20 / 41
20教育
しおりを挟む
◇◇◇
いつの間にかここに来ていた。同伴してほしいという彼の指名もないのに、何を自分はやっているのだろう――――。好紀はぼんやりと、そんなことを考えていた。
謝って済む、問題ではないと言う事は分かっている。だが、どうしても謝りたかった。深夜に差し迫った時間、好紀はクミヤの部屋の前に居た。こんな時間に来るなんて非常識だし、約束の「指導」の日でもない。好紀は一枚の紙を持って立っていた。
『パーティでの失礼、申し訳ございませんでした。 コウ』
好紀は寮の部屋に帰ってから紙にクミヤに手紙を書くことにしたのである。同伴とも言えど、相手は売れっ子で手の届かない相手。
色々な言葉で飾り立てることは出来ただろうが、ただ謝ることしかできない。丁寧な字で書き上げると、そっと折り曲げた。
ドアのノックが打てず、ズボンのポケットに手をいれると何かが入っていることに気が付いた。
それは一枚のくしゃりと折れ曲がった紙だった。
「――――?」
身に覚えのない紙に、日時と時間と場所が書いてある。
それは明日、19時、ホテル名 〇〇号室と書いてあった。頭を巡らせていると、やっと思い出した。これはタイに渡されたモノだと。どういう経緯でこうなったのかはあまり覚えていないが、仕事だろうと、好紀は結論付けた。渡されたと言う事は、その場所に行けばいいということだ。
嫌な予感が脳裏によぎる。場所がホテルという事が気になったが、深く考えないことにした。
好紀はその後、勇気が出ずにその場を立ち去った。手紙は、ドアの隙間に入れて。好紀は逃げてしまった。ただ、直接渡せばよかったのに―――。
ため息を吐き、好紀は眠れない夜を過ごすことになった。
◇◇◇
次の日。19時前、指定されたホテルの〇〇号室の前で好紀は立ちすくむ。
まるで客に会うような気持ちだった。そんな事を思うのは失礼だ、と自分に言い聞かせてインターフォンを押す。服装の指定がなかったので、いつものTシャツにチノパンツという私服で来てしまったが大丈夫なのだろうか。しばらくしてからドアのノックが外されてタイが顔を見せた。
「コウくん、来てくれて嬉しいよぉ~」
「――――っ」
ぎゅっと抱きしめられ、好紀は背中に悪寒が走る。
これは先輩のフレンドリーさの証だ、そう何度も祈るように思ってみたが寒いぼは消えてくれない。そのまま肩を抱かれ、好紀は部屋に招かれた。
思ったより大きい部屋だった。そのまま先輩に押される形で部屋に通されると、そこには好紀にはまさに信じられないような景色が広がっていた。
「おお、今日の主役が登場か」
「可愛いねえ」
「身体が細くて若い。ホントに今日は無礼講なんだろうね?」
ベットの上には、好紀を獲物のように見つめる3人の見知らぬ3人の男たちがいた。好紀が驚いたのはそこではない。好紀が驚いたのは皆が皆、バスローブ姿だったことだ。その姿は好紀に『客との行為』を思い出すには十分なモノだった。異様な光景に、好紀は肩を掴んだままのタイに不安げな視線を送る。
「紹介がまだだったねえ。この人たちはコウくんに教育してくれる人たちだよ」
「え?」
教育――――。頭の中で、クミヤの顔が浮かんだ。
バスローブ姿の男たち。教育。好紀の身体を見る目つき。
それが意味するものを好紀は知っている。知っているが認めたくはない。
「あれ、昨日言ったでしょ。乱交パーティするってさぁ」
「―――――っ」
最後に囁かれた言葉に身体が反射的に逃げた。だが、それを許してくれるほどこの世界は甘くない。ぐっと握られた肩に、痛みが走った。好紀は、自分の安直な行動と思考に悔いた。
クミヤの本当に分かっていくのか、という顔が頭に浮かんだ。
俺は、本当に馬鹿だ―――。
偶然にもクミヤが逃がしてくれたものを、またのこのこと着いてって自分から受け入れてしまった。
「おっと、逃げないでね? 怖くないよ、俺がちゃんと教えてあげるから…」
タイに身体をまさぐられながら言われて身体がいやおうなしに震える。
好紀は乱交の経験はない。なぜならば好紀は大人数でのプレイにNGを出しているからだ。それを知ってか知らずか、タイはこんなセッティングをしてしまったのである。それを言おうか迷うが、言ったところで無駄だろう。好紀はナンバー15のタイに逆らえない。好紀はただの蝶、相手はナンバー持ちの上位の青の蝶だ。
好紀はいつの間にかベットの上に居て、タイによってシャツを捲りあげられていた。
「――――ぁ…うっ」
