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7話 パーティー その1
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メンフィス・パナマ伯爵の誕生パーティーへの出席。急遽、決まったことだけれど、私とリクイドの二人が出席することになった。お父様は留守番ということになる。
「レナ、無理はしないようにな」
「はい、お父様。無理はしない程度で頑張りたいと思います」
「うむ。リクイド様、レナをよろしくお願い致します」
「わかりました。任せておいてください」
パーティー会場の入り口付近でお父様と別れた。私とリクイドは向き直る。目指すはパナマ伯爵のパーティー会場だ。緊張するわね……変な噂が流れているだけに余計に。
「レナ、本日の目的は忘れてないよね? 大丈夫かい?」
「大丈夫よ、リクイド。私達の関係性……とは違うと思うけど、インパクトを残すのよね。前の噂が霞むくらいの」
「そういうことだよ」
これは、あれから考えた私とリクイドの案だった。今は私の性格が最悪でハグリズから別れを告げられたと言われているけれど、それを失くす必要がある。単純に噂を消すことは難しいのでそれ以上のインパクトを与えようというわけだ。それにはつまり……。
「わ、私達の仲をただならぬものに思わせるのよね?」
「そういうことだ。噂は噂のままでいい。肯定する必要もないけど、謎めいている雰囲気の方が貴族は気になるものだからね。勝手に深読みしてくれるということさ」
「それは留学で得た知識なのかしら?」
「まあ、そうとも言うかな」
リクイドははぐらかしたように舌を出していた。本当のところは分からないけれど、少しチャラくなっているような気がする。女性経験でもできたのかもしれないわね。
「よし、レナ。そろそろ入ろうか」
「ええ、わかったわ」
リクイドと一緒に入っていく。パーティー会場へ。
----------------------
「けっこう、人が多いわね」
「パナマ伯爵は有名な貴族だからな。呼ばれる人も多いんだろう」
「ちょっと、あれって……」
「本当だわ」
入って来ていきなり私の顔を見られた。男爵令嬢なんてそんなに有名なはずはないけれど……ハグリズの噂は想像以上に浸透しているようだった。
「となりにいるのは誰かしら?」
「リクイド・ブラムス様だよ。最近、侯爵令息になられた」
「え~そんな人と一緒に……?」
いきなり予期していたことが起こった。リクイドと一緒にいる私が噂され始めているのだ。リクイドは最近、子爵から侯爵に上がった家系出身。その人の隣にいるというのはそれだけでインパクトを与える。
「リクイド殿、ようこそいらっしゃいました」
「パナマ伯爵。ご無沙汰しております」
それからすぐにパナマ伯爵が話し掛けて来た。これもまた予想通りだ。
「レナ、無理はしないようにな」
「はい、お父様。無理はしない程度で頑張りたいと思います」
「うむ。リクイド様、レナをよろしくお願い致します」
「わかりました。任せておいてください」
パーティー会場の入り口付近でお父様と別れた。私とリクイドは向き直る。目指すはパナマ伯爵のパーティー会場だ。緊張するわね……変な噂が流れているだけに余計に。
「レナ、本日の目的は忘れてないよね? 大丈夫かい?」
「大丈夫よ、リクイド。私達の関係性……とは違うと思うけど、インパクトを残すのよね。前の噂が霞むくらいの」
「そういうことだよ」
これは、あれから考えた私とリクイドの案だった。今は私の性格が最悪でハグリズから別れを告げられたと言われているけれど、それを失くす必要がある。単純に噂を消すことは難しいのでそれ以上のインパクトを与えようというわけだ。それにはつまり……。
「わ、私達の仲をただならぬものに思わせるのよね?」
「そういうことだ。噂は噂のままでいい。肯定する必要もないけど、謎めいている雰囲気の方が貴族は気になるものだからね。勝手に深読みしてくれるということさ」
「それは留学で得た知識なのかしら?」
「まあ、そうとも言うかな」
リクイドははぐらかしたように舌を出していた。本当のところは分からないけれど、少しチャラくなっているような気がする。女性経験でもできたのかもしれないわね。
「よし、レナ。そろそろ入ろうか」
「ええ、わかったわ」
リクイドと一緒に入っていく。パーティー会場へ。
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「けっこう、人が多いわね」
「パナマ伯爵は有名な貴族だからな。呼ばれる人も多いんだろう」
「ちょっと、あれって……」
「本当だわ」
入って来ていきなり私の顔を見られた。男爵令嬢なんてそんなに有名なはずはないけれど……ハグリズの噂は想像以上に浸透しているようだった。
「となりにいるのは誰かしら?」
「リクイド・ブラムス様だよ。最近、侯爵令息になられた」
「え~そんな人と一緒に……?」
いきなり予期していたことが起こった。リクイドと一緒にいる私が噂され始めているのだ。リクイドは最近、子爵から侯爵に上がった家系出身。その人の隣にいるというのはそれだけでインパクトを与える。
「リクイド殿、ようこそいらっしゃいました」
「パナマ伯爵。ご無沙汰しております」
それからすぐにパナマ伯爵が話し掛けて来た。これもまた予想通りだ。
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