タブー的幻想録

ももいろ珊瑚

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第九章 肉欲と呼ぶもの

レールにすげた滑車

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『文中には性描写も使用しており、R18指定とさせて頂いております。18歳未満の方、好まれない方の閲覧は御遠慮くださる様お願い致します。』






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 マユミがスリッパをパタパタいわせベッドルームに入って来た。
 ローブを羽織り髪をふきあげているその顔は、案外幼い顔立ちをしている。 女は何故ああもベタベタと塗りたくり、わざわざ化け物へと変貌するのか、と僕はいつも疑問に思う。

「待たせちゃった。とおるまた入るでしょ?」

 (また呼び捨てか)

逆上のぼせてしまったから、もういい。そこに寝てよ」
「うふふ♪焦れちゃってるの~?ねえ、もう少しお話してからにしない?」


 そう言ってモジモジしているマユミの腕をとり、ベッドに引き倒す。 ベッドが軋み、倒された拍子にローブの裾はめくれ、下着を着けていない腰骨と太股をあらわにした。
 ベッドの脇から離れ、僕はソファーに腰を下ろし脚を組んだ。 そしてリモコンでテレビのボリュームを上げ、画面から流れて洩れる女の喘ぎ声を大きくする。


「ねえ自分でやってるとこ見せてくれない?」

 僕の注文に、枕に頭を乗っけ投げ出された体勢を直していたマユミが驚き、こっちを見た。

「そんなこと……出来ないよ。どうしてそんなことさせるの?」
「それが無くちゃ俺、勃たないんだ。頼むわ」
「ならマユミしたげる」
「何を?」
「何をって触るとか……お口で……」
「そんなの無駄。やって見せて。早くしてみて!」

 起き上がろうとするのを、乾いた声で制し自慰を強制する。

 (さあ怒れ『馬鹿にするな』って言え)

「……うん…わかった。人前でなんてしたくないけど。とおるが見たいんなら頑張ってする」

 (ええっ!頑張らなくていい!早く怒れって)

「じゃあやって!さあ、こっちからよく見えるように股を開けて。オイ目を瞑っちゃ駄目だろ?俺を見たままでしろよ!」

 苛々して言葉を荒げてしまう。
 僕に言われた通りにこちらに向け直した脚を開き、そこへ怖ず怖ずと手を持ってきて自分の物を触りだした。

「するの見ててね」

 そう言った声は泣き出しそうだ。

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