青の蝶ナンバー15の大きな手が好紀の身体を縦横無尽に貪る。
好紀によくやっていたセクハラを思い出す手つきに吐き気と、ヘソや脇腹など際どい部分を触られて反応する身体はちぐはぐだった。心と身体がちぐはぐで、自分でもどうすればいいのか分からない。ここで何か言えればいいのだろうが、ただ身体を震わせ低く呻くしかできない。
嫌がる好紀の反応と無条件に反応する身体は色香があった。淫猥な風景に客も、タイも荒い息を吐き出し興奮している。
「ヘソを触っただけでちんこが反応してエロいな、コウくん? 子供の時ヘソぐりぐりされて精通むかえちゃった系? 俺の手でビクビク震えちゃって可愛いねぇ。あとでちんこしこしこしてあげるから、もうちょっと頑張ってくれる?」
「そ、そんなこと…っぅう」
ヘソで感じるなんてそんなこと、ない。そう言おうとしたが、乳輪を微かに触られて声が震えて言葉が出てこない。
はぁ、はぁ、はぁ…。好紀と興奮した様子のタイと客の息が部屋に充満してる。
「お客様、ご覧ください。この触ってほしそうな赤く色づいた乳首。是非こりこりしてあげてくださいねぇ」
タイが乳首を指さしながら仰々しく言うと、男たちの目の色が変わった。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
と、男が乳首に爪を立て好紀は声にならない悲鳴を上げた。
「俺のものでツンツンしてあげようね」
そう言って、もう一人男が指の腹でツンツンと乳首に刺激する。好紀はさらに悲鳴をあげた。
逃げようとする好紀をもう一人の男が手で拘束する。
好紀は4人対1人という事実に打ちひしがれてしまう。こんな状況下では勝てるわけがないのである。好紀はこの状況を逃げ出せるはずもないと結論付けた。まるで格の違う相手に、戦意が喪失してしまったのである。お得意のいい言葉遊びも出てこない。
段々と荒っぽい刺激に頭が霞がかってくる。
乳首を両方好き放題され、タイに脇腹を撫でられて。身体が反応しない方がおかしいのかもしれない。身体はビクビクと震え、股間に熱が集まってくる。
テントが張って苦しい。好紀は眉を顰める。
「――――っ、あ、」
好紀が声をあげたのは、待っていた股間への刺激がやってきたからだ。触れた熱はタイのものだった。彼は心底楽しそうにしながら、口角をあげている。
「あーぁ、こんなにテント張らせちゃって。しこしこしてあげるからねぇ」
チノパンをずらし、パンツまでずらされ、好紀の自身が出てくる。先走りがでており、今にも爆発しそうに硬くなっていた。
「あ。ぁ。ぁ。あぁ…っ」
乳首の刺激と、言葉通りに上下に性器を動かされ好紀はあられもなく声を上げた。恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。気持ちいい。気持ちいい。気持ち悪い、気持ち悪い――――。相対する言葉が頭にループする。誰か助けてくれ、と叫べたら楽だろう。
だが今叫んだところで誰も助けてくれない。助けに来てくれるわけがないのだ。
――――性的な事が昔から大嫌いだった。
白いのを吐き出すと、あの怪物と同じようなものになってしまう気がして。
「イく? あ~。イきそう?イっちゃいそうだね?」
興奮気味に問われ、好紀は無我夢中で首を横に振る。嫌だ。こんな状態で達したら自分はあの怪物と一緒になってしまう。
「もう、頑なだなぁ。かーわいっ。イけ、イけ、イっちゃえっ」
上下に擦られるスピードが上がっていく。興奮したタイの声が誰かの声と似ている気がして。
「イケ!」
「――――っ」
頭が真っ白に染まる。
「あー、出てる出てる、ビュルビュル、コウくんの白い精子出てる! あ~!! もったいねぇ~!」
「~~~~~~イ、ぃいっ」
ぴゅるっ、ぴゅるるっ―――。飛び散った精子が好紀の腹を汚した。
好紀の精がタイの手を汚す。出すたびに快楽の波がやってくる。あ~、もったいねぇ~!と叫びながらタイは好紀の精子をペロペロと舐めとる。
「可愛い、うま…うまい…コウくん味のミルクうまいわ…」
そう言ってじゅるじゅると好紀の精子を舐めとり嚥下するタイにゾッとする。好かれていると思ってはいたが、まさかここまでされるとは思っていなかった。爽やかな見た目とやっていることのギャップに叫びそうになる。これは早く逃げたほうがいいのかもしれない。そう頭の中で警告が鳴り響いていた―――。
いつの間にかここに来ていた。同伴してほしいという彼の指名もないのに、何を自分はやっているのだろう――――。好紀はぼんやりと、そんなことを考えていた。
