偽りの聖女と呪われた騎士団長 ~追放された落ちこぼれの私、実は伝説級の浄化能力で無自覚に最強騎士団を救っちゃいました~

聖女である完璧な妹・リリアナと比較され、「出来損ない」の烙印を押された伯爵令嬢のエリアナ。

彼女は家族からも婚約者である王子からも見放され、国の北の果て、瘴気に呪われた「黒狼騎士団」へ厄介払い同然に追放されてしまう。

そこを率いるのは、「死神」と恐れられる呪われた騎士団長アレス・フォン・シュヴァルツ。

絶望的な状況の中、エリアナは趣味の料理や掃除で、ささやかな日常を取り戻そうとする。
しかし、彼女自身も知らない、特別な力が宿っていた。

彼女が心を込めて作った温かいスープは、騎士たちの頑なな心を溶かし、長年の呪いによる体の痛みを和らげる。
彼女が磨いた窓から差し込む光は、砦に澱む濃密な瘴気を、まるで夜明けの霧のように祓っていく。

そう、彼女こそが、国を救う真の力を持つ【伝説級の浄化能力者】だったのだ。

無愛想で冷徹だったはずのアレスは、エリアナがもたらす奇跡と、その無自覚な優しさに触れ、徐々に心を解かしていく。
やがてその想いは、手放すことのできない執着と独占欲を伴う、激しい愛情へと変わっていった。

一方、エリアナを追放した王都では、偽りの聖女の力が陰りを見せ、国が滅亡の危機に瀕していた。

「今さら私に戻ってこいなんて、もう遅いです! 私の居場所は、世界で一番、私を愛してくれる人の隣ですから」
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