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18 エリザベス視点
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※エリザベス視点
「え、エリザベス」
「何でしょうミハエル様」
「怒ってるのかい?」
「ええとっても!」
パーティー会場に戻った私たちはニコニコと笑顔を貼り付けながらゲストの相手をします。二人だけになったタイミングでミハエル様はこそっと耳打ちしてきました。
怒ってる?そんなの当たり前です。
実行犯である令嬢たちはあの後グラシャさんの様子を見に倉庫へと戻ってきました。そして後から駆けつけた自警団に捕まり、今は別室で捕縛されています。
彼女たちはバレイン男爵令嬢の取り巻きで、今回のことも全てバレイン男爵令嬢の指示で行ったらしいです。何故そこまで協力したのか分からないけど……何にせよ、彼女たちが行ったのは立派な犯罪だ、当然見逃すつもりはありません。
チラッと会場を見渡せばある一角だけ人が避けていまして。そこにあるソファーには何とも場違いなシルバーのタキシードを着た人間が。
「なんつーか……哀れだよな」
会場にいる誰かがそう呟きました。
その騒ぎがあったのは数時間前。
人集りが出来ているので何事かと思えばそこにはどう見ても不機嫌なスプラウト様と、そんな彼に気付かずペラペラと話を続けるシルビア=バレイン男爵令嬢の姿が。どうやら彼女は堂々と恥ずかしげもなくスプラウト様へ告白をしたらしいのです。
周りの人たちはそれを楽しげに見物。だって渦中の人物はあのスプラウト家の嫡男様、場合によっては史上最悪のスキャンダルになり得るのだから。
でも、スプラウト様は彼女を突き放します。だって彼にはあの人がいるんだもの。
「おい、誰か声かけてやれよ。見てて痛々しい」
「僕は嫌だね。いくら男装の麗人と言っても男爵令嬢だろ?勘違いされて付き纏われたら困るよ」
「想い合ってるなんて嘘じゃない」
「全部妄想だったのよ」
会場中がこそこそと彼女の悪口を言います。まぁあれだけ派手に振られてしまえばね……。
だからこそ真実を明るみにするにはこのタイミングしかありません。どんなに惨めな思いをしたとしても、彼女が心からグラシャさんに謝罪しないと意味がないんだもの。
コホンと軽く咳払いをし私は壇上に上がりました。
「さぁさぁ皆さま!今宵のパーティーもあとわずか、ここで皆さまに素敵なご報告がございます!」
なるべくこの空気を払拭するように明るい声で言います。
「夫ミハエルの古くからの友人、そして私エリザベスの親友でもあるこの二人が本日皆様に素敵なご報告があります。どうぞ盛大な拍手でお迎えくださいませ」
それまで項垂れていたバレイン男爵令嬢がゆっくりと顔を上げました。
「さぁ!では、ご紹介致します!アシュレイ=スプラウト様とグラシャ=ノーストス様です!」
私の声と共に会場の扉がゆっくりと開かれるのです。
そこには、騎士服に身を包んだスプラウト様と、真っ白なウェディングドレスを身に纏ったグラシャさんが幸せそうに微笑んでいました。
会場中の人間が二人を見て息を飲みます。
凛々しく逞しいスプラウト様はもちろんですが、今注目を集めているのは間違いなくグラシャさんです。
(ふふっ、よくお似合いですわグラシャさん!)
用意させたウェディングドレスは彼女の体にぴったりで、最高級のシルク生地がこの場にいる誰よりも彼女を高貴に演出します。
「素敵……美しすぎるわ、お二人とも」
「えぇ、それに見て?とても幸せそう」
「間違いなくノーストス嬢はこの国一番の美人だ」
一応私の結婚披露パーティーなんですけどね、でもそう思えてしまうほどグラシャさんは綺麗です。
チラッとバレイン男爵令嬢を見ればどこか悔しそうに二人を見つめていました。それでも彼女はさっきみたいに無謀な行動は起こさずただ黙ってそこに座っているだけです。
(さぁ、よく目に焼き付けなさい。貴女が愚かにも奪おうとした幸せを)
立場も、美しさも、清らかさも。
貴女は何一つグラシャさんに勝てないでしょう?
