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2話
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私は自分の屋敷に帰ってからは希望が断たれたような生活をしてしまっていた。お父様は子爵に上がれるという喜びをそっちのけで私を気遣ってくれたけれど。
その気遣いが逆に重荷にもなっていた。私は伯爵家との縁談を破棄してしまった女……オムニ様に捨てられた女というレッテルが付いて回るのだ。それは周囲にも影を落とすことになるだろうか。
「私は今後、良い縁談の話が来ないかもしれないわね……」
「そんなことはないぞ、フィリアよ! お前の器量であるならば、必ず良い縁談も再び来るはずだ!」
「お父様……ありがとうございます」
良い縁談……言葉で言えば簡単だけれど、オムニ様との縁談は決して良い縁談だったわけではないのだ。結婚をする前に彼の本性が知れて良かったと言えるのかもしれない。次の縁談があるとして、またオムニ様のような人に拾われないことを祈るしかないわね。
「オムニ様は貴族として最低の人間だったわけだ。フィリアよ、あんな人間のことは忘れて新たな縁談に備えようではないか!」
「縁談に備えるのですか? しかし、そんなに簡単には……」
「こういうのは形からと昔から決まっているだろう? まずは近く行われるパーティーに出席するというのが定石だと思うがどうだろうか?」
「パーティーにですか……なるほど……」
パーティーへの出席は良いかもしれない。それが縁談に直結するわけではないだろうけれど、気分転換にはなるかもしれないし。
「そうですね、お父様。確かにパーティー出席は良いかもしれません。検討させていただきます」
「うむうむ、そうであろう! 早速、近く開かれるパーティーの日程を調べてくるとしようか」
お父様は上機嫌になり、その場を後にした。正直な話、そこまで興味があるわけではないのだけれど、お父様が元気になってくれたことは素直に嬉しいかもしれないわね。そういう意味ではこの話が出来て良かったと言える。
「それにしてもパーティーか……オムニ様とは婚約破棄したのよね……」
通常ならこういう話はオムニ様とするのが普通だろう。妻として夫としてどのパーティーに参加するのかは、貴族として位を誇示する狙いも含まれているのだから。オムニ様はもう隣にはいないけれどね。そうなると婚約破棄という事実がのしかかってくるのだった。私はこのパーティーで恥をかかないだろうか、と。
しかし、私の心配は杞憂に終わることになる。なぜならば、さらに大きな「出会い」が待っていたのだから……。
その気遣いが逆に重荷にもなっていた。私は伯爵家との縁談を破棄してしまった女……オムニ様に捨てられた女というレッテルが付いて回るのだ。それは周囲にも影を落とすことになるだろうか。
「私は今後、良い縁談の話が来ないかもしれないわね……」
「そんなことはないぞ、フィリアよ! お前の器量であるならば、必ず良い縁談も再び来るはずだ!」
「お父様……ありがとうございます」
良い縁談……言葉で言えば簡単だけれど、オムニ様との縁談は決して良い縁談だったわけではないのだ。結婚をする前に彼の本性が知れて良かったと言えるのかもしれない。次の縁談があるとして、またオムニ様のような人に拾われないことを祈るしかないわね。
「オムニ様は貴族として最低の人間だったわけだ。フィリアよ、あんな人間のことは忘れて新たな縁談に備えようではないか!」
「縁談に備えるのですか? しかし、そんなに簡単には……」
「こういうのは形からと昔から決まっているだろう? まずは近く行われるパーティーに出席するというのが定石だと思うがどうだろうか?」
「パーティーにですか……なるほど……」
パーティーへの出席は良いかもしれない。それが縁談に直結するわけではないだろうけれど、気分転換にはなるかもしれないし。
「そうですね、お父様。確かにパーティー出席は良いかもしれません。検討させていただきます」
「うむうむ、そうであろう! 早速、近く開かれるパーティーの日程を調べてくるとしようか」
お父様は上機嫌になり、その場を後にした。正直な話、そこまで興味があるわけではないのだけれど、お父様が元気になってくれたことは素直に嬉しいかもしれないわね。そういう意味ではこの話が出来て良かったと言える。
「それにしてもパーティーか……オムニ様とは婚約破棄したのよね……」
通常ならこういう話はオムニ様とするのが普通だろう。妻として夫としてどのパーティーに参加するのかは、貴族として位を誇示する狙いも含まれているのだから。オムニ様はもう隣にはいないけれどね。そうなると婚約破棄という事実がのしかかってくるのだった。私はこのパーティーで恥をかかないだろうか、と。
しかし、私の心配は杞憂に終わることになる。なぜならば、さらに大きな「出会い」が待っていたのだから……。
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