謝って済む、問題ではないと言う事は分かっている。だが、どうしても謝りたかった。深夜に差し迫った時間、好紀はクミヤの部屋の前に居た。こんな時間に来るなんて非常識だし、約束の「指導」の日でもない。好紀は一枚の紙を持って立っていた。
『パーティでの失礼、申し訳ございませんでした。 コウ』
好紀は寮の部屋に帰ってから紙にクミヤに手紙を書くことにしたのである。同伴とも言えど、相手は売れっ子で手の届かない相手。
色々な言葉で飾り立てることは出来ただろうが、ただ謝ることしかできない。丁寧な字で書き上げると、そっと折り曲げた。
ドアのノックが打てず、ズボンのポケットに手をいれると何かが入っていることに気が付いた。
それは一枚のくしゃりと折れ曲がった紙だった。
「――――?」
身に覚えのない紙に、日時と時間と場所が書いてある。
それは明日、19時、ホテル名 〇〇号室と書いてあった。頭を巡らせていると、やっと思い出した。これはタイに渡されたモノだと。どういう経緯でこうなったのかはあまり覚えていないが、仕事だろうと、好紀は結論付けた。渡されたと言う事は、その場所に行けばいいということだ。
嫌な予感が脳裏によぎる。場所がホテルという事が気になったが、深く考えないことにした。
好紀はその後、勇気が出ずにその場を立ち去った。手紙は、ドアの隙間に入れて。好紀は逃げてしまった。ただ、直接渡せばよかったのに―――。
ため息を吐き、好紀は眠れない夜を過ごすことになった。
◇◇◇
次の日。19時前、指定されたホテルの〇〇号室の前で好紀は立ちすくむ。
まるで客に会うような気持ちだった。そんな事を思うのは失礼だ、と自分に言い聞かせてインターフォンを押す。服装の指定がなかったので、いつものTシャツにチノパンツという私服で来てしまったが大丈夫なのだろうか。しばらくしてからドアのノックが外されてタイが顔を見せた。
「コウくん、来てくれて嬉しいよぉ~」
「――――っ」
ぎゅっと抱きしめられ、好紀は背中に悪寒が走る。
これは先輩のフレンドリーさの証だ、そう何度も祈るように思ってみたが寒いぼは消えてくれない。そのまま肩を抱かれ、好紀は部屋に招かれた。
思ったより大きい部屋だった。そのまま先輩に押される形で部屋に通されると、そこには好紀にはまさに信じられないような景色が広がっていた。
「おお、今日の主役が登場か」
「可愛いねえ」
「身体が細くて若い。ホントに今日は無礼講なんだろうね?」
ベットの上には、好紀を獲物のように見つめる3人の見知らぬ3人の男たちがいた。好紀が驚いたのはそこではない。好紀が驚いたのは皆が皆、バスローブ姿だったことだ。その姿は好紀に『客との行為』を思い出すには十分なモノだった。異様な光景に、好紀は肩を掴んだままのタイに不安げな視線を送る。
「紹介がまだだったねえ。この人たちはコウくんに教育してくれる人たちだよ」
「え?」
教育――――。頭の中で、クミヤの顔が浮かんだ。
バスローブ姿の男たち。教育。好紀の身体を見る目つき。
それが意味するものを好紀は知っている。知っているが認めたくはない。
「あれ、昨日言ったでしょ。乱交パーティするってさぁ」
「―――――っ」
最後に囁かれた言葉に身体が反射的に逃げた。だが、それを許してくれるほどこの世界は甘くない。ぐっと握られた肩に、痛みが走った。好紀は、自分の安直な行動と思考に悔いた。
クミヤの本当に分かっていくのか、という顔が頭に浮かんだ。
俺は、本当に馬鹿だ―――。
偶然にもクミヤが逃がしてくれたものを、またのこのこと着いてって自分から受け入れてしまった。
「おっと、逃げないでね? 怖くないよ、俺がちゃんと教えてあげるから…」
タイに身体をまさぐられながら言われて身体がいやおうなしに震える。
好紀は乱交の経験はない。なぜならば好紀は大人数でのプレイにNGを出しているからだ。それを知ってか知らずか、タイはこんなセッティングをしてしまったのである。それを言おうか迷うが、言ったところで無駄だろう。好紀はナンバー15のタイに逆らえない。好紀はただの蝶、相手はナンバー持ちの上位の青の蝶だ。
好紀はいつの間にかベットの上に居て、タイによってシャツを捲りあげられていた。
「――――ぁ…うっ」
青の蝶ナンバー15の大きな手が好紀の身体を縦横無尽に貪る。
