華鬘草

9年に一度、天界から女神が地上へ降りてくる。
その女神は、優しい世界にするために願う。

その女神の願いは―――必ず叶う。

そんな言い伝えが伝わる星、金星。
ある日、街の近くにある森へ探検に出かけた少年、ウリア。
少年はその森で、大きな袋を引きずりながら歩いている白い少女に出会う。

ウリアがその不思議な少女と他愛無い話をしていると、
森に棲んでいた狼が木陰から飛び出し、ウリアを喰い殺してしまう。
白い少女は、目の前に転がる静かな心臓を手に、願った。

―――どうか、誰も大切な人を失うことがありませんように―――。

少女には知る由もなかった。
その優しい願いによって、世界が壊れてしまうことを―――。
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