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第30話 茨城国運営

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常陸から茨城と名前を改めていた領地は、全体の街道を整備し南北をつなげた。
海沿いに作った街道を陸前浜街道と呼び、この道より海沿いの低地には家を建てるのを禁止した。

さらに、高台に見張り台を建ていつくるかわからない津浪に備えたのだ。
見張りは、窃盗軽犯罪を行ったものの仕事にし給金も出した。
軽犯罪者には仕事を与える政策をとると再犯は減ったのは言うまでもないだろう。
仕事がないから、犯罪に走ってしまったような者には、仕事を与えるのが良いと考えた龍之介であった。

領民は津浪対策を不満に思った。

「領主様の命令は不便だの~」

しかし、龍之介が領民に、しかも、正二位左大臣関東管領職と言う身分の高い領主が、直接説明をしたのであった。

「津波からの被害から守るためだ、我が陰陽道よりの考えだがわかってくれぬか?」

農民・漁民は、

「領主様自らのお言葉では歯向かう訳には」

「しかも、噂の左大臣領主様の陰陽力であっては」

「しかし、港まで行くのに不便がどうにかなりませんか?」

そう言った不満の声に龍之介は、

「そこは、馬車で行き来出来るようにする」

農民・漁民

「馬車?」

「馬車とは、どの様な物なのですか?」

龍之介は、馬車を説明する。

「牛車を荷車を馬が引くものと思ってくれ、これに荷を積めば不便は少なかろう」

龍之介は、西洋から馬車を取り寄せ、国内生産を開始していた。
これを活用するための街道整備であったのだ。

龍之介正圀は311東日本大震災の経験・記憶があり、いかに被害を無くすかを考えたのであった。
茨城にはそれよりも前にもチリ地震津波で被害を受けている。
度々津波が押し寄せていたのだ。
これは、歴史的文献記述にも地質調査してもわかる事実。
この津波からの被害を減らすのは茨城の治世、当地には必須。

馬車は、公営で走らせて運賃を取らず荷を運んだ。
これにより領民の不満は押さえられた。

そんなおり日本の反対側で起きた地震から発生した津浪が日本に押し寄せたのだった。

高台の見張りからは津波を知らせる鐘が鳴り響く。

「カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!」

海沿いにいた領民は高台に避難した。
港には被害があったが、領民の人的被害はなく、

「領主様の陰陽力は恐ろしく当たる、言うことを聞いていて良かった」

との、声が出たのであった。

領主、龍之介正圀は領民との交流を続けた。

領内での目標に「領民皆一日三食食べられるような国作り」
簡単でわかりやすい目標は受け入れられ、領民はよく働いたのであった。

さらに新築の家には、耐震構造を強制したのである。
X字柱を組み込む耐震工法を基本とした。
茨城国の防災化を進めたのであった。
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