「そしてここで皆さまにもう一つのご報告を。今日、そちらのグラシャ=ノーストス様が何者かに軟禁されるという事件が起こりました。実行犯は捕まえましたが、それを企てた計画犯は今もこの会場の中に潜んでいるのです」
その言葉を聞き、会場にいる全ての人間が一斉にバレイン男爵令嬢の方を向きました。
「っ……私なわけ、ないだろっ!」
「ご自分でお認めになった方が罪は軽く済みますわ」
「私は関係ないっ!」
ガシャンと大きな音を立ててそばにあったグラスが割れます。あー……後でしっかり怒られるやつです。
「グラシャさんは命の危険があったのですよ?それを関係ないと仰るのですか?」
「命の危険?たかが倉庫に閉じ込められただけで」
「あら?私、倉庫だなんて言いましたっけ?」
その瞬間、バレイン男爵令嬢の顔が青ざめていくのが分かりました。
「お認めになった方が宜しいんじゃなくって?」
「え、エリザベス」
「何でしょうミハエル様」
「怒ってるのかい?」
「ええとっても!」
パーティー会場に戻った私たちはニコニコと笑顔を貼り付けながらゲストの相手をします。二人だけになったタイミングでミハエル様はこそっと耳打ちしてきました。
怒ってる?そんなの当たり前です。
実行犯である令嬢たちはあの後グラシャさんの様子を見に倉庫へと戻ってきました。そして後から駆けつけた自警団に捕まり、今は別室で捕縛されています。
彼女たちはバレイン男爵令嬢の取り巻きで、今回のことも全てバレイン男爵令嬢の指示で行ったらしいです。何故そこまで協力したのか分からないけど……何にせよ、彼女たちが行ったのは立派な犯罪だ、当然見逃すつもりはありません。
チラッと会場を見渡せばある一角だけ人が避けていまして。そこにあるソファーには何とも場違いなシルバーのタキシードを着た人間が。
「なんつーか……哀れだよな」
会場にいる誰かがそう呟きました。
その騒ぎがあったのは数時間前。
人集りが出来ているので何事かと思えばそこにはどう見ても不機嫌なスプラウト様と、そんな彼に気付かずペラペラと話を続けるシルビア=バレイン男爵令嬢の姿が。どうやら彼女は堂々と恥ずかしげもなくスプラウト様へ告白をしたらしいのです。
周りの人たちはそれを楽しげに見物。だって渦中の人物はあのスプラウト家の嫡男様、場合によっては史上最悪のスキャンダルになり得るのだから。
でも、スプラウト様は彼女を突き放します。だって彼にはあの人がいるんだもの。
「おい、誰か声かけてやれよ。見てて痛々しい」
「僕は嫌だね。いくら男装の麗人と言っても男爵令嬢だろ?勘違いされて付き纏われたら困るよ」
「想い合ってるなんて嘘じゃない」
「全部妄想だったのよ」
会場中がこそこそと彼女の悪口を言います。まぁあれだけ派手に振られてしまえばね……。
だからこそ真実を明るみにするにはこのタイミングしかありません。どんなに惨めな思いをしたとしても、彼女が心からグラシャさんに謝罪しないと意味がないんだもの。
コホンと軽く咳払いをし私は壇上に上がりました。
「さぁさぁ皆さま!今宵のパーティーもあとわずか、ここで皆さまに素敵なご報告がございます!」
なるべくこの空気を払拭するように明るい声で言います。
「夫ミハエルの古くからの友人、そして私エリザベスの親友でもあるこの二人が本日皆様に素敵なご報告があります。どうぞ盛大な拍手でお迎えくださいませ」
それまで項垂れていたバレイン男爵令嬢がゆっくりと顔を上げました。
「さぁ!では、ご紹介致します!アシュレイ=スプラウト様とグラシャ=ノーストス様です!」
私の声と共に会場の扉がゆっくりと開かれるのです。
そこには、騎士服に身を包んだスプラウト様と、真っ白なウェディングドレスを身に纏ったグラシャさんが幸せそうに微笑んでいました。
会場中の人間が二人を見て息を飲みます。
凛々しく逞しいスプラウト様はもちろんですが、今注目を集めているのは間違いなくグラシャさんです。
(ふふっ、よくお似合いですわグラシャさん!)
用意させたウェディングドレスは彼女の体にぴったりで、最高級のシルク生地がこの場にいる誰よりも彼女を高貴に演出します。
「素敵……美しすぎるわ、お二人とも」
「えぇ、それに見て?とても幸せそう」
「間違いなくノーストス嬢はこの国一番の美人だ」
一応私の結婚披露パーティーなんですけどね、でもそう思えてしまうほどグラシャさんは綺麗です。
チラッとバレイン男爵令嬢を見ればどこか悔しそうに二人を見つめていました。それでも彼女はさっきみたいに無謀な行動は起こさずただ黙ってそこに座っているだけです。
(さぁ、よく目に焼き付けなさい。貴女が愚かにも奪おうとした幸せを)
立場も、美しさも、清らかさも。
貴女は何一つグラシャさんに勝てないでしょう?
「そしてここで皆さまにもう一つのご報告を。今日、そちらのグラシャ=ノーストス様が何者かに軟禁されるという事件が起こりました。実行犯は捕まえましたが、それを企てた計画犯は今もこの会場の中に潜んでいるのです」
その言葉を聞き、会場にいる全ての人間が一斉にバレイン男爵令嬢の方を向きました。
「っ……私なわけ、ないだろっ!」
「ご自分でお認めになった方が罪は軽く済みますわ」
「私は関係ないっ!」
ガシャンと大きな音を立ててそばにあったグラスが割れます。あー……後でしっかり怒られるやつです。
「グラシャさんは命の危険があったのですよ?それを関係ないと仰るのですか?」
「命の危険?たかが倉庫に閉じ込められただけで」
「あら?私、倉庫だなんて言いましたっけ?」
その瞬間、バレイン男爵令嬢の顔が青ざめていくのが分かりました。
「お認めになった方が宜しいんじゃなくって?」
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