ダメージ

ゲルト
 通常攻撃 6913ダメージ

ハインリヒ
 通常回復 全体に5240ずつ回復


🧜‍♀️「……!!!!」


水属性の攻撃をフィラットが受ける。
しかし大ダメージであった。

「くっっそ、俺ばっか狙いやがって!俺のこと好きなの?!」
フィラットがキレ散らかす

「さっさと火属性のお前を潰したいんだろ」
手足が動けないアルベルトが呟いた。

「…今回は俺が大活躍しちゃう感じ?」
「死ななければな」
「テメェふざけんなよ」
「喧嘩すんな」

アルベルトとフィラットの喧嘩をゲルトが仲裁する。


【3ターン目】

人魚のHPも何やかんやで半分まで来た。

「…これ、全員で必殺出せばいけるか?」
「いけんじゃね?……俺が潰す……」
フィラットは赤い火の拳銃を取り出した。

「……そうしよう。総出だ。」

アルベルト
 必殺 大剣突き 16345ダメージ

フィラット
 必殺 炎銃乱舞 27360ダメージ

レオポルト
 必殺 水明連放 11457ダメージ

ゲルト
 通常攻撃 7632ダメージ


🧜‍♀️「……!」

ゲルトが止めを刺した。

「まぁ…強いっちゃ強かったなぁ」

「…次からは最初から火でいこう……」
「お前、危うく戦闘不能になるとこだったぞ」
「黙れ。本気出してないだけだ。」
「はいはい。行くか。」


次々と出てくる敵は全て人魚であった。


「どの人魚も気持ち悪いな」
メンバーは口を揃えて言った。


「……んぁ?」
アルベルトが首を傾げる

「どした」
「…こっから先、マップが出来てないんだ。しかも、道が分かれてる。」

メンバーが3本の分かれ道に立たされた。


「…2人ずつで分かれるか?」
「いや、それは危険すぎる。皆で固まっていこう。」

ハインリヒはあれからずっとアルベルトの腕に抱きついていた。

アルベルトと共にマップを見ていたハインリヒがふと目線を上げると、いた。

「ひっ……!!!??」


“こっち”


あの真っ白の人魚は一番右の道にふわりと消えていった。

ハインリヒはアルベルトの腕に力一杯に️しがみついた。

「どうした?……またいたのか!?」

「……いっ…いちばん……みぎ…に…!!」

「え?……右の道に行けばいいのか?」

「……こっ……こっち……って。」

「…助けて貰えるからって人魚自身が案内してくれてんじゃん。右行く?」
フィラットが右の道を指した。

「……罠の可能性は?」
「無きにしも非ず……だな」
ゲルトは腕を組んだ。


「……ハインリヒの言う通りにしろ。」
バスティアンが言った。

「……そ、そうするか?」
「…ハインリヒだけに見えるんだ。僕はハインリヒの見た通りに、言う通りにするべきだと思う。」

「ハインリヒには……怖い思いをさせて、申し訳ないがな…」
アルベルト達はハインリヒの言う右の道へ進んだ。

すると、


ズシャアアア!!!!


「なっ……なんだ!?」

大木が、彼らが選ばなかった左と真ん中の道を塞ぐように倒れていた。

「……ぇ…ぁっ!?!?」

メンバーは言葉を失った。

「これ……もしそっち選んでたらどうなってた??」

「……閉じ込められたか…木に潰されてた」

「……はぁ…!」
この時、メンバーの心拍数は爆発的に上がっていた。

「いっ……行こう。ハインリヒ、怖いとは思うが、何か見えたり聴こえたりしたらすぐ教えてくれ。」
「はい……。」

ハインリヒはアルベルトの腕に顔を埋める。



(もうやだ……!!帰りたい……!!!)


人魚の敵は奥へ進むにつれて、強くなり増えていった。


___________



「くっそ…なんでこうかなぁ」

セーブポイントを見つけ、皆で座って休んでいた。

「…ボスが近付いている証拠でしょう」
「……ボスねぇ…もう毎回、中ボスくらいの敵ばっかな気がするけど??」
「確かにな…。」

ハインリヒは怯えるばかりの道中で疲れてしまい、アルベルトの腕に抱きついたまま、彼の肩で寝てしまった。

「毎回、皆ほぼ危篤状態でギリ勝ってる気がするな」
「あぁ、その通りだ。通常の敵でこんなに苦戦するなんてな。」
「……ボスって何なんだろう」

「やっぱ人魚じゃね?」
「…悪魔に囚われた、だよ?」
「え、そこイコールでしょ」
「え~、何かもう怖い」


「……。」
アルベルトは寝ていたハインリヒに気付き、自分の着ていた上着を着せた。



「…今日はもう宿に戻ろうか。」
「…ハインリヒちゃん疲れちゃった?」
「…俺も疲れた。明日に任せよう」
「僕もその方がいい。薬を補充したい」
「今日は宿へ戻りましょう。」

「……ん?」
「ハインリヒ。今日は宿へ戻ろう。」
アルベルトがハインリヒを優しく起こした。

「…すみません…寝てしまって……」
「…良いんだ。今日は皆も疲れたんだ。宿へ戻ることにしたよ。さ、行こう。」

メンバーはセーブポイントにあったワープの輪を潜り、宿へ戻った。


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