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一章 幼少期編
神様、チートが違います
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転生する前、私は確かに神にこう言った筈だ…虐められない程度に地味に平凡に生きたいと。なのに何故、銀髪碧眼美少女なんかになったんだ?あのインチキ臭い人魂ってほんとは神とか嘘なんじゃ…
「口開けてね~」
「あ~…」
「う~ん、見るところ異常はないみたいだね…」
いや、異常ありまくりです!
逃走した事により診察する羽目になった目の前の医者に心の中で八つ当たりをする。
「そうですか、良かったぁ…!」
「急に飛び出して行ったから何か異常があるのかと…はぁ」
「ははっ!大丈夫ですよ!何処も異常は見られませんし、それでも心配なら念の為頭だけレントゲンを撮ってみましょう」
「はい!お願いします!」
おいおい、頭じゃなくて体全部異常なんですけど…
勝手に話を進められ一人取り残された状況に呆然としたままレントゲン室へと連れていかれた。
「じゃあ、桃ちゃんこの台でじっとしててね~」
幼児の手足じゃ頭以上にある台には届かず、看護師さんの手によって軽々と台の上に乗せられた。
幼児体型って不便だなぁ…
「桃ちゃん、そのままじっとしててね~!怖かったら目閉じてていいから~!」
別に怖くはないが、このまま瞼を閉じたら目の前の現実から逃げることが出来るだろうか…
何故か要望と違う美少女という現実に今すぐにでも転生をやり直したいと心底思った。てか、転生の前にあの神とか名乗る人魂ぶん殴りたい…!
「は~い!桃ちゃん、もう動いて大丈夫だよ~」
終わったか…
怖がることもなく平然と起き上がると驚いた顔で看護師さんが駆け寄って来た。
「桃ちゃん、偉いね!普通の子なら怖がって泣いてるわ」
まぁ、中身十八歳ですから
「偉い偉い!」
看護師さんに頭を撫でられながら抱き上げられレントゲン室を出ると待ち構えていたかのように両親が待っていた。
「桃ちゃん、怖くなかった?」
「泣いてないみたいで安心したぞ」
看護師さんに降ろされ両手を広げる二人を目にし真っ直ぐに母である黒髪の女性の元に向かった。
「ふふっ…桃ちゃんは、お母さんの方がいいみたいね」
「なっ!?桃はお父さんの方がいいよな!?」
選ばれなかった父の手が伸ばされたがその手を無視し拒否る。
「そんなぁ…」
父には悪いが前世の影響で今の私はイケメンが尽く大っ嫌いなのだ。いくら父であっても転生したばかりの私からしたら他人に過ぎないのである。
「ふふっ…お母さんも桃ちゃんだ~い好きよ!」
ギュムッ!
うっ…苦しい…
予想通りだが、母からの胸押しに息が止まる。
母よ、抱き締めるのはいいがそのふくよかな胸で窒息させないでくれ…
母の抱擁に必死に耐えながらイケメンの父よりマシだと思うのだった。
*
「桃ちゃん、着いたわよ?」
母から背中を叩かれ膝枕から起き上がると車の窓から真っ白の巨大な建物が見えた。
「退院早くて良かったな」
「ほんとね~」
運転席から聞こえる父の声を無視しながら窓から見える建物を凝視する。
もしかしてあれが家とか言わないよね…?
見るからに金持ちが住むような巨大な建物に顔が引き攣っていく。
「桃ちゃん、降りましょうね~」
車が止まり渋々母から抱き上げられる。
う~ん、まさかのプール付きなんて…
車から出た瞬間、周りに見える巨大なプールに益々不安が募る。
「やっぱり我が家が一番だな!」
あはは…やっぱりか
不安は車から降りた父により見事に的中し引き攣り笑いを浮かべた。
神様、何度も言うがこのチートは違います…
要望と真逆のチートに神に恨みを通り越して呆れた。
「口開けてね~」
「あ~…」
「う~ん、見るところ異常はないみたいだね…」
いや、異常ありまくりです!
逃走した事により診察する羽目になった目の前の医者に心の中で八つ当たりをする。
「そうですか、良かったぁ…!」
「急に飛び出して行ったから何か異常があるのかと…はぁ」
「ははっ!大丈夫ですよ!何処も異常は見られませんし、それでも心配なら念の為頭だけレントゲンを撮ってみましょう」
「はい!お願いします!」
おいおい、頭じゃなくて体全部異常なんですけど…
勝手に話を進められ一人取り残された状況に呆然としたままレントゲン室へと連れていかれた。
「じゃあ、桃ちゃんこの台でじっとしててね~」
幼児の手足じゃ頭以上にある台には届かず、看護師さんの手によって軽々と台の上に乗せられた。
幼児体型って不便だなぁ…
「桃ちゃん、そのままじっとしててね~!怖かったら目閉じてていいから~!」
別に怖くはないが、このまま瞼を閉じたら目の前の現実から逃げることが出来るだろうか…
何故か要望と違う美少女という現実に今すぐにでも転生をやり直したいと心底思った。てか、転生の前にあの神とか名乗る人魂ぶん殴りたい…!
「は~い!桃ちゃん、もう動いて大丈夫だよ~」
終わったか…
怖がることもなく平然と起き上がると驚いた顔で看護師さんが駆け寄って来た。
「桃ちゃん、偉いね!普通の子なら怖がって泣いてるわ」
まぁ、中身十八歳ですから
「偉い偉い!」
看護師さんに頭を撫でられながら抱き上げられレントゲン室を出ると待ち構えていたかのように両親が待っていた。
「桃ちゃん、怖くなかった?」
「泣いてないみたいで安心したぞ」
看護師さんに降ろされ両手を広げる二人を目にし真っ直ぐに母である黒髪の女性の元に向かった。
「ふふっ…桃ちゃんは、お母さんの方がいいみたいね」
「なっ!?桃はお父さんの方がいいよな!?」
選ばれなかった父の手が伸ばされたがその手を無視し拒否る。
「そんなぁ…」
父には悪いが前世の影響で今の私はイケメンが尽く大っ嫌いなのだ。いくら父であっても転生したばかりの私からしたら他人に過ぎないのである。
「ふふっ…お母さんも桃ちゃんだ~い好きよ!」
ギュムッ!
うっ…苦しい…
予想通りだが、母からの胸押しに息が止まる。
母よ、抱き締めるのはいいがそのふくよかな胸で窒息させないでくれ…
母の抱擁に必死に耐えながらイケメンの父よりマシだと思うのだった。
*
「桃ちゃん、着いたわよ?」
母から背中を叩かれ膝枕から起き上がると車の窓から真っ白の巨大な建物が見えた。
「退院早くて良かったな」
「ほんとね~」
運転席から聞こえる父の声を無視しながら窓から見える建物を凝視する。
もしかしてあれが家とか言わないよね…?
見るからに金持ちが住むような巨大な建物に顔が引き攣っていく。
「桃ちゃん、降りましょうね~」
車が止まり渋々母から抱き上げられる。
う~ん、まさかのプール付きなんて…
車から出た瞬間、周りに見える巨大なプールに益々不安が募る。
「やっぱり我が家が一番だな!」
あはは…やっぱりか
不安は車から降りた父により見事に的中し引き攣り笑いを浮かべた。
神様、何度も言うがこのチートは違います…
要望と真逆のチートに神に恨みを通り越して呆れた。
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