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第三章 え?本当?迷惑少女は突然に?

ハチジュウサン

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部屋が白くなるほどの眩しい光と部屋が揺れ窓ガラスが震えて割れるほどの轟音にフリーズ……はしませんでした。
猫のびっくり尻尾がちょっと可愛いなんて和んでなんかいませんよ?いませんたら!

「「「フーーーーーーーッ、シャーーーッ!」」」

猫たちが尻尾をボンにしたまま、俺たちを守るように前にでて、一生懸命に窓に向かって……光に向かってかな?……背中の毛を逆立て威嚇している。

「なんだ?何が?」

兄の言葉に姉も自分を取り戻し、いち早くセバスが動く。

「すぐに確認なさい!」
「「承知。」」

セバスが支持を飛ばすと、ルイくん以外の従者がヒュンッて消えた。
あれ?
やっぱり『忍者』じゃね?

なぜ、俺が落ち着いてるか?
んー、見たことあるシーンなんだもん。
で、もう、俺たちには関係ない……よね?
って。
あれは……たぶん?

魔力の暴走。
それもだ。
たぶん、『ヒロイン』の神聖魔法の。
『そう、ついに目覚めたのだ。秘めたる力が……聖なる巫女に。
これから彼女に待ち受けるのは、生か死か……それとも愛か……。
それは、誰にもわからないのだった……………………。』
チャラーン、チャラララーン。

と……プロローグならこんな感じですかね?

しっかし、実際に現実化リアルだと派手だね!
まあ、できたら関わらずにいたいな。
……ただね?
記憶らしきものをヒロインが思い出すのも早いけど……って早すぎない?
15歳までまだあるよね?
それとも俺みたいにただ、年が幼く見える?
いやいや、姉と同じ年じゃなきゃ、話がまったくもって変わってくるじゃあないか。
そもそも、学園に入ってないし!

え?一体どーゆーこと?

嫌だけど。
あれが主人公ヒロインだよね?
嫌だけど。
あれが巫女ヒロインだよね?
嫌だけど!

……あ、詰んだわ。
あれじゃあ、魔王が現れたら勝てない!
うん。

決めた!

マジで戦いが始まったら、全員で領地に戻り……レオンだけ追い出して、もちろん、マッケンくん一家も連れてきて。
宰相様もこの際だ!
つまり、攻略キャラは兄だけ。
で、領地にみんなで引きこもり、サクチュアリーシルドを展開!
ズバッと魔王にやっちゃってもらいましょう。
うん、それがいーかも。

んーーー?
あれ?コレって、あの迷惑少女ヒロインの魔力じゃない?
それに……清浄な力にはまったく 感じない?

「なんなの?この禍々しい魔力はっ!カレイド、リオーラ、ハル!大丈夫?」

母と伯母様が慌てて入ってきました。
うん、嫌な感じの魔力だよね?
すごーく気持ち悪く感じるよ!
本当に……。
意識したら、気持ちが……。

「…く。きも……ち。」

悪い……って、すべて言えずにブラックアウトした。

「ハルーーっ!」

兄の絶叫だけが耳にこだました。


―――――――――――




『やばいわ、やばいわ!』
――勝手なことをするからっ!
『だって、だって!』
――勝手なことをするから……。
『私が見えたのよ?』
――勝手な……。
『……ごめんなさい。』
――勝手……。
『…ねえ、起きてる?聞いてる?』
――……はっ!なんだったか?
『だからっ!』
――しかし、勝手に変わるのは仕方がないだろう?
『そうなんだけど……彼にだけは、私、責任が……。』
――そう、君の責任。
『だって。』
――君が、見えない(かもしれない)姿で、勝手に『地球』に遊びに行って。見えなくてもちゃんとルールを守っていたら、あんなことは起こらなかったんじゃ、ないかな?
『それは……。』
――起きちまったことはしかたないってー、もうさあ?丸投げで良くない?
『よくない!ってばあ!』
――じゃあ、どうすんのさあ。
『ねえ、メズ、ゴズ……どうしたらいいと思う?』
――さあ?
――さあねえ?
==もーなるようになるんじゃない?
『って声揃えないでよ!』
――仕方ないなあ。じゃ、俺からあの子にコレをあげるよ。
――仕方ないねえ、じゃ、オイラからはコレをやるさ。
『……ねえ?あんたたち、面白がってない?』
――ピュー。
――www

『もう、いいわ。……ということで頑張って!ごめんなさーい(土下座)。』



―――――――――――


はっ!
知らn……知ってる天井だ!
って、何回も気絶パターン、ワンパターンじゃないの?

「ああ、よかった。ハル大丈夫か?」
「兄様。僕は?」
「外が何かの魔力的なもので光ったのは覚えてる?」
「はい。あれは……?」

あの気持ち悪さっ、まさかとは思うが主人公ヒロインじゃないよね?
だって、ヒロインなら終わりじゃない?
あれは、聖なる力じゃなかったよ?

「うん。よくわからないんだ。」
「はい?」
「セバスがすぐに調べさせたし、国でも必死に調べているが……が見つからないんだ。」
「え?」
「もしかしたら、力の暴走で消滅したのでは?と。」
「そうな……の?」

本当に?
あんな巨大な魔力が?
そんなものを持ったものが?
消滅?
本当にそうならいいけど。

……ありえなくない?

それに……神聖な力じゃないなら……何の?誰の魔力なの?



この魔力暴走事件で死者は五十人出たそうな。
……しかし、暴走した者は特定できなかったらしい。

そんな事件、あったのでしょうか?ねえ?
このゲームに。






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