好紀によくやっていたセクハラを思い出す手つきに吐き気と、ヘソや脇腹など際どい部分を触られて反応する身体はちぐはぐだった。心と身体がちぐはぐで、自分でもどうすればいいのか分からない。ここで何か言えればいいのだろうが、ただ身体を震わせ低く呻くしかできない。
嫌がる好紀の反応と無条件に反応する身体は色香があった。淫猥な風景に客も、タイも荒い息を吐き出し興奮している。
「ヘソを触っただけでちんこが反応してエロいな、コウくん? 子供の時ヘソぐりぐりされて精通むかえちゃった系? 俺の手でビクビク震えちゃって可愛いねぇ。あとでちんこしこしこしてあげるから、もうちょっと頑張ってくれる?」
「そ、そんなこと…っぅう」
ヘソで感じるなんてそんなこと、ない。そう言おうとしたが、乳輪を微かに触られて声が震えて言葉が出てこない。
はぁ、はぁ、はぁ…。好紀と興奮した様子のタイと客の息が部屋に充満してる。
「お客様、ご覧ください。この触ってほしそうな赤く色づいた乳首。是非こりこりしてあげてくださいねぇ」
タイが乳首を指さしながら仰々しく言うと、男たちの目の色が変わった。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
と、男が乳首に爪を立て好紀は声にならない悲鳴を上げた。
「俺のものでツンツンしてあげようね」
そう言って、もう一人男が指の腹でツンツンと乳首に刺激する。好紀はさらに悲鳴をあげた。
逃げようとする好紀をもう一人の男が手で拘束する。
好紀は4人対1人という事実に打ちひしがれてしまう。こんな状況下では勝てるわけがないのである。好紀はこの状況を逃げ出せるはずもないと結論付けた。まるで格の違う相手に、戦意が喪失してしまったのである。お得意のいい言葉遊びも出てこない。
段々と荒っぽい刺激に頭が霞がかってくる。
乳首を両方好き放題され、タイに脇腹を撫でられて。身体が反応しない方がおかしいのかもしれない。身体はビクビクと震え、股間に熱が集まってくる。
テントが張って苦しい。好紀は眉を顰める。
「――――っ、あ、」
好紀が声をあげたのは、待っていた股間への刺激がやってきたからだ。触れた熱はタイのものだった。彼は心底楽しそうにしながら、口角をあげている。
「あーぁ、こんなにテント張らせちゃって。しこしこしてあげるからねぇ」
チノパンをずらし、パンツまでずらされ、好紀の自身が出てくる。先走りがでており、今にも爆発しそうに硬くなっていた。
「あ。ぁ。ぁ。あぁ…っ」
乳首の刺激と、言葉通りに上下に性器を動かされ好紀はあられもなく声を上げた。恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。気持ちいい。気持ちいい。気持ち悪い、気持ち悪い――――。相対する言葉が頭にループする。誰か助けてくれ、と叫べたら楽だろう。
だが今叫んだところで誰も助けてくれない。助けに来てくれるわけがないのだ。
――――性的な事が昔から大嫌いだった。
白いのを吐き出すと、あの怪物と同じようなものになってしまう気がして。
「イく? あ~。イきそう?イっちゃいそうだね?」
興奮気味に問われ、好紀は無我夢中で首を横に振る。嫌だ。こんな状態で達したら自分はあの怪物と一緒になってしまう。
「もう、頑なだなぁ。かーわいっ。イけ、イけ、イっちゃえっ」
上下に擦られるスピードが上がっていく。興奮したタイの声が誰かの声と似ている気がして。
「イケ!」
「――――っ」
頭が真っ白に染まる。
「あー、出てる出てる、ビュルビュル、コウくんの白い精子出てる! あ~!! もったいねぇ~!」
「~~~~~~イ、ぃいっ」
ぴゅるっ、ぴゅるるっ―――。飛び散った精子が好紀の腹を汚した。
好紀の精がタイの手を汚す。出すたびに快楽の波がやってくる。あ~、もったいねぇ~!と叫びながらタイは好紀の精子をペロペロと舐めとる。
「可愛い、うま…うまい…コウくん味のミルクうまいわ…」
そう言ってじゅるじゅると好紀の精子を舐めとり嚥下するタイにゾッとする。好かれていると思ってはいたが、まさかここまでされるとは思っていなかった。爽やかな見た目とやっていることのギャップに叫びそうになる。これは早く逃げたほうがいいのかもしれない。そう頭の中で警告が鳴り響いていた―――。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
